突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
VRMMO。小説などでもはや定番というほどに広まった設定の一つで、文字通りヴァーチャルリアリティによって一つの世界を構築し、その箱庭でMMORPG……ようはオンラインRPGをやるというなかなか荒唐無稽な代物である。
一つに、完全な全感覚型ヴァーチャルリアリティを実現する技術。
二つに、その技術を使って、違和感を引き起こさない程度にリアリティのある状態を作り出す技術。
どう考えても無限に技術力を要求し、実現できなさそう、と考えてしまう。
視覚と聴覚は簡単でも、他の感覚をうまく騙すのは難しい。
今回はそのVRゲームが出てきた話だ。
SSR・VR夢想迷宮
出現したのは、サーバーだった。
高さ4メートルほどの直方体で、その部品はまるでゲームやアニメ、ドラマなんかに出てくる超AIのように光っている。
まあ現実的なサーバーではなく創作的なサーバーであると理解してくれればいい。
で……ん……うん?
インターフェースとなるモニターもなにもない。
静かに青い光が筋に沿って流れているだけで、なにか反応があるわけでもない。
普通……普通?
普通かこれ?
接続するような端子もなにもないから何が動いているのか調べることも出来ないんだよなぁ。
完全に独立している。
じゃあなんのために出てきたのかさっぱりわからん。
機神に解析させるか……。
他のおかしい景品類ならともかく、電子機器のこれならいくらでも読み出せるだろ多分……。
翌日。
機神の解析待ちでそのまま夜が明けてしまった。
進展らしい進展は……あったのだが、それより先に答えを見つける羽目になってしまった。
ネットで話題になってしまっている。
宇宙エレベーターを撮影したら、スマホになにか変なアプリが配信されてきた、と。
そしてそれを起動したら、まるで小説のVRゲームみたいに意識がゲーム空間に入り込んだ、と。
ひえっ……。
普通にログアウト出来ているからそういう書き込みがあるんだろう。
安全面は問題なさそうだが、いやしかし。
ゾッとする話だ。
出現すると同時に、ダンジョンの一部になる景品は世界樹を始めこれまでも結構あったが、まさかダンジョンそのものを配信のためのアンテナにするとは。
しかもその配信しているゲームアプリも超技術というか、もはやオカルトのそれである。
意識を取り込んで、多分あのサーバーの中に反映しているのだから。
あのサーバーの中でゲームが動いていて、ユーザーはそれをプレイしている。
一番面倒なのは管理権限があるのかないのかわからないってことなんだけどな!
制御できないVRゲームとか危険極まりねえ!
後日。機神の解析の結果、接続と管理権限の獲得に成功した。
成功したがいいが、出来ることがマップの追加とイベントの開催、新要素の追加ぐらいだ。
ゲームバランスは全自動で取られているようで、兄が雑に実装したものも完璧なバランスで動作している。
なお、ゲームを止める権限も、プレイヤーを追い出す権限も存在しない。
メンテと称して動作しないようにすることも出来ない。
あとアプリと未知の技術で通信していることもわかった。
アプリを起動すると人の脳とアプリが相互に通信するようになり、アプリとこのサーバーが接続されてゲームの世界に入り込む構造になっているようだ。
不慮の事態が起こってもアプリ側が吸収する作りになっている。
ダンジョン運営に国もどきの運営に加えて、VRゲームの運営までやらされんの!?
これはこれで放置してると余計な問題起こしそうだし!
本当になんなんだよ!