突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R スマホ

 スマホ。小型のパソコンと言ってもいいほどに処理能力と機能性を高めた携帯電話のことだ。

 ある会社が発表した新たな携帯電話の概念はあっという間に世界を変え、今では一人一つのスマホを持つのが当たり前になってしまった。

 電子決済まで出来るようになっているのだからもはや生活には必須のものだと言える。

 きっとこれからももっと便利になっていくだろう。

 

 今回はスマホが出て来た話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サメ型のお手伝い妖精のシャチくんは今、兄の手伝いをするために……800体に増殖した。

 成長した結果その数まで増殖出来るようになったというか、ダンジョンの成長に従って経験値を獲得したというか。

 この手のモンスターって進化すると見た目が変わるのが常……というかサメもどきは順調に変化してきたけれど、シャチくんは数が増えただけで変わっていない。

 

 その数を使って何をしているかというと、小世界の管理である。

 現在世界樹の枝には複数の世界が展開されているが、それを全部、とりあえずいい感じに維持している。

 

 そう、いい感じにである。

 小世界は基本的に独立した完全環境(アーコロジー)であり、外部からの物質的、エネルギー的な流入は存在しない。

 強いて言うなら日光ぐらいである。

 

 ダンジョンであるため足りない分を強引に補うことは出来る。

 出来るとはいえ、ダンジョンの持つリソースを消費するので少ないほうがいい。

 アクアリウムのように一つの世界ですべてが完結している方が無駄な消費が少なくなるのだ。

 

 シャチくんはこの、バランスを整える作業をしている。

 まあ兄にいかにも繊細そうな作業は絶対苦手だから適材適所だ。

 

 その作業に800体もいらないだろって?

 まあ、はい。

 

 ガチャを回そう。

 

 R・スマホ

 

 出現したのはスマホだった。

 背面がガラスコートで作られた、一昔前の流行りのスマホデザインに見える。

 今の流行りは技術的なものに引きずられ歪められているため、この頃のデザインが良かったという人も多い感じのデザインである。

 まあ、無難なデザインと言う感じでもあるが。

 

 電源は……ついた。

 起動と同時に、梨のアイコンが浮かび上がる。

 

 ……梨?

 全く見たことのないOSが立ち上がっていく。

 UIもなんか見たこと無い感じの……。

 

 いや、触った感じは普通のスマホだな。

 OSを見て分かる通り、製造が見たこともない企業になっていることぐらいか。

 

 ちょっと触り続けてみたがよくわからない、と思っていたのだが。

 なにか指がかじかむ。

 寒い中でスマホをいじり続けたように、指が動かしづらい。

 

 不自然に思って、反対の手でスマホを触ってみる。

 氷のように冷たい。

 それも、稼働に合わせて熱が奪われたようである。

 でなければ私がこんな冷え切っているスマホに気が付かないわけがない。

 

 えっ、発熱の代わりに吸熱するスマホ……?

 

 

 

 

 

 後日。兄はスマホカバーをつけることでスマホの過冷却を華麗に回避していた。

 ……兄が普通にスマホを使っている……だと……。

 なにかしら変なことをやらかしてくれる兄が、こんなわかりやすく異常なものを普通に使うなんてありえない、と思っていたら。

 

 やっぱ機神にさらっと解析させて、吸熱発電素子を作り上げていた。

 周囲の熱を限界まで奪い取って電気に換えるヤバい素子だ。

 マクスウェルも真っ青である。

 

 なお機神が解析してもOSの正体はわからなかった。

 梨……梨かぁ……。

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