突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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SSR 世界樹 その2

 世界樹はその内に複数の世界を抱く。

 それはつまり……ある種、神に近しい存在であると言ってもいいだろう。

 命を育みその一生を見届ける存在。

 それはやはり信仰の対象となるだろう。

 ただ巨大なだけの樹にすら神が宿るとされるのなら、世界樹には一体何が宿るのだろうか。

 

 今回は世界樹で世界が大変なことになった話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ。

 案の定というか。

 世界樹の出現で、流石にガチャレクシアは混乱のさなかにあった。

 

 突然超巨大な樹が出てきたのだからまあ、混乱しないほうがおかしい。

 宇宙エレベーターのときはそれが何なのかわからないのと、空の向こうに線が走ったようにしか見えないことから、そういうこともあるだろうと流されていたのだが。

 植物の樹は彼らの常識の中にあるものだ。

 それが突然生えてきたというのなら混乱も起こる。

 

 それに世界樹が根っこを伸ばし、そこから枝が伸びる形で樹海を広げている。

 もとからある森と一体化することで世界を複雑に切り分け、その樹由来の生命力に満ちた小世界へと作り変えていく。

 

 もともと偽装用に用意した国も飲み込まれて、まるでエルフの国みたいな見た目になってしまっている。

 世界樹はダンジョンであるため、全く不都合はないが、外部に見せて言い訳するためとしてのカードとしては微妙な感じになってしまった。

 

 でー、ガチャレクシアではいくつか反応が分かれた。

 

 一つは、信仰対象と捉え、熱心に拝むもの。

 巨大な樹はただそれだけで信仰対象である。

 それを遥かに超え、宇宙にまで届く神の樹を崇める、というか神の与えたものだと考えているようなのだ。

 この考えは街の中に住む一般人に多い。

 

 まあ、間違いではない。

 周囲には機械仕掛けとはいえ大量に天使がいるし。

 神ではなくてガチャから出てきただけだ。

 

 一つは、危険な魔物だとして、討伐しようという動き。

 ガチャレクシア周辺の森にはトレントと呼ばれる動き回って人を襲う木のモンスターが生息している。

 その中でも超強力なものが世界樹だと考えているのだ。

 この考えは血の気の多い冒険者に多い。

 

 まあ、どうやって倒すかという致命的な問題から皆目を背けているのだが。

 要はそう言っていれば箔がつくから言っているだけなのだ。

 実際成し遂げられるならそれこそ神話の英雄である。

 

 一つは、異変として調査しようという動き。

 これはまあ統治者側の考えだな。

 それが危険なものか、それとも益をもたらすものなのかどうか確かめなければならないと考えている。

 まあ、仮に利益を得られるものなら利権に食い込もうと考えているものも多いようで牽制しあっているようだ。

 

 これはこれで問題がある。

 そもそも世界樹までどうやってたどり着くかである。

 霧星(きりほし)の環境は過酷であり、人が住める土地は限られている。

 そこを出て調査に赴くということは、危険地帯を踏破できるだけの実力者が必要なのだ。

 

 で。

 それが出来る人員として、名指しされたのが。

 うちのサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)だった。

 単独で危険生物を討伐出来る実力を持つ集団。

 

 笑う。

 マッチポンプじゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっと。

 そう言えばこの件にはもう一つ、関わってくる陣営があるんだった。

 それは地球側である。

 

 突如霧星(きりほし)側の宇宙エレベーターに異変が起こり、超巨大な樹に変貌したのだからまあ、正気になる。

 魔法技術の供与、ダンジョン資源の販売など、これまでの社会の常識を覆し新たな技術を生み出す代物だった。

 だがそもそも、宇宙エレベーターへ調査に入ろうとしていたのは宇宙へ進出することとあわよくば霧星(きりほし)に踏み入ろうという算段だったはず。

 

 国を名乗って、しかも利益を与えてくる存在を無碍にするつもりはないはずだが。

 調査団として目的を違える理由にはならない。

 

 結果、宇宙エレベーターの利用を求める交渉を要求してくるようになった。

 すまない!

 まだ準備が終わってないんだ!

 

 そもそもまだ人を安全に運ぶ手段が確立されてないんだ!

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