突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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SR 3Dプリンター

 3Dプリンター。特殊な素材を様々な手段で硬化させることでプリンターのように立体物を()()出来る機械だ。

 立体物を薄い層に分解し、それを硬化した素材で重ねていくことで作成するため、機械の精度や素材の質が立体物のクオリティに影響を与えやすい。

 特に一度に重ねる層の厚さは素材の柔らかさや機械のアームの動作精度で簡単に狂ってしまうため、購入を検討する場合は利用者の感想をよく確認したほうが良い。

 

 今回はその3Dプリンターが出てきた話だ。

 

 

 

 

 そういえば今日はひっきりなしに自衛隊やら海上保安庁やらの船やヘリがやってきてきた。

 海の守りを丸投げしてサメ機巧天使(ひと)だけ貸しているという状態の彼らがこちらまで来るのは割と珍しい。

 近づかなくても周囲だけで対処出来るというのもあるが。

 

 なんでも……爆破テロ予告が日本の警察庁宛に届いたそうだ。

 いたずらじゃないかなぁ、という気もするが警戒しないわけにはいかない。

 というかなんで日本警察宛に?

 うちが公的な窓口を直接基部に設置している役所的な場所にしか持ってないからかな?

 

 サメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)はそういうことされても死なないが、調査団と来ている人たちは別だ。

 半分ぐらいはTNT程度の爆発なら耐えられるレベルの魔法を覚えているが、それでも怪我人が出る可能性は高くなる。

 怪我人が出るとまー、国際問題ですかね。

 

 人員を増やして対応した結果、下手人はのこのこボートに乗って近づこうとしていたので簡単に捕まえられたが。

 船にたっぷり爆薬載せてなにするつもりだったんだか。

 

 警備体制を強化しないと行けないかなぁ。

 増やすのは簡単だけれども。

 問題が起こったときに逃げ込めるシェルターとか用意するべきなんだろうか?

 

 まあ兄がなにか考えるだろう。

 私は今日の分のガチャを回そう。

 

 SR・3Dプリンター

 

 出現したのは倉庫ほどの大きさがある巨大な機械だった。

 内側の上部には2本のアームが取り付けられており、その天井部はアームが自由に移動出来るようにレールが付けられている。

 下部には生産物を外に運び出すためだろうか、ベルトコンベアのようなものが取り付けられていて、それが外側まで伸びている。

 また出力部であるベルトコンベアの横には、端末と思しき水晶のような画面を持つ機械がくっついていた。

 

 うーんでかい。

 3Dプリンターって業務用でも大型ロッカーぐらいの大きさじゃなかったか。

 少なくとも部屋に収まらないサイズではないはずだ。

 

 そして材料を入れる部分もない。

 何らかのタンクだったり、液体を受け止めるバットのようなものだったりがあるはずなのだが、それがないのだ。

 まあ……どうせ無から生成するんだろう。

 

 しかし本当にでかいな。

 何を生産するつもりでこんな物を作ったのだろうか。

 そう思って操作盤に近づくと。

 

「ヴラド・カンパニー製多次元プリンター“アイザック”のご購入、ありがとうございます。本製品はゆりかごから戦車まで、ありとあらゆる物を生産が可能となっております。また、データにない物であっても別売りのデータパッケージを購入することで生産が可能になる場合もございます」

 

 と、流暢なアナウンスが流れ出した。

 というか説明の時点で3Dプリンターですら無い。

 

「まずはテストとなる製品を生産してみましょう!」

 

 アナウンスが告げると、操作盤の表示が切り替わり、そこには戦車が表示されていた。

 いらねえ。

 いきなり生産するものじゃねえ。

 だがチュートリアルであるからかキャンセル操作を受け付けず、従うしか無いという。

 

 アームが動き出し、その先端からレーザーのような光をベルトコンベアのなにもない部分に照射する。

 すると照射された部分にくず鉄のようなものが生成され、それが光によって延長されることによってそれはどんどん戦車の形にへとなっていく。

 しかもわずか数分でだ。

 

 チーン、という音とともにベルトコンベアが動き出し、戦車が筺体の中から吐き出された。

 はい。

 見事に戦車です。

 

 しかもハッチを覗き込んでみるとまるでSFのロボット物みたいなコックピットだ。

 一人乗りで操縦できるようになっているように見える。

 

 あーはいはい。

 もしかして未来技術だな?

 

 また軽率に未来から技術を先取りしてさぁ!

 機神の演算より進んだ技術を平気で出してくるのやめてほしいなぁ!

 

 

 

 

 

 後日。あまりにも邪魔だったので機神に取り込ませた。

 ぶっちゃけ生産という意味では機神の内蔵しているプラントのほうが性能はいいのだが、クソでかい筺体が内包している無限資源とあと未来技術目当てで兄は機神に飲み込ませたのだ。

 

 取り込んだ機神曰くだいたい2090年代の装置で、富裕層から企業向けの商品だそうだ。

 こんなものを個人所有する金持ちがいるのか……未来……。

 というか戦車を生産出来る時点でほんと何に使うつもりなんだ。

 めっちゃ物騒である。

 

 なお取り込んだ機神はというと。

 これまでダンジョンの資源として生産できなかった素材が生産できるようになり。

 未来の技術系統を獲得し。

 テラスから見える本体が2時間ぐらい機嫌良さそうに揺れていた。

 

 情動……あったんだ機神……。

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