突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
電話の子機。据え置きの電話の本体から離れた位置で着信を受けるために用意された小さな電話機のことである。
本体から無線で接続されているため、配線に囚われず自由な位置に配置することが出来るのだ。
また子機を複数用意することで本体をたくさん利用する必要もなくなるわけである。
今回はその子機が出てきた話だ。
浮遊大陸。
そう、浮遊大陸。
あれの写真と共に、国連への貸与を考えていると調査団に話したら何人か驚きが過ぎて気絶した。
ひと目見ただけでその価値を理解できたのだろう。
そしてそれが手に余ることに思考が巡ったのだろう。
はっきり言って調査団の規模の組織では手に余る案件である。
調査団はもともと政治的な集団ではあるが、その内情はかなり混沌としている。
基本的に利益を独占させないために牽制しあっているのだ。
仲良さそうにしていてもそれは個人間のものでしかなく、政治的には常に敵対していると言っても良い。
で……一番肝心な、というかもともとの目的である宇宙開発の分野でこんな爆弾提示されたらそりゃ……まあねえ。
気絶で済んでよかったね、というか。
彼らにはこれから自分の国と国連にこれを報告する仕事があるんだから話はちゃんと聞いてほしい、というか。
兄が無茶振りしているのは申し訳ないと思っているが、この程度で驚かないでほしい。
まだいろいろ、世界を単独で覆せる技術がいっぱい残ってるんだから!
さて、ガチャを回そう。
R・電話の子機
出現したのは子機だった。
いや、電話の子機単品で出されても困る。
銀色に塗装されたこの子機は部屋に置いていても不自然ではない程度に普通の作りだ。
だから……なおのこと、なんで子機だけ出てきたんだ。
普通本体とセットだろ。
そういうの今まで一杯あっただろ!
子機の台座が親機になっているタイプの据え置き電話かとも思ったが、紙にばっちり子機と書かれている以上、これは電話の子機である。
持ち上げて回して見ても、子機である。
え……なにこれ……。
さっぱりわからない。
なまじ機械なだけに触ってみる気にもなれないし……。
そう思っていると。
突然、けたたましく子機が音楽を鳴らし始めた。
ディスプレイには、着信元の電話番号が表示されている。
えっ、なに、なに。
怖い怖い怖い!
思わずぶん投げてしまった。
思いっきり角から落ちたが壊れたりしていない。
そして着信は思ったよりも早く……というか、流れ始めた音楽が1ループもしないうちに切れた。
えっ……こわ。
なんなんだようもう……。
後日。兄が色々検証した結果。
無事盗聴用の電話子機であると判明しました。
どんどんぱふぱふー。
いや全く祝えないが。
この子機、近くにある電話に着信があると、その着信を乗っ取ってその電話の子機のように振る舞うという……だいぶたちが悪い景品だった。
親機にされた電話の会話を傍受する、なんならその着信を勝手にこの子機で受け取ってしまうことすら出来てしまう。
しかも親機は機種を問わない。
はー……ろくでもない。
直球で犯罪に使えそうなものは本当にろくでもない。
でもまあ……兄には悪用出来ない……はずだ。
なぜなら、機神ならそもそも電話を傍受するどころではなく、情報そのものを一方的に抜き出せるからだ。
機神にもっとヤバい機能があるだけじゃねーか!