突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R 義手

 義手。その名の通り、腕の代わりである。

 何らかの事故で腕を失う怪我をしたものが、その不便を解消するために利用する道具だ。

 創作においては何かと変なギミックが搭載されがちである。

 例えば銃とか。

 変形して増えるとか。

 また思考にそって自由に動く代物もよく登場する。

 

 今回はその義手が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 一部の企業が魔法を利用した製品の開発を始めたらしい。

 らしいというのは、この手の事業に関わる殆どの企業は提供した超技術を解読してそれを自社の技術にしようというところばかりであり、魔法に触れているところが少ないからだ。

 

 金属加工など、たしかに未来扱えれば美味しい技術ではあるが、まだその詳細な知識が扱えていない以上、今手を出すのは得策でないのだ。

 将来的に投資していこう、みたいな方針が普通である。

 今無理に獲得しようとしても派手に全世界に開示とか起こりかねないしな。

 

 で、その一部の企業とやらがどこでその魔法技術を手に入れたかと言うと。

 

 あの! VR! ゲーム! だよ!

 また在野の天才か!

 

 (いろいろな)ゲーム補正で使える魔法を、現実で再現したヤツがいたのだ。

 しかもそれを製品開発に転用するあたり、相当な切れ者のようである。

 何が出てくるかはさっぱりわからんが。

 

 機神が魔法技術による製品を出してくるよりも健全か。

 技術ってのはやっぱり研鑽して積み重ねていくもので神みたいな存在から与えられるものじゃないしな。

 

 はー。

 ガチャしよ。

 

 R・義手

 

 出現したのは義手だった。

 剥き出しの金属フレームが銀色にひかり、フレームに直に印刷された基盤も隙間から覗ける。

 軽量化の名目でだろうか、スカスカで肉抜き穴がかなりの数空いていた。

 

 二の腕の中ほどまでの義手で、肘の作りも球関節のそれというよりは、複数の金属フレームが滑らかに繋がれている作りだ。

 軽く曲げてみてもひどく自然に曲がる。

 はじめからそうであるかのように。

 

 まるで美術品だ。

 印刷された基盤はまるで装飾のように見える。

 金属フレームは徹底して磨き出しがされているようで異常なほど滑らかだ。

 そして関節部の違和感すら感じさせない自然な作り込み。

 

 なんのために作られたのかわからないほどクオリティが高い。

 飾っておくなら義手である必要はない。

 身につけるならもはや過剰だと言える。

 使い勝手は良さそうだが……。

 

 そこであることに気がついた。

 あ、これもしかして。

 未来の製品……?

 

 そう考えれば説明もつく。

 美術品のように見えるのは未来の洗練された技術で作られているからだ。

 ごく自然に曲がるのは利用者の事を考えて作られているから。

 

 ふうむ。

 純粋にすごいヤツだ……。

 

 

 

 

 

 後日。兄が義手の肘の部分からロケットのように発射するギミックを見つけた。

 それは前提条件が変わってくるだろうが!

 

 まるで金属でできたスライムのように変形し発射される拳。

 同様に変形して槍のようになる義手。

 

 もう何なんだよそれ!

 なんで兄もそんな使い方見つけてくるんだよ!

 

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