突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
ノミ。彫刻などに使用する先が平たい刃物のことである。
これをハンマーで打ち付けることによって硬い石を削り出し、その形を整えたり、木材にくぼみを掘るのに利用される。
特に彫刻では石をこれによって削っていくことで像を形作るため、非常に繊細な操作を要求されるだろう。
どう考えても気が長くなるような時間がかかる。
美術館に飾られているような彫刻は一体どれだけの時間がかかっているのか、もはや想像もつかないほどだ。
今回はそのノミが出てきた話である。
だんだん魔法の深淵がわかってきた。
マギコンピュータから実行出来るように、それは機械じかけのようなルールに従って動いている。
一見無秩序なように見えて、実際とっちらかっていて無秩序なのだが、ルールが存在しないわけではない。
当然、願えばすべて叶うようなものではない、と思われている。
だが、違うのだ。
魔力は真に全能だと気がついた。
その万能を扱えないのは人間側に問題があったのだ。
微に入り細に入り、どのように何を変化させるのか、それさえイメージできればあらゆる魔法技術は不要なのだ。
これは願えばあらゆる出来事が叶うといっても過言ではない。
……まあ人間には想像不可能だが。
こんな魔力の操作、私でムリなのに人類に可能なわけあるかい!
まあ逆に言えば。
技術的に間違いがあっても、イメージをきちんと構築できれば魔法は発動してしまうわけで。
これ絶対研究の邪魔になるやつゥ……。
まあいいか。
性急に文明を推し進める必要もあるまい。
神じゃないんだから。
今日の分のガチャを回そう。
R ノミ
出現した瞬間、刃物が私の足に向かって落ちてきた。
とっさに引っ込めることで回避出来たが、ガチャはたまにこういう不意打ちを飛ばしてくるから本当に油断ならない。
一回、N 地獄の業火が出て周囲が焼き払われそうになったこともあったような。
ともあれ、出てきた刃物である。
訂正、ノミである。
木とか石とかを削る工具で、ハンマーとセットで使うものなのだが。
そのハンマーはついてきていない。
ノミだけかぁ。
試すにはハンマーが必要そう、と思って軽く動かしていたときだ。
ノミが、さくっと空気中に刺さった。
断面から青いゆらめきのようなものが見え、なにかえぐってはいけないものをえぐってしまったという感覚だけが私の手に伝わってくる。
そっとノミを引くと、その空間には傷跡のように裂け目のようなものが出来ていた。
その裂け目に鉛筆を突っ込むとガリガリと音を立てて砕いていく。
……うーん、危険物!
空中に浮かんでる上、縁とかも無いから避けようもないってな!
やっべぇ……。
後日。
兄はノミを武器として扱い……敵となるなにかを確実に殺害できるナイフとした。
空間すらえぐってしまうノミはあらゆる硬度を無効化しその傷跡を粉砕してしまう。
防げるのは空間を操作するような魔法だけだ。
まあ兄が振り回すたびに危険な空間の裂け目によるデストラップが増えていくんだが……。
クラスシステムで空間を直す魔法が使えるクラスがあったからいいけど、なかったらどうするつもりだったんだこいつ。
考えてない……もしくは
これにてカクヨムに掲載されていたすべての話が掲載完了となります。
続きはガチャによって作者が神格化するまでお待ち下さい。