突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
キマイラ。複数の生物の特徴を持つギリシャ神話の怪物のことである。
ライオンの頭にヤギの胴体、蛇の尾を持ち、しかも口からは炎を吐くという。
これらの特徴から、複数の生物の特徴を合成した生物のことをキメラと呼ぶようになった。
ファンタジーではもはやおなじみのモンスターであり、その出自も様々。
作品によって個性が出る生物のなっている。
今回はそのキマイラの翼が出てきた話だ。
七界統率機構の本部にてついにクーデターが発生。
組織を我が物にしようとする悪人どもが組織を乗っ取るためにクーデターを引き起こしたのだ。
本部は組織に属しているものしか入れない異界にあるため、そのクーデターが外に迷惑を掛けることはないが、その分凄惨なことになるだろう。
本部には貴重な資源や情報がたんまりあるため、火事場泥棒的に侵入を試みる連中も出てくる可能性もある。
籍を残しているがすでに離脱していて盗みを働こうとするろくでもないやつが……すでに数人いたからな。
兄はそいつらを排除するついでに
セキュリティを力技で引きちぎって組織を乗っ取った強硬派を制圧した。
裏組織なので非合法行為・国際法違反を行ってもセーフ。
その理論で派遣したために後始末が面倒そうである。
まあそれも機神がやるが。
穏健派幹部がもう、人間かどうか怪しい形になっちゃってるとか兄が言ってるから本当にどうなることやら。
とりあえず今日のガチャまわそ。
R・キマイラの翼
出現したのは魔物の一部のようなものだった。
コウモリと鳥とアゲハチョウの羽を混ぜ合わせたような奇っ怪な見た目の翼である。
独特の光沢から、鮮やかな虹色に光り輝いていて、そのおかしな見た目に反して芸術のような美しさをしていた。
……キマイラの翼。
ツッコミどころの多い名前だ。
古くからある王道RPGに出てくる街へ移動するために使う消費アイテムみたいな名前をしているが、私の前に落ちているのはどう見ても魔物素材だ。
そもそもでかい。
片方で畳1枚分ぐらいの大きさがあり、運ぶにしても面倒な大きさだ。
担いで運ぶしか無い。
袋に入れても背負いきれないだろう。
で、これはどうやって使うんだ。
モンスターの合成素材?
それとも飾る?
あるいは撫でるとか?
いろいろ考えながら、それを掲げた瞬間だった。
私の体がふわりと浮き上がり。
青い空へと高速で飛ばされたのだ。
おわああああああああ!
どこいくねーん!
飛んだ先は私の家の玄関の前だった。
大気圏を突き抜け、宇宙空間を高速で通り抜け、わずか数十秒で家の前まで飛んでくる事となったのだ。
特に風の影響も真空の影響も熱圏の影響も圧縮断熱の影響も受けなかったが、突然生身で宇宙遊泳させられる身にもなってくれ。
というか飛ぶってことはやっぱりこれ、RPGのアレと同じ効果なのか。
実際に体験するとだいぶ怖い。
目的地にものすごい勢いで落ちるわけだからな。
私はそのあと、とりあえず兄にキマイラの翼を使わせた。
やっぱりワープとかじゃなくて空にものすごい勢いで飛んでいくのか……。