突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

346 / 392
R ヨーヨー

 ヨーヨー。2枚の円盤によって作られた玩具で、高速回転させて紐を伝わせることで様々な動きを作り出すものである。

 安定して回転させたり、きれいに回し続けるにはコツが必要であり、競技のルールによって決められた複雑なトリックにいたってはコマを回転させたままあやとりするようなものだ。

 

 今回はそのヨーヨーが出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 例の組織からどんどん亡命者が出てきて、ついにネットの与太話に名前が出てきた。

 ガチ抗争に発展する前に情報が表の社会に流れ出したのはいいことなのか悪いことなのか判断につきかねるところだが。

 いつ火がついて大事になるかわからない状態なのは困る。

 

 というかもう基部街でテロを起こしかけてるんだよ!

 魔法式の爆弾が基部街に持ち込まれたのを憲兵担当のサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)が抑えている。

 それが複数件ともなると、ぶっちゃけ大事になるのは秒読みである。

 

 文民統制もされていない暴力装置とか暴走しないわけがないわけで、倫理観も何処かに落としてきた状態になっている。

 まあ彼らからしたらこっちは商売敵だからね。しかたないね。

 

 だからといってテロは許されないが……。

 組織、雑に殲滅していいわけではなく、私にはその権利も義務もないわけで。

 結果的に対応が後手後手になってしまっている感はある。

 どないせいっちゅうねん。

 

 はー。対処計画は立てさせているが。

 うまい手段が有るわけではなく、結局順番に対処するしかないという。

 困るぅ……。

 

 まあいいか。

 今日の分のガチャを回そう。

 

 R・ヨーヨー

 

 出現したのはヨーヨーだった。

 いわゆるアメリカンヨーヨーと言われる、あの円盤二枚のやつだ。

 青い半透明のクリア素材でできていて、内部に光っている素材が入っている。

 

 ヨーヨー……ヨーヨーか……。

 私、あんまり上手くないんだよな。

 なんか全然ちゃんと回せないのだ。

 似たような玩具だとけん玉も苦手である。

 

 とはいえ。

 回してみるしかないだろう。

 そう思って糸の輪に指を通す。

 この糸も半透明というか、なんか物質じゃなくて霊体てきなものじゃない? 感。

 

 手に馴染むサイズ感、うまく回せるだろうか。

 そう思って手首をスナップさせて下向きに投げると。

 

 驚くほどまっすぐに、きれいにそれは投げ出され回転を始めた。

 糸を張り詰め、そこに固定されるように。

 

 うん?

 

 ゆっくりと手首を動かすと……ヨーヨーはその場に固定されたまま、糸は傾きはじめる。

 動かしたことがまったく回転に影響を受けず、高さすら変わらず。

 

 くいっと手首を引っ張ると、糸を高速で巻き上げてヨーヨーが戻ってきた。

 これは……なんというか……。

 

 空間に固定されるヨーヨー……?

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄がヨーヨーを使って異常なトリックを披露し始めた。

 まるで野球ボールを投げるようなフォームでヨーヨーを横向きにぶん投げると同時、ヨーヨーはまるで慣性を無視するようにジグザグに飛ぶ。

 そして、糸をジグザグに残したまま、空中にピタっと止まって高速回転していた。

 他にも、自分の周囲を幾何学模様を描き出すように飛ばせたり、遥か彼方までヨーヨーを走らせたり。

 

 いや……なんだこのヨーヨー!?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。