突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
何事にも準備がある。突然物事が起こるということはほとんどありえない。
多くの災害は気象条件の積み重ねであるし、陰謀は突然生えてきたりしない。
何かをするには、それを行うのに必要な条件や資材が必要なのだ。
人を招く準備、立ち入りを禁止しておく用意、情報を予め隠しておく、必要な道具を取り揃えるなど……。
今回は準備を行う回だ。
氷の惑星で。
ニュースでは国連が宇宙エレベーターの調査をすると報道していた。
日本や周辺の国の調査ではにっちもさっちもいかないためにより多くの人員を集めて調べようとしているのだ。
まあ、当然である。
押さえればそのまま宇宙の覇権を握れる建造物の調査を他国にいつまでもやらせていられるわけがない。
それ故国際社会が圧力をかけ、調査団が結成されたというわけだ。
兄は思ったよりも遅かったな……と言っていたが、私はもっと遅くても良いと思う。
複数の国家が入り乱れると、非常に政治が面倒なことになるからな。
兄は
それにはまだこなさないといけないことも当然多く、バリアを解除して人を招けるのはいつになることか。
なお他の惑星のうち1つ、凍りついた惑星は全部ダンジョン化した。
もともと生物が縄張りとしていない土地は一瞬でダンジョンで侵食できるのである。
森や平地など、生き物がいそうな土地は大体生物がいるのでそれの縄張りに抵触して、少しずつしか進められないのだが。
あと建造物も時間がかかる。
全く生命のいない未開の地である氷の惑星はその点、ダンジョンが侵食するには手軽だった。
一瞬で星1つを飲み込んで……そのすべてをダンジョンの一部としてしまった。
ダンジョンが示す氷の主成分は水やメタン、アンモニア。
いわゆる天王星型惑星の成分である。
太陽のような恒星が見えるが、やたら遠いせいで地表は冷え切っている。
具体的にはマイナス200度ぐらいだ。
しかも、分厚い氷の下にはメタンが溜まっているらしいのだ。
地表を機神に取り込ませ分析した結果、びっくりするくらい大量に。
重力によって内側に引き寄せられ、圧縮されたのかは微妙にわからないところである。
問題は、うかつにダンジョンの機能を使って環境を変動させると大爆発を起こす可能性があることだ。
環境を整える機能を持つダンジョンであるから可能なことではあるが……うかつに使えなくなってしまった。
まあ兄は臨機応変にメタンプラントを設置したのだが。
機神が30秒で設計して、配置してくれました。
本当にとんでもないやつだ。
しかもこれのせいで、地球の国家との取引材料を手に入れてしまった。
天然ガス資源である。
シーレーンとか無視して輸入できる燃料である。
よ、よりによって……。
もろに政治の影響を受けそうな資源を回収できる状態にするとは……。
そういえば、この氷の惑星。
アルファ・ケンタウリにあるようである。
機神のマップ表示がほとんどバグったかのように宇宙全域を表示しているのだが、そのマップの配置図にわかっている星の名前も載っている。
氷の惑星を拡大して見ると、その氷の惑星が所属する恒星の名前も見えてくるのだが……。
表示されていたのがケンタウルス座のα星。
複数の恒星を持つ連星系とされる星である。
また地球型惑星があるとされ、SFでよく話題になる星でもある。
その中の1つとなると……。
長期的に見ると非常に面倒なことを起こしそうで頭を抱えそうだ。
よし、忘れよう!
私と兄が黙っていれば地球の国がこのことを知ることは永遠にないはずだからな!