突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R ホロウエレクトラムインゴット

 金属。古来より人々のそばにあり、加工によって様々な道具になる素材だ。

 人類の文明は金属の精錬とともにあったと言ってもいい。

 新たな金属が扱える様になるたび、人々の力は増し、そして新たな道具が生み出される。

 現代でこそその恩恵を実感することはないが、現代であっても新たな金属が発見されるたびに工業の常識は変わってきたのだ。

 

 今回は変な金属が出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 まじかぁ……。

 大方予想していたことではあるが、内紛の混乱にまぎれて組織の内部資料がいくつか流失したことを機神がキャッチした。

 

 あの組織が握っている情報は現状開示されている魔法技術のそれを大きく上回っている。

 当然のことだが、研究している年季が違うのだ。

 技術的に優れているのは当然と言える。

 

 だが、ここで問題になるのは、あの組織が戦闘を主とした組織であること。

 つまり人を殺める技術に長けているのだ。

 

 そういう技術が流失するということは……まあろくでもない。

 裏社会に流れれば治安は悪化するし、どこぞの国家に流れればそれを巡ってスパイ合戦となる。

 

 ろくでもないことになりそうだ。

 緩和するには……知識を開示してそれらの奪い合いにならないようにする、ことぐらいか?

 

 さて、ろくでもないことは置いておいて、今日の分のガチャを回してしまおう。

 

 R・ホロウエレクトラムインゴット

 

 出現したのは透明ななにかだった。

 それはまるで分厚いガラスのように透き通っていて、それでいて。

 まるで光を屈折していなかった。

 

 そう、インゴット状の何かがそこに置かれている、というより視覚的には画像編集ソフトでそこに半透明にした画像を貼り付けたようにしか見えないのだ。

 透明度自体はガラス程度なのだが、そのあまりにも光が曲がらないために正確な視認ができない。

 というか光が反射しなかったら気が付きもしないだろう。

 

 なに……この……なに?

 手に持ってみるとその感触は固く、金属の類のように感じる。

 名前にもあるエレクトラムは金と銀の合金だったはず。

 なぜそれがこんな透明度の高い代物に?

 

 というかなんか透明感がやっぱおかしいんだよな。

 手に持ってるのにできの悪い心霊写真の幽霊のようにしか見えない。

 インゴットの幽霊かな?

 

 触れているとなにか、怖気のするひんやり感もあるし。

 嫌な手汗も出てくる。

 本当になんだこの金属。

 

 というか金属なのかも怪しいが……。

 機神が調べればなにかわかるだろうか。

 

 

 

 

 後日。兄が幽体化した。

 機神があのインゴットを調べた結果、どうも幽霊を金属化させることで作られた代物らしく。

 そして、この金属を使って作られた道具は幽体の特性を得られるのだ。

 つまり……これで剣を作れば幽霊を切りつけられるし。

 鎧を作れば幽体化して物理攻撃を透過できるのだ。

 

 兄は金属を糸状にしてパーカーを編み上げ、それを身につけることによって自在に幽体化できるようになった。

 見えない人にはとことん見えない代物だ。

 

 ……。

 というか幽霊って実在するの!?

 しかもそれを材料にしちゃうってどういうことなの!?

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