突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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SSR 地上戦艦

 戦艦。戦うために作られた巨大な艦艇のことである。

 細かい分類は軍事に詳しい人やサイトに譲るとして、その特徴は強力な砲を積んでいることと、巨大さから来る重装甲さだろう。

 砲は巨大になればなるほどその射程距離は広くなっていく。

 そのため、より遠くから敵を一方的に攻撃できる。

 高威力で、敵よりも有利な地点から攻撃し続けられる戦艦が弱いわけがないのだ。

 なお、もっと有利な地点である空からの攻撃を受けて廃れた。

 

 今回は地上戦艦が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地球側国家へ、ダンジョンの資源を放出して、宇宙エレベーターから視線をそらそう大作戦で放出している資源だが、実は有形無形問わず社会を揺るがしかねないものばかりである。

 鉱石資源には普通にミスリルが混ざっていてヤバい。

 機械技術には例の羽が回らないドローンの飛行技術が普通に開示されていてヤバい。

 薬物資源には魔法のように傷を癒やすダンジョン産のポーションを売っていてヤバい。

 

 まあ最もヤバいのはさらっと魔法技術を開示していることだが。

 来ている調査団の人々に教授する形で行われているそれはノーライフキングのリチャードさんの研究によって得られた知識である。

 本人から広めてくれと頼まれているのもあるが……なんでよりによって地球側で。

 

 いや、わからなくもない。

 教育制度が整っている環境でもなければリチャードさんの魔法は普及させられない。

 彼の願いを叶えるにはこうするしか無いだろう。

 

 まー、兄が考えてるのは絶対そんなことじゃなさそうだけどな!

 魔法放流したら世界はどうなるかな、とか思ってるに違いない。

 本当にひでえやつだ。

 

 そしてその魔法に案の定釣られて宇宙エレベーターの調査を遅延させる国際社会よ。

 いいことか悪いことか微妙にわからん。

 

 さて、ガチャを回そう。

 世界が変わるとかなんとか、ぶっちゃけ()()の私にはあまり関係がない。

 

 SSR・地上戦艦

 

 その戦艦は超弩級戦艦だった。

 巨大な複合装甲と階層状の甲板を持ち、複数の砲を備え、そして無限軌道によって地上を強引に走る、そういう戦艦だった。

 オレンジ色に塗られたその体は荒野に紛れるためだろう。

 おそらく夕焼けの中でなら姿を見失うほど。

 

 その戦艦が、テラスから見える海に出現と同時に沈んだ。

 流石に海岸線が近い場所なので海底に無限軌道がつき、砂地であるために徐々に重量で埋まっていっている。

 

 いやあデカい。

 機神のボディと同じぐらいデカい戦艦だが、あいにくと地上用。

 海上に適正はなかったようだ。

 

 はー……。

 デカブツじゃん。

 宇宙エレベーターほどじゃないが、だいぶデカブツじゃん。

 普通に邪魔じゃん。

 しかも兵器じゃん。

 

 どーすっかなぁ。

 動かすにしても早くしないとそのまま座礁してしまう……。

 

 

 

 

 

 

 

 兄に指示して、サメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を向かわせた。

 幸い、湖などを強引に踏破する前提で作られていたようで、浸水などはなかったが、海底にはその重量を支えられるような場所がない。

 長時間放置しているとそのままずぶずぶと地面の下にめり込んでいくのは必定。

 

 調査も程々に、さっさと動かして移動させる方針で動いていたのだが。

 あるレバーを下げた瞬間、地上戦艦が怪しげな振動をしはじめながら、そのブロック構造を展開させ始めたのだ。

 

 エンジンの起動レバーだと思って降ろしたのは他の機能のものだったらしい。

 操縦席にこれみよがしに、エネルギーと書かれたレバーがあればそれが動力だと思うのは仕方ないはずだ。

 

 地上戦艦はその形をどんどん組み換え、ついには()()()()()()

 それは人型に似た姿だった。

 

 おま……お前……。

 巨大ロボットかよ!

 機神よりもデカいロボが海底に直立している状態。

 いや砂地だから膝まで埋まってるな。

 

 うーん。

 デカブツがもっと扱いに困るデカブツになってしまった。

 ま、まあ海底を進めないキャタピラより、歩けるだけマシ、だと言えるか。

 

 邪魔なものが……増えてしまった……!

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