突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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SSR 世界樹

 世界樹。元は多くの神話に語られる、その枝の内に複数の世界を抱える巨大な木を指す言葉だ。

 巨大な生命力の塊であり、枯れてしまうと世界が死んでしまうほどだ。

 そこから様々な創作ではその世界樹の苗木のような存在がいくつも出てくる。

 そのほとんどの作品での葉や触れた水は特別な力を帯びている。

 それだけでもその力の強大さが伺え、世界そのものを維持していることすら多い。

 

 今回はその世界樹が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっとというべきか、機械じかけの星の併呑が完了した。

 星を覆うダンジョンの管理権限を強だ……獲得したため、簡単に侵食が可能になったため、兄はサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を各地にへと派遣。

 侵食に使用するための基準をばらまいたのだ。

 

 その過程には色々あった。

 機能が死んでいないガードロボットに襲われ、それに対してサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を数十倍の数けしかける羽目になったり。

 機能が死んでいない自動兵器に襲われ、それに対してサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を数十倍の数けしかける羽目になったり。

 機能が死んでいない自動販売機に襲われ、それに対してサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)を数十倍の数けしかける羽目になったり。

 

 ……なんか襲われてばっかりだな。

 まあセキュリティがしっかりしているのが原因だ。

 というか一部白い塵に侵食されながらも、サメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)に勝る性能を維持しているあの機械群ヤバすぎる。

 

 あとなんか、この星、変形合体機能があるみたいなんだが。

 何を想定してそんな機能を……?

 

 まあいいか。

 技術は吸い上げられるだけ吸い上げ終わっているし、現状死の星であるためどうするか悩ましいところである。

 資源は掘り尽くしてそうだし、白い塵を片付けるのもしなければならないし……。

 

 まあ考えるのは兄だが。

 私は横で見ているだけなので楽な身分である。

 さて、ガチャを回してしまおう。

 

 SSR・世界樹

 

 世界樹。

 掲示板の依頼の報酬で枝やら雫やら葉やらが出てきていて、どれもヤベエ級の素材だったのだが、ついに本体が出て来たか。

 先日も枝で一悶着あったばかりであるし、葉に触れた雫は致命傷を即座に塞ぐほどの薬の材料になるし、葉はもう煎じて飲ませると死人が生き返る。

 

 まあそういうヤバい代物なんだが……。

 どこに出現したんだ?

 テラスを見渡しても、それらしい植物が見当たらない。

 

 うーん……?

 そう首を傾げる私の耳に、メキメキという音が聞こえてくる。

 なにか、こうアニメなどで木がすごい勢いで成長していくときに鳴るような音だ。

 

 音のする方、すなわち宇宙エレベーターのある方向に視線を向けると。

 

 宇宙エレベーターと同じほどの大きさもある幹が、宇宙エレベーターを添え木に成長していく姿があった。

 枝を絡ませ宇宙エレベーターと同化していく。

 その姿は森の侵食というより、宇宙エレベーターと一つになっていくようである。

 

 いや、やっぱ融合していってるな。

 枝の隙間から見える宇宙エレベーターの外装がだんだん樹皮に似た物に変わっていっているもん。

 あと基部も明らかに植物の根のような形状に変わってきている。

 

 おっとー?

 ヤバいものひいたか?

 

 

 

 

 

 後日。完全に宇宙エレベーターに同化した世界樹は、なんというかこう……。

 ヤバいことになった。

 静止衛星軌道上まで伸びる超巨大な大樹になったにも関わらず、その巨体を完全に維持している。

 兄が言うには、どうも違う理が働いているらしく、樹皮を境に別空間と化しているとのこと。

 

 そして宇宙エレベーターの中はというと。

 その内側を完全に別世界と化した。

 幅数キロほどの円筒状の宇宙エレベーターの内側を、まるでアニメで見たコロニーのように。

 宇宙までの3万6000キロメートルまでを自然豊かな環境へと変化させたのだ。

 なお宇宙エレベーターの太さは1キロメートルもない。

 明らかに空間が拡張されている。

 

 なお、上層はもっとヤバい。

 宇宙エレベーターの中腹ほどから広げた枝の上にいくつかの別世界が広がり、その中に様々な環境が再現されているのだ。

 それも、一つ一つが東京ぐらいの広さで。

 

 しかもそれが直接地続きになっている。

 どういう原理でそうなっているのかわからないが、本当に基部から歩いて枝の別世界に行けるのだ。

 なお時間は問わないものとする。

 

 ついでに、静止衛星軌道ステーションも同様に異世界化し、都市国家ぐらいなら入りそうな草原となってしまった。

 建物はそのまま移設され、ゲートは繋がったまま形を変えたが。

 

 なお生育の時点でダンジョンの一部扱いになっていた模様。

 一気に領土が広がってしまった。

 突然湧いて出た十数万平方メートルもの領土、普通に扱いかねる。

 しかも7~8個の東京サイズの別世界もプラスだ。

 ついでにいうと基部はめちゃくちゃ険しい植物ダンジョンと化した。

 全容が機神の出力した地図でしか把握できない。

 

 世界樹は世界を乗せた樹だとは聞いていたが。

 まさかここまで……。

 

 私は世界樹の枝の上にへと移動した機神の背中のテラスから、真昼の星空を眺めながらため息をついた。

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