突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
カード。現代社会では様々な場所で利用される小さい板のことだ。
その素材は紙からプラスチック、PVC、金属と形状さえあっていればどのような材料で作ってもよい。
クレジットカードには金属で作られたものも存在するそうだ。
またICチップなどを入れることで電子的な機能をもたせたもの、逆にイラストが印刷されただけのものなど、様々なモノが存在する。
今回はそのカードが出てきた話だ。
あの組織が倉庫で死蔵していたものの中で鑑定が済んだモノを、組織の中の警察的な役割を果たしていた部署に卸した。
この部署は機神が予見した問題に対処するために設立された部署で、主な仕事は異能持ちの犯罪者をしばくことと、組織の裏切り者をしばくことである。
いやね、崩壊したときに利権を持ち逃げしようとしたやつとか、横領しようとしたやつとか、武力でマフィア化しようとしたやつとか、いっぱいいるわけですよ。
大規模なやつは大体止めたが、細々としたやつは結構大量に残っている。
特にレガシーを売っぱらってどうのこうの系が非常に困る。
魔法技術はやっと芽が出たばかりの分野であり、それをめちゃくちゃに破壊しうる技術の放流は……困るのである。
兄がやってる? 機神の計画に組み込まれてるからセーフなはず。
というかただのマフィアが持っていい代物じゃないものばかり持ち出そうとした形跡があるんだよな。
射抜かれると超能力に覚醒する矢とか。
もう一人の自分を影として使役するタロットカードとか。
人型の異能兵器とか。
ケルベロスを召喚できる本とか。
持ち出して何するつもりだったんだよ。
こういう輩に対応するために警務部署には機神で量産可能だと判断した代物を卸したわけだが……。
どういうわけか平均的な戦闘のレベルが跳ねた。
なに? 「まるで今までがおもりを付けたまま泳いでいたような感覚」?
倉庫の代物が強いのか、適切なレベルの装備が支給できていなかったのか、教育が行き届いていなかったのか。
まあどれでもいいか。
警務部隊が強いぶんには特に問題はないしな。
今日のぶんのガチャ回そ。
R・スマートカード
出現したのはクレジットカードサイズのカードだった。
薄い金属板のような質感のカードで、表面には細い線のような光が走っている。
カード……?
触れてみると、表面に光が波打つ。
美術的に非常に美しい代物だと言える。
きれいではあるが、何なんだこれは。
当然のように現代技術では作れない代物であるのはわかるが。
夜の闇を割く流れ星のような細く長い光。
カードの表面をそれが走っていく。
……あれ。
ガチャの景品はどれもこれも魔力許容量が多く、どんな代物でも魔力電池にできてしまうぐらい魔力を注げる。
保存する機能があるわけではないので一時的にな取り置きに使える程度の余計な要素ではある。
だが、このカードは……底なしだ。
軽く指先から魔力を注いでやるとぐんぐん吸い取っていく。
どんなものでも抵抗はあり、魔力のような異質なものは注ぎにくいのが常。
だがこのカードはスポンジが水を吸うかのように吸い上げていく。
これは……注いだはしから魔力が逃げているので保存するためのカードというわけではなさそうだが。
なんだ……?
何かを入れる、貯めるモノ?
カードが?
後日。機神の解析ですぐに分かった。
これは記憶媒体だ。
こんな薄っぺらい媒体に、なんと450
あまりに馴染みがない単位なのでわかりそうな範囲にすると、大体450兆
人間の脳が大体17.5TBぐらいだそうなので、25兆人の脳を保存できる容量だ。
ちなみに中身はほぼ空。
システム領域が少しだけ入っているだけだった。
しかも機神なら生産できそうってさ!
どういう技術してんの!?