突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R 超撥水ビーチサンダル

 ビーチサンダル。ウレタンやゴムなどでできた靴底に鼻緒をつけた、そのまま水につけても問題ない履物のことである。

 極めて簡単な作りであるため、その材料によって値段が変わり、安いものならば百均でも手に入る。

 

 今回はそのビーチサンダルが出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サメ機巧天使(シャークマシンボーグ)の別働隊が、新たな知能を持つ生き物と接触した。

 それはブーステッドシャイニングドラゴンガチャ。

 陽の光を浴びて白色に輝く美しいドラゴンだった。

 

 ガチャレクシアから見て北にそびえる巨大な山岳の奥地に住んでいたそのドラゴンにサメ機巧天使(シャークマシンボーグ)が近づいた際、あちらから声を掛けられたのだ。

 もともとそのサメ機巧天使(シャークマシンボーグ)たちは地形を調べ、土地を調べれるために放たれていた個体である。

 そのため、周辺を調べるための装備で身を固めていたのだが、そのドラゴンの気配に気づくことができず、不用意に近づいてしまう結果となったのだ。

 

 サメ機巧天使(シャークマシンボーグ)が気が付かないということは相当高レベルな相手である。

 もしうかつに戦闘になったならば、この調査部隊は全滅することだろう。

 むやみに戦力を損耗するのは得策ではない。

 

 そう、身構えていたのだが……。

 ブーステッドシャイニングドラゴンガチャが話しかけてきたのはこれ以上先に進むと危険だから、という理由だった。

 なんでも山の向こう側には瘴気に満ちた土地があるらしく。

 そこに踏み込んだ生命はことごとくその形を崩して怪物に成り果てるのだという。

 

 彼の同胞もその瘴気の影響を受けて化け物になってしまったらしく。

 しかも世界の脅威になって随分昔に討伐されたとかなんとか。

 その悲劇を繰り返さないためにこの場で一人門番をしているそうだ。

 

 うっ。

 すごいいい人だった。

 私と兄が警戒したのがバカみたいじゃないか。

 私達は……その周辺を調べるためにきたと言い訳して……、サメ機巧天使(シャークマシンボーグ)たちにその場所に逗留させることにした。

 

 兄の目はすでに瘴気にへと向いている。

 機会を伺って突っ込ませる気満々である。

 

 その時が来たら止めるのは私か……。

 止めるための手段を考えておかなくては。

 

 さあて、思考を切り替えてガチャを回してしまおう。

 

 R・超撥水ビーチサンダル

 

 出現したのは青い色をしたビーチサンダルだった。

 靴底はウレタン製、鼻緒はビニール製の、百均でもてにはいりそうな普通のビーチサンダルである。

 特にプリントもなにも施されておらず、本当に安っぽい。

 

 で……超撥水。

 効果が名前になっているものはまあちょこちょこあったが。

 超撥水かぁ。

 ビーチサンダルって普通撥水素材でできていなかったか?

 水が染み込んでビチャビチャになるビーチサンダルというのは聞いたことがない。

 

 だが名前になっている……ということはなにか特別、ということなのだろう。

 だから、私はとりあえずコップに入れた水をビーチサンダルに掛けてみた。

 

 ビーチサンダルの上で水滴になる水。

 確かに普通のビーチサンダルと違って、雨合羽の表面のように水を弾いて染み込まないようになっているようで、水滴のままビーチサンダルの表面を滑って落ちていく。

 

 ……これだけ?

 想像以上にしょっぱい。

 確かに表面が濡れていることがないビーチサンダルは……まあ珍しいかも知れない。

 濡れていなければビーチの砂にまみれることも……まあ少なくなるだろう。

 

 ……ガチャの割にはおとなしいというか。

 まだなんかあるような気がしてならない。

 

 水に浮く……はビーチサンダルなら普通のことだし。

 別に撥水で水を押しのけているわけでもなし。

 

 本当にこれだけか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄が水の上に立っていた。

 超撥水ビーチサンダルを履いて、浅いビニールプールに水を満たして。

 その上に、撥水で立っていたのだ。

 

 やはりというかなんというか、ビーチサンダルが水を弾く力が強すぎて人を水の上に立たせる事ができてしまえるようだった。

 これかあ。

 見逃していたのはこれか。

 

 でもまあ。

 水を弾くということは、水を掴む力が弱いとも取れる。

 そんなもので水の上に立とうというのは……。

 

 そう考えたのとほぼ同時に、兄が盛大にすっ転んだ。

 超撥水ビーチサンダルと水の間には摩擦がない。

 摩擦の代わりになる力も存在しない。

 

 つまり。

 うかつに身じろぎすれば足元が滑ってすっ転ぶ。

 

 いやまあ、わかっていても試すのが兄という男だ。

 出来るからやる。

 できそうだからやる。

 そうして機神まで作っちゃったわけで。

 

 でも怪我とかはやめてくれよ!?

 親や医者に説明できないんだから!

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