突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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UR 秘密結社

 秘密結社。それは社会の闇に隠れ、なんらかの陰謀を張り巡らせる組織のことだ。

 それ故、陰謀論や創作などと非常に相性がいい。

 イルミナティとか、実在の組織だというのに秘密結社扱いされてなにかと陰謀に顔を出している扱いにされてたりするほどだ。

 あと現代異能ものだと何かと登場する。

 異能者をまとめ上げる組織が必要となり、それを現代社会に露呈させないとなると必然的に秘密結社となるためだ。

 

 今回はその秘密結社が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 今日のガチャは、何が起こったのかわからなかった。

 ガチャの常は基本的に、開封と同時に中身が飛び出す。

 それが安定して配置できる場所に出現するようになっているのだ。

 

 だから宇宙エレベーターはテラスから見える場所に出現したし、惑星ガチャはまあ……ガチャの形でとはいえ目に見える形で出現した。

 物理的な実体のないやつもちょこちょこあったが、それだって私の目に見えるものだった。

 なんやかんや触ったりも出来たしな。

 

 で、だ。

 今日のはというと……。

 

 UR・秘密結社

 

 秘密結社。

 入っていたのはそれが書かれた紙だけだった。

 思わず裏も見たが特に何も書かれていない。

 周囲を見渡してもなにもない。

 

 しかもUR(ウルトラレア)である。

 これまでも高額のガチャが出てきたり、惑星が出現したり、宇宙エレベーターが出てきて世界がめちゃくちゃになったりしてきた。

 とどのつまり、他と比べても単独で世界をめちゃくちゃにできる代物の可能性が高い。

 

 しかもそれがよりによって私の目の前に出てきてない。

 どこにあるのかすら不明である。

 どうのこうの言うまでもなく、危険だ。

 

 調査すら出来ないの流石にヤバくない!?

 だって危険物が野放しだぜ!?

 兄に出たのをそのまま手渡しするよりやべーよ!

 

 ……とはいえ。

 どこにあるのか、そしてそれがなんなのかわからないものを探すというのは雲をつかむような話である。

 探しようがない。

 

 はー。

 無理でしょ。

 諦めよ。

 

 

 

 

 

 

 夜中に突然、コンビニスイーツが食べたくなって自転車を走らせていた時だった。

 よく馴染んだ、それでいて町中で感じるはずのない気配を、私の無意識に張り巡らせる探知魔法が拾い上げた。

 怖気のするような深い死の気配。

 死せる王の持つ黄泉の吐息。

 

 ……まあ簡単に言えばノーライフキングのリチャードさんに近い気配だ。

 アンデッドの持つ独特の気配を、日本の町中で感じ取ったのだ。

 リチャードさんに比べると、遥かに弱いが。

 

 それと同時に、明らかに人避けの結界が張られていることにも気がつく。

 魔力量の関係で人払いの効果が私には発揮しなかったようだが。

 というかだいぶ強力だなこれ。

 内側で起こっていることを認識させないぐらいの力がある。

 

 で、そこまでして隠したいものとは……。

 視線の先にそれがあった。

 人避けと認識阻害の二重の性質の結界によって隠されていたものが、結界を認識することによって晴らされたのだ。

 

 そこにいたのは、燃える剣を構えた少女とかつて人だったであろう異形の怪物だった。

 その全身から骨を突き出して鎧のように纏った怪物は、少女に対してその骨の爪を振るう。

 相対する少女は剣でそれを受けると……そのまま剣の炎を爪へと延焼させた。

 

 う、うーん……。

 漫画みたいな出来事が私の目の前で起こっている。

 少女の来ている服に至ってはこう……まさにライトノベルのヒロイン! って感じだ。

 細部に鎧のようなものを組み合わせた学生服のようなもの、というべきか。

 

 さて。

 私はどうするべきだろうか。

 なんというか、すでにものすごい嫌な予感がしていて、見なかったことにしたい。

 この状況そのものが、というか。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

 ガチャによる魔改造によって私の魔力はリチャードさんを基準にしても破格な領域に到達している。

 また、リチャードさんが言うには、それだけ強力な魔力を持ったものは、それだけ特別な星、運命に引き寄せられやすい、と。

 だから、今日まで出会わないということは本来ありえないことだったのだ。

 今回の出来事は才能の卵に触れたあの日に出会ってもおかしくないレベルである。

 

 とするとアレか……。

 秘密結社……。

 やだもー。

 

 そうやって一人頭を抱えていると、鍔迫り合いを繰り返している状況の少女がこちらに気がついたようである。

 

「……なっ! 一般人!? 早くここから逃げて! こいつは危険なんだから!」

 

 ……いい子そうではある。

 というか頭を抱えているうちに随分傷だらけになっている。

 私に忠告なんかしているから思いっきりふっ飛ばされて壁に叩きつけられているほどだ。

 

 はー、やれやれ。

 ()()拘束魔法《シャドウバインド》。

 もはや何度も撃った関係で、指を鳴らす(シングルアクション)だけで使えるようになった魔法を骨の化け物に放つ。

 

 影から伸び出て、茨となって対象を縛り付けるそれは、概念のレベルで行動を封じる。

 というかそこまでしないとヤバいときの兄は止められないとその域にまで強化した魔法だ。

 リチャードさんよりも弱い相手なら指先一つすら動かせなくなるだろう。

 その証拠に……その骨を生やしたりする能力ですら使えなくなっているようだ。

 

「そんな、虐殺(ジェノサイド)級をあっさりと縛り上げるなんて。貴方、何者なの……?」

 

 さあ、私は何者になるんだろうね?

 ガチャから出てきた()()()()()()である君からは……何に見えてるんだろうね?

 うーん、絶対ろくでもない!

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