突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R 腕部用ロケット

 ロケット。推進剤を燃やすことで反作用を得て加速する推進装置のことである。

 多くは爆薬を積んだ兵器を飛ばすために使われている。

 だが一般的に思い浮かべられるのは宇宙へ上がるためのロケットだろう。

 炎を吹き上げながら空へと飛んでいくロケットの姿は、宇宙の壮大さと相まってロマンであると言える。

 

 今回はそのロケットを腕に取り付ける物が出てきた話だ。

 よりによってそこ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山脈の方の黒ずくめの教団のアジトから人がいなくなったので、兄はサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を忍び込ませた。

 これまではサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)の隠密能力の低さから、調査に入ることができなかった場所。

 でかい図体と、姿を隠すことに向かない羽と、あと純粋にそういう技能を持っていないため、人がいるとわかっている危険地帯には入れなかった。

 

 だが前回の化け物の件であの黒ずくめの教団は姿を隠す必要が出てきた。

 危険な集団だと認識されてしまっては活動ができなくなってしまう。

 そのため、化け物と教団を結び付けられないように証拠を消して倉庫や洞窟から去ったのだ。

 最も全部サメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)が見ていたので隠蔽工作は全く意味を成さないのだが。

 

 だが、隠蔽がうまくいかなかったということを除けば、その撤退は鮮やかなものである。

 どうやって消えたのかわからないのだから。

 サメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)なら一人ぐらいどこに行ったのか見つけてもおかしくないのだが、どこへ行ったのかさっぱりわからない。

 

 そのためアジトとなっていた洞窟に潜り込んだのだ。

 そこに広がっていたのは、ダンジョン。

 それも人為的に作られたであろうものだ。

 兄が勢いとともに出入りをしていたあのダンジョンと同じ、ダンジョンのコアの力で作られたダンジョンだ。

 

 うーん。

 これはダメだ。

 調査しようにも……広すぎる。

 

 だから私は……今日は兄に全部投げて、ガチャを回すことにする。

 

 R・腕部用ロケット

 

 出現したのは1メートルほどの大きさのロケットだった。

 全体的に造型はスペースシャトルのロケットに似ている。

 ロケットの側面に突起があり、その中に操縦桿型の握りがついている。

 

 握り。

 え、握り?

 つまりこれの名称と合わせて考えると、握るとロケットが点火して空を飛び出すってことか?

 握った人を引きずって?

 

 あまりに暴力的な構造に頭を抱える。

 それでどうやって空を飛ぼうというのだ。

 背中に背負うならまだしも、腕にロケットをくっつけて空を飛ぼうという発想はイカれている。

 

 そのイメージ通りなら私が試すわけにはいかないわけだが。

 危険すぎる。

 

 どうするかなぁ。

 とりあえず飛べるやつに試させる、というのが良さそうだが。

 飛べるやつ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄は背中に腕を生やしたサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を作り出した。

 背中の真ん中に腕が一本生えているのである。

 

 というのも、サメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)に腕部用ロケットを試しに使わせたのだが。

 思いっきり空中でおかしな方向に飛び、きりもみ状態で地面に激突したのだ。

 

 推力自体は制御できているようだが、ついている位置が致命的に悪い。

 そのせいでロケットから生じた推進力が体を軸に回転するエネルギーに変換されてしまっているのだ。

 そうなってしまっては演算能力の高いサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)でも御しきれない。

 

 だから兄は……。

 動作が回転に変わらない位置に腕をつけることで腕部用ロケットを制御することにした。

 背中ならば、きりもみ回転に入ってしまいそうになっても、羽で回転を抑制してバランスを取ることが出来る。

 

 そうやって飛んでみたサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)は……。

 なんと羽だけで飛んだときとほとんど変わらない速度だった。

 制御は完璧にこなしているが、その制御に羽の動きを持っていかれ、速度が出せないのが原因だった。

 

 えー……。

 じゃあこれどうやっても使えないってことでは……?

 危険物じゃん……。

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