突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
ソーシャルゲームなどには、キャラクターの能力が段階で制限されている場合がある。
この段階を突破して次なる成長を可能とする作業を進化とか限界突破とか言うのだ。
作品によってこの扱いはまちまちである。
場合によっては同一のキャラクターを何枚も集めなければこの能力の制限を開放できないことがあり、かなりの課金を強いられることになるだろう。
ユーザーフレンドリーがいいかと言われると商売的には微妙なところではあるが……。
今回はその進化に必要な素材が出てきた話だ。
チキチキ第二回ダンジョン攻略回始まるよー。
と完全に気が狂ったかのような発言を飛ばしてくる兄。
テンションが上っているのか、疲れているのかいまいち判断に困る。
それに第二回ではない。
発掘したダンジョンの内部にはいくつか別オブジェクトとしてダンジョンが存在したし、覗く程度だがガチャレクシアのダンジョンも調査している。
まあそれは置いといて、だ。
黒ずくめの教団のダンジョンはいわゆる洞窟を手掘りで拡張した
よく見れば地面の石の配置や壁の掘削のパターンがある間隔で全く同じものが並んでいるところが、ダンジョンのコアによって作られているか否かを見極めるポイントである。
兄は攻略のために完全装備状態の
質を伴った数の暴力でダンジョンのギミックを薙ぎ払う気満々である。
それにこれまでのダンジョン探索で便利だった装備も整えてあるあたり、だいぶ本気だ。
そうやって話しているうちに、ダンジョンの第一層が攻略された。
駆け足でモンスターを蹂躙する
そしてエレベーターのようなものを見つけたが、セキュリティの関係で動かないようである。
じゃあどうしたかというと……兄はエレベーターを破壊した。
ああ、うん……。
探索は兄に任せて、私はガチャを回してしまおう。
R・進化素材
進化素材。
確かに拾い上げて私の手の中にあるはずなのだが、その形を目で捉える事ができない物が出た。
丸いような気もするし、四角いような気もする。
透明にも見えるし、青く光っているような気もする。
とにかく不確かだ。
そこにあることだけはわかるが、それがなんなのかは釈然としない。
で……、これはなんだ?
進化素材、とあるが、それは何を指す言葉なのかもわからない。
わかるのは進化のための素材、だということぐらいだ。
ソシャゲか?
もしかしてソシャゲか?
ソシャゲのキャラクター強化用の素材、ってことか?
だとすれば詫び石のようにイマイチ不確かな形をしていても納得できる……というか。
詫び石もこんな感じで不確かだった。
詫び石は石としての共通イメージがあるだけ、まだまとまった見た目をしていたが。
進化のための素材は作品によってそのイメージはだいぶばらつく……というか、共通したイメージはないと言っても良い。
だからといってこんなぼやっとしたモノを出さないでくれよォ!
手に乗ってる感覚もだいぶ違和感があるんだよ!
後日。兄が進化素材を
1つでは
だから兄はサメ妖精のシャチくんに進化素材を与えた。
それを飲み込んだシャチくんは全身をボコボコさせながら形を変え……。
最終的に元のサメがデフォルメされたような姿に戻った。
ただ、全身にソシャゲ的な模様と装飾品が追加されている。
その孔雀のような尾の飾りは何に使うのかね?
そして、進化したことによってシャチくんは新しい能力を手に入れた。
なんと。
自分よりもレベルの低い相手を確実に即死させる結界である。
過剰だよ!
なんで進化素材を1つ使っただけの一段階進化でそんな過剰な能力が手に入るんだよ!