突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
今川焼き。小麦粉の生地にあんこを入れて焼き型で焼いた和菓子である。
日本全国どこでも見られる、専門店も存在する和菓子であるが……その最大の特徴は各地で名称にばらつきがあることだろう。
地味に厄介である。
県民性……というか地域差というか、まあそういうのに取り憑かれて変な揉め方をすることも多い。
まあ、自分の知る知識が正しいと思いこむのは人のサガだが。
今回はそれを焼く機械が出てきた話だ。
兄が機神紹介クソPVを作っていた。
クソPVである。
どこから調達したのかわからない妙に滑らかなアナウンスと共に、機神の姿を舐めるように撮影したもので……低予算で作ったクソ商品説明かな? と思わせる出来なのだ。
いやなんで自分で作っちゃったかなぁ。
というか、わざとパロディとしてクソPV作っただろこれ。
そういう、伝わらないボケをお偉方に披露しようとするのマジでやめろ。
兄はなぜかこういうボケを好むから適度にシバいて方向転換させないと絶対やらかすんだよなぁ。
うん? もしかして一週間寝てないのかな? と言いたくなるような案を突然出してきたりする。
宇宙エレベーター基部に機神を
もう地球にもダンジョン展開して世界征服しようぜ! とか。
何がイヤってやったらやれそうなところ。
ボケそのものは伝わらなくてもそれで起こせる
なんで時々倫理観のネジがすっ飛んでいくんだろうな……。
兄だからかな……兄だからだな……。
はー。
まあいいや。
ガチャ回そ。
R・今川焼きでも大判焼きでも太鼓饅頭でもない回転焼きを焼ける機械
……なんて?
なにかクソややこしい機械が出てきてしまった。
その焼型は奇妙にのたうっており、まるでクトゥルー神話に語られる都市の外壁のような形状になっている。
本体自体も金属製であるにも関わらず生物的な曲線を描いており……生き物を加工して作られたといっても納得しそうな形状だ。
で、そんな創作神話の呪物と言われても問題なさそうな代物の名称が「今川焼きでも大判焼きでも太鼓饅頭でもない回転焼きを焼ける機械」。
なんて?
いや、ほんとなんて?
どう見ても呪物なこれを使って、やることがそれ?
というか、今川焼きも大判焼きも太鼓饅頭も回転焼きも、地方で名称が違うだけの全く同じものだろ。
なにをどうやって選り分けるつもりだ。
というかそののたうった金型で回転焼きが作れるのか。
うわー……試したくねえ……。
というか回転焼きの作り方わからねー……。
めんどくせー……。
兄にやらせるか……。
後日。兄が回転焼きを焼いた。
のたうった鉄板の上に生地を流し込むと、不自然に流動して回転焼きの形にまとまるのだ。
何度やってもそうなる。
そして出来上がったのは……回転焼きだった。
回転焼きだとしか言えない。
今川焼きでもないし、大判焼きでも、太鼓饅頭でもない。
それは回転焼きだった。
うーん、明らかに認識に介入されているわ。
どう見ても回転焼き。
そうとしか言えねえもんこれ。
ありえないでしょ。
だって「これは
何なんだよこれ。
無駄に強度の高い認識介入しやがって。
兄は兄でその呪物で
すでにややこしいのに!