突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R ヒモ

 ヒモ。女に寄生して生活をするだめな男のことである。

 違う、縄よりも細い、細長いものを指す言葉だ。

 繊維を撚り合わせることで出来上がる糸を更に撚り合わせて作る物が一般的である。

 また繊維なら大体なんでも紐に出来るのでポリプロピレンやナイロン、紙、ゴムなど様々な材料を紐として利用できる様になっている。

 

 今回はそのヒモが出てきた話だ。

 

 

 

 

 そういや気がついたらあのVRゲームでイベントが始まっていた。

 本当に気が付かないうちにイベントが始まっていたのだ。

 いくつかのイベントがプリセットされているらしく、それが自動で実行されている。

 

 まあ大体はモンスターを倒すとイベントアイテムが手に入り、イベント限定の装備やら消耗品やらと交換できるというやつなのだが。

 ソーシャルゲームかな?

 まあMMOのイベントも似たようなもんらしいが。

 

 目玉となる交換品は季節に合わせたデザインの家である。

 交換すると鍵が渡され、それを空間に突き刺して回すと異空間への入り口が展開するという代物だ。

 一時的な拠点にしても恒常的な拠点にするにしても、どちらにしても手軽に家が手に入る機会であるため参加者も多いようだ。

 

 変に流行ってるような気がする……。

 私の友人もやっているとかなんとか言っていて、やらないかと誘われているのだ。

 困る。

 

 まあそんな話はおいておいて。

 ガチャを回そう。

 

 R・ヒモ

 

 出現したのは二つのフックが両端に付けられたヒモだった。

 ポリエチレンの梱包用のヒモだ。

 白色をしていて、ホームセンターなどに山積みで売っているようなやつである。

 それが50センチぐらいの長さで出てきた。

 

 フック……?

 不自然に短いことと合わせて、なにかに使うために加工した道具に見えるが、本当に何に使う道具だこれ。

 梁に引っ掛けて洗濯物を吊るす……とか?

 

 それにしたって中途半端な長さだ。

 50センチほどのヒモって何かを延長するために使うものだと思うのだが、フックが付いているせいで微妙に判別に困る。

 

 試しに振り回してみるが特に反応なし。

 むしろ金属製のフックが危ない程度だ。

 

 えー……なんだこれ。

 わからん。

 棒に巻きつけてみても反応なし。

 

 んー、わからない。

 普通のヒモとフックに見えるんだよなぁ。

 短いぐらいで。

 ヒモも大した太さでは無いから何かを引っ張るとかそういう用途でもないはず。

 

 わからん。

 ちょっと軒にでも引っ掛けておくか……。

 

 

 

 

 

 

 翌日。フックの先端になにやら茶封筒が引っかかっていた。

 封筒には女性によるものと思しき字で「パチンコ代」と書かれている。

 中身は……5000円札だった。

 

 ……。

 ヒモってそっちのヒモかよ!

 しかもどっから出てきたんだこの封筒!

 

 いや、もしかしてこれは。

 私がヒモ扱いされてる!?

 

 そんな気がしてきた。

 人の気持ちを愚弄することにかけては一流のあのガチャの景品だ。

 人のことを決めつけてひでえ扱いするのもありえる。

 

 それに……ログインボーナスと被ってんだよ!

 効果が!

 しかも1日あたりの金額こっちのほうがでけえじゃねえか!

 

 まああっちは定期的に変なイベント発生させて色々変なものくれるけどさ……。

 

 後日、ヒモの先に定期的に気持ち悪い手紙が引っかかるようになったので倉庫にしまった。

 やっぱろくでもない代物だ……。

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