突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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SR 現代知識チート

 現代知識チート。いわゆる異世界転生物の作品で猛威を振るう現代の知識を持って異世界社会を蹂躙する要素のことである。

 その範囲はかなり広く、農学、工学、冶金学、蒸気機関、軍事技術を始めとし、意外なところだと心理学、法学、プログラミングなどが利用され、主人公の強力な切り札として利用されるのだ。

 意外な知識が意外な使われ方をしていたりすることがあるので侮れなかったりする。

 

 今回はその現代知識チートが出てきた話だ。

 なお、この世界の世界観は……現代ファンタジーである。

 ガチャで色々追加されたとは言え、現代だ。

 

 

 

 

 

 

 宇宙エレベーター基部街に、ガチャが出現した。

 いや、正確には兄が指示して機神が作り上げたランダムな代物を排出するガチャなのだが。

 よりによってガチャなる代物を作って配置してしまうか……。

 

 何がイヤって結構盛況なことだ。

 投入したドルの価値に従って排出される物の価値が変動する仕様が開示されており、それがなんというか……余計射幸心を煽る結果となってる。

 基部街には歓楽街のような遊ぶ場所がないのも相まって、人が娯楽として回しているようである。

 

 性質上、いくらでも金を突っ込め、しかも突っ込んだ金額に比例していいものが出現するので天井まで金を入れようとする人間が続出。

 そりゃ中には出てくるだけで既存の物理学理論を粉砕するような代物がいくつか入っているから、他の人間よりも先に手に入れたいという欲求もわからなくもない。

 が……身を崩しそうな勢いでつっこむのはやめてほしい。

 

 せっかく作ってお披露目したもの潰すのは忍びないからね。

 

 さて、今日の分のガチャを回そう。

 まともなものが出てくればいいんだけどなー。

 

 SR・現代知識チート

 

 出現したのは、赤い宝石がはまった指輪だった。

 珍しくカプセルの中に収まった景品であるが、その名称と形状が一致しない代物でもある。

 赤色が目立つ石を除けば作りは極めて小さく、嵌めれば指の肉に埋まって気が付かないんじゃないかとすら思える。

 

 で? なんだって?

 現代知識チート?

 お前は何を言っているんだ。

 

 現代知識がチートとなるのは、当然その土地が遅れた文明であるためだ。

 そこに先進的な知識を持ち込むことで閉塞した現状を打開し、文明を進歩させるからこそチートなのだ。

 

 翻って。

 現代の知識は当然、現代では当然あって然るべきものなのだ。

 それをチートとして命名されて渡されても……困る!

 

 まあこれがどういうものかよくわからないからとりあえず試してみるか。

 指輪である以上、つければ使えるはず……。

 そう思って指輪をはめた時だった。

 

 目の前に突如浮かぶウインドウ。

 そこの真ん中にある、検索欄。

 

 ……ググル先生かな?

 いや、確かにこう……現代の知識のチートみたいなもんだけど……。

 違わなくない……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄が検索欄から色々調べ回した結果、どちらかというと百科事典に近い代物だと判明した。

 検索というかなり現代人に馴染んだ形式を利用することで、欲しい知識をすぐさま手に入れられるようになっているのだ。

 また、表示されるページも知識の深度に従って変化しているらしい。

 

 普通にすぐれもののようだが……正直、ねえ。

 手に入れられる知識が、ぶっちゃけスマホで検索すれば出てくるんだよな。

 深く潜ろうとすると前提知識が邪魔をする。

 どこかで真面目に授業を受けないと厳しいレベルになってしまう。

 

 使い道はこう……、テストのカンニングかな!

 過去問から出題するタイプの国家試験なら全問正解も夢じゃねえ!

 

 いやいやいやいや……現代知識チートってそういうものじゃなくない……?

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