突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R デッキケース

 デッキ。今回はカードゲームにおけるデッキのことだ。

 ゲームを行うために選択して決められた枚数のカードの束となったものがデッキであり、これを持ち寄って対戦したりする。

 プレイヤーはより強いデッキを作るためにカードを集めたりするわけだ。

 そしてトレーディング要素のあるカードのデッキは、一束で結構な金額になる。

 

 今回はそれ用の箱、デッキケースが出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 前にガチャから出たスマートカードを材料に、兄が機神にコンピュータを作らせた。

 カードの厚みが2倍程度になって、その表面に画面が表示されている。

 

 ……。

 なんの端末?

 

 いや、多分兄のことだから作れそうだと思ったので作ったのだろう。

 容量がヨタバイトの携帯端末をそんな簡単に作らないでほしい。

 

 現状スマートフォンと呼べるほどの機能もない。

 複雑な計算ができるだけの板である。

 まあコンピュータもOSが入ってなければそんなものだが。

 

 それにメモリ以外の部分の技術をどうまとめるかで混乱があって、中途半端に魔法を組み込んでいるせいで作りがめちゃくちゃである。

 兄の初期設計が10割悪い。

 

 これにスマホのOSを入れられるように設計し直すとか言ってたが。

 完成したところで使い道もないだろ……。

 

 兄がガチャの景品もどきを作っているのは脇に置いておいて。

 今日のガチャを回そう。

 

 R・デッキケース

 

 出現したのは小さな箱だった。

 青い合皮のようなものが貼られた手のひらに乗るサイズの箱で、蓋はマグネットで閉まっている。

 手触りはさらさらとしていて、比較的お高めの代物の予感。

 

 まあだからといってガチャの景品がまともに使えるわけがないのだが。

 開いてみると中は当然空。

 なにかが入っているほうが困るといえば困るが。

 

 そして箱の大きさはというと。

 カードゲームの一般的なデッキが入りそうな大きさである。

 やはりカードを入れてみないと効果は分からなさそうという感じだが……。

 

 どうしたものかな。

 カードゲーム、持ってないんだよな。

 とりあえず1枚だけなにか入れてみる……?

 

 そう思って、財布の中からポイントカードを取り出す。

 特に会員登録などをしないでもカードだけ配布してそのまま使えるタイプのRのポイントカードである。

 厚手なので効果を見極めるにはちょうどいいだろう多分。

 

 カードを入れて、蓋を閉める。

 それと同時に、手の中のデッキケースの重みが増した。

 明らかに重くなっている。

 軽く振ると、ゴソ、と束が動くような音。

 

 ……。

 これ、増えてるな?

 多分増えてるな?

 

 恐る恐るデッキケースを開けてみると、そこには白いカードが数十枚入っていた。

 しかも全部カードのナンバーは同じだ。

 

 トレーディングカードゲームのカードを増やす。

 1枚10万円超えるものも当たり前にあるゲームのカードを?

 

 絶対ヤバいじゃん……!

 

 

 

 

 

 

 

 後日。兄が硬貨を増殖させた。

 兄の検証の結果、“枚”で数えられるものならなんでもデッキケースいっぱいになるまで複製して増やしてしまえるとのこと。

 当然1万円札も……、こっちは通し番号があるから偽札扱いになるとは思う。

 

 硬貨……。

 まあ、使い道はね。

 社会から消えるお金だからね。

 

 はい。

 ガチャに使わせていただきます……。

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