突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
鏡。光を反射することで自分の姿を確認することができる道具だ。
この光を反射するという性質から、様々な魔術に利用されたり、魔術的な記号として扱われたりする傾向にある。
特に魔鏡と呼ばれる、非常に凝った作りの細工は、光を反射させるとその光の中に像が映し出されるため、宗教的なシンボルを隠すために利用されたりしていたのだ。
また邪悪な存在である吸血鬼は鏡に映らないなどの伝承も存在する。
今回はその鏡が出てきた話だ。
ついにあのVRゲームを実況するような物好きが現れた。
アングラを通り越して、なんで存在しているのかわからないゲームであるため、まともであればあるほど手を出さない代物。
法的にグレーもいいところなため、動画化したら問題を起こす爆弾になる可能性が高いのだ。
具体的には存在しない著作者を名乗る詐欺が横行しているっぽい。
実際に製作者が存在していないので、いくらでも詐称できるというわけだ。
それ以外にも色々……なまじ情報が外に出ていないだけに、余計な気苦労やら説明やら、準備やら、どうやって動画持ち出すのかやら、問題が多すぎるのである。
大体途中でめんどくさくなってやめる。
そんな諸々を乗り越えてついに実況しよう! と環境を整え動画を上げ始めた物好きが現れたのである。
後押し……はしないが頑張ってほしいと思う。
まあ物好きの話は置いといて。
今日のガチャを回すぞー。
R・真実の鏡
出現したのは鏡だった。
実用品とは思えないほどゴテゴテとした巨大な額縁に入れられた直径1メートルほどの鏡である。
その装飾は宗教的な意匠をなぞっているような気もするが、微妙にずれているような気もする。
で……なんだ。
真実の鏡か。
こういう場合、鏡は真実の物しか映さない、とかいうのが相場だが。
思いっきり私映ってないんだよな。
人だけが映っていないとかそういうヤツではなく、着ている服ごと映っていないので人間そのものが映らないようだ。
なに?
人間は虚飾に塗れているとかそういうあれか?
真実の鏡を名乗っている以上、映っているものは真実だと
思想が、思想がだいぶ強い……!
なんでただの鏡がそんな、そんなやたら偏向した思想を帯びているのか。
ただ人が映らないだけの鏡ならまだ良かった。
どうしてそれに真実の鏡などという名称をつけるのか。
理解に苦しむ……!
後日。兄が機神に組み込んで、真偽判定のパーツにした。
人間が特別映らないだけで他の真実でない物事もちゃんと映さないので書面などに記述してから鏡を通してみると、真実だけが残るのだ。
まあ機神にとっちゃ別にあってもなくてもそこまで大きくは変わらない道具ではあるが。
なんというか。
まともに偽りを映さないだけに。
余計その思想性に違和感を感じる。
どうにかならなかったのかよ!