突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
寸胴鍋。縦に長い大型の鍋で、主に厨房などで大量のスープを煮るのに使われる調理器具だ。
だが、現代日本で一番多く見かけるのはラーメン屋だろう。
ラーメンのスープを煮るのにも使い、麺を茹でるのにも使う。
大量の水が入れることで温度を一定に保つのが簡単なため麺の茹で加減を時間で管理できる。
それによって均一で高速なラーメンの提供を可能にしているのだ。
今回はその寸胴鍋が出てきた話だ。
早いと言うか、なんというか。
元々
どうも基礎となるクラスのレベルを最大まで上げると、上級のクラスが開放され獲得可能になる仕様で……それがどこまで続いているのかさっぱり読めないという。
基本的に条件が厳しいクラスほど強力な力を秘めているようだが。
まあ……一段階上位になるたびにクラス数が数倍に跳ね上がるというのもあって、マジで網羅できなさそうではある。
兄は可能な限り情報をまとめたいみたいだが……。
まあクラスのことは置いておいて。
私はガチャを回すことにしよう。
R・寸胴鍋
出現したのは寸胴鍋だった。
それもかなりでかいもの。
ラーメン屋で豚骨を煮ていたりするあのサイズの寸胴鍋である。
もう見るからに邪魔……というか私の力で運べるか微妙なサイズだ。
ええ……ほとんど固定して使うようなやつじゃん……。
こんなのが出てこられても困るんだが。
これを扱える設備がない。
いや、用意しようと思えば用意できるが……。
多分正規の使い方じゃないしなぁ。
そう思いながらも魔法で地面を加工してかまどをでっち上げる。
寸胴鍋を乗せた見た目は……どちらかというとドラム缶風呂。
不安定にならないように魔法で均してある分、倒れてしまう危険性はなさそうではある。
試す……試す?
これを?
何を入れて何をすれば良いんだ。
なまじでかい分、扱いに困るぞ。
とりあえずペットボトルの水を持ってきて、沸かすことにしてみた。
なにか反応があるならこれで反応するはず。
鍋に水を注いで、かまどに薪を入れて火を付ける。
そして数分待つと……お湯!
沸騰したお湯!
中には沸騰したお湯が入っていた。
まあ、当然である。
水を入れた鍋を火に掛けると熱湯になる、当然のことだ。
でもこれはガチャの景品だ。
その当然を蹴っ飛ばしてめちゃくちゃする代物のはずなのだ。
それがなんで普通のお湯が!?
……はあ。
多分疲れているんだ。
これまで狂ったものしか出てこなかったしな。
無限の強度を持つ寸胴鍋かもしれない。
引っ張ると伸びる鍋かも。
一応試したけど全然わかんねえ……。
なん何だこれ。
本当に鍋なのか?
もしかして普通の寸胴鍋?
後日。兄が使い方を見つけ出し、それによってラーメンを錬成した。
そう、錬成。
調理じゃない。
もう最高にろくでもない代物だった。
だって、ねえ。
しかもある程度知能が高い生き物でないと反応しない。
ろくでもねえ代物だ。
手っ取り早く言えば、最も材料に向いているのは人間だ。
兄はどうしたかって?
下級天使を生産して鍋に突っ込んだ。
サメもどきで変換できたからいけるやろと、天使をラーメンに変換してみせた。
能力に劣るからこれまで生産されなかっただけで、ほとんど人間の上位互換のような存在である下級天使を、だ。
なお、上位互換という言葉には容姿も含む。
まじかよ……この人倫理観無いのかよ……。
いや知ってたけど……。
モンスターだから何してもいいとか思ってるのでは……?
なお、味には言及しないことにする。
言及すると寸胴鍋自体を