突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
ダイヤモンド。天然のものでならば最も硬い物質であり、宝飾品としても最上級の価値を持つ宝石である。
炭素によって作られた透き通った結晶構造が光を複雑に反射することで美しい輝きを放つのが特徴だ。
当然ながらより大きな物ほど価値が高くなり、世界最大の原石は59億円の値が付けられたそうだ。
その世界最大の原石の重量が約621グラム。
ペットボトルよりも重い、手のひらに載せるというべき大きさの物。
炭素が重量によって圧縮されてできるものなので、そこまで育ったことがある種の奇跡だと言ってもいい。
今回は小さな山ほどある大きなダイヤモンドが出てきた話だ。
頂上に存在する階段を降りると、そこにデパートの飲食フロアのようにそれまで出現した建物達が押し込まれている。
そう、建物の枠の中に建物を押し込んでいるのだ。
ダンジョンの一フロアにガチャ産の建物達が無理やり移設され、建て直されている。
フロア階層の天井の高さがそれなりにあるため壊れた建物こそ無いが、前とは違う形になってしまっている建物もちらほらある。
例えば錬金術士のアトリエは、扉と壁が取っ払われ、排気ダクトが増えている。
そして
壁が取り払われたために机や椅子をより多く配置できるようになったため、人員はかつてのアトリエと比べると明らかに多くなっているように見える。
冒険者ギルドはほとんど変わっていなかった。
組み変わっていると扉の向こうの異世界のことを考えなくて楽で良かったのだが。
はー。
ガチャでも回そ。
SSR・山のようなダイヤモンド
出現したのは、高さが3~4メートルほどあるように見えるダイヤモンドだった。
いわゆるラウンドブリリアントカットと言われる、上から見て円形に見え、横から見ると五角形に見えるあの代表的な形状のものだ。
やったー、大金持ちだー! ととても喜べる状況ではない。
あまりにでかすぎるのだ。
仮に何らかの手段で一撃を加えて砕いても、その一欠片だけで世界最大のダイヤモンドの大きさを簡単に超えてしまうだろう。
そんな物を持ち出せるかというと否だ。
これまではそれらの特色によって持ち出せないものが多かったが、今回はただ単純に大きさだけでその価値を持ち出すわけに行かない物となっている。
で、あれば置いておくしか無いわけだが。
今度は、集光して光り輝いてめちゃくちゃ眩しいのだ。
これだけでかいダイヤモンドとなると、集める光の量も別格。
その輝きは当然のことながら凡百の宝石を超え、同等のものなどこの世に一つたりとも存在しないだろう。
結果。
おそらく国と引き換えにしてもお釣りが来るような大秘宝でありながら、ただただ邪魔でしかない代物となった。
どうすんだよこれ……。
後日。兄がそのダイヤモンドを、機神の頭部に据え付けた。
そのデカさに見合うだけの巨大な輝きは、機神の威容をより強大に見せるだろう。
その巨躯を飾るにふさわしい宝石は確かにこのダイヤモンドしかあるまい。
で、それを誰に見せるつもりなんですかね、兄は。
こんなでかい上に自我があるか疑わしいやつが着飾ったところで見せる相手がいなけりゃ意味ないんだが?
私に見せるつもりがないのは間違いない。
だって城の頂上からだと機神の後頭部しか見えない。
設置位置からして、正面から見たときに初めて宝飾品として意味があるのだ。
もしかして、兄はなにかと接触することを想定している……?
この巨体が……?