突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R 出前機

 出前機。出前のバイクに取り付けられている、乗せているものを振動から守るアームのことだ。

 通常、岡持ちなどをセット出来るようになっていて、その乗せたものの水平を保ち続ける。

 これの開発によって出前の商品を振動から守るために片手が岡持ちで塞がる事がなくなり、より安全に出前を運ぶ事ができるようになった。

 というか、日本にはこういう装置も含めて出前文化が存在するのに食品配達サービスが成長してきてるのどういうことなんです?

 

 今回はその出前機が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 兄が闘技場でサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を戦わせていた。

 ガチャガチャダンジョンを探索している冒険者の実力が見たいとか言い出して、闘技場の大会にエントリーしたのだ。

 結果はというと、やはりというべきか圧勝である。

 

 というのも邪神槍が強すぎた。

 振るだけで闇属性っぽいオーラが溢れ出し、目の前の敵を一掃したのだ。

 まるで煙のように相手を包み込み、意識を刈り取った。

 

 ええええー?

 割合雑に手に入れた装備であるにも関わらず、この威力である。

 それも撫でるように振るわれただけだというのに。

 

 流石にそれだと検証にならないために、槍も盾も投げ捨てて徒手空拳で挑ませたのだが、これがまた千切っては投げ、千切っては投げ。

 普段の微動だにしない姿から想像もつかないほどぬるりとした動きで相手の武器を絡め取り、絞め落としていった。

 

 うーむ。

 サメ機人(シャークボーグ)の戦闘経験とその獲得した能力を余すところなく継承したサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)はやはり常軌を逸した戦闘能力だと言える。

 人間範疇の生物であるガチャレクシアの人々では流石に相手にならないのか。

 

 まあその圧勝が原因で闘技場のオーナーに気に入られてしまい、チャンピオンとの勝負が約束されたのは幸か不幸か。

 今回の目的を考えれば、不幸ではないような気もするが……。

 

 まあいいか、どうでも。

 私は私でガチャを済ませてしまおう。

 

 R・出前機

 

 出現したのは、バイクだった。

 いわゆるカブと呼ばれるタイプのバイクで、多分コピー生産品だ。

 そして後部の荷物を固定する部分に金属のフレームと岡持ちが装備されている。

 

 これは……出前用のバイクだな?

 もうぱっと見ただけで用途がわかるだけなにか安心感がある。

 だが……これはガチャの景品。

 余計な機能が付け加えられていることは自明。

 

 そう思って、とりあえず岡持ちの中に水を入れたコップを乗せてみた。

 特に反応なし。

 

 うーん?

 とりあえずバイクのエンジンを掛けてみる。

 ガソリンは入っていたのか、スムーズにエンジンが掛かり、その排気音を立て始めるとともに。

 ガシャーン、という明らかにコップを派手に倒して割ったような音が聞こえた。

 

 バイクのステップが立ったままなのを確認して、岡持ちを開ける。

 そこには、横倒しになって割れたコップが入っていた。

 

 oh……。

 この出前機というやつは、乗せた岡持ちを揺らさないように作られているはずだが。

 こいつは……その逆みたいだな。

 

 色々試した結果。

 どういう原理になっているかはわからないが、この出前機はどうもかかった振動を増大させるようである。

 全く出前を守る気がない。

 

 こんなもんどうやって使えば良いんだよ……。

 ペットボトルに飲み物を入れて混ぜる、とか思いついたが、ペットボトルはペットボトルで破裂させてくるから本当に使えねえ。

 

 何に使えるんだよこれ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄がバイクから出前機を外した。

 まあ、そのなんだ。

 出前機とバイクの関係は追加パーツと本体なわけで、追加パーツが役に立たないのなら外せばいいだけの話だったのだ。

 

 その上、兄は出前機のパーツを分解して振動増幅器を作り出した。

 ただ、作ったはいいが何に使えば良いのかわからん、みたいな顔をするのはやめろ。

 兄はすぐ新しいガラクタを作り出すんだから困る。

 

 なおバイクにはナンバープレートがついておらず、ガソリンが一滴も入っていないのにエンジンがかかる為、車検にも出せそうにない。

 

 どうすっかなぁ、このバイク。

 私バイク乗れないんだよなぁ。

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