突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R ブーメラン

 ブーメラン。それは狩猟に使われていたとされる武器の一種だ。

 くの字に削り出された木の加工品であり、投げると空力によって弧を描きながら飛ぶ。

 投げられる棍棒としての用途として使われ、戻ってこないものはカイリーというらしい。

 

 今回はそのブーメランが出てきた話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 兄がアプリアイコンを弄り回した結果、妙に機能が充実していることがわかった。

 アイコンをポケットに入れた状態で上からタップすると、視界のいい感じの場所にアプリが開いたり。

 カメラアプリを使うと、視界に枠が浮かんで、その範囲をカメラに収められたり。

 使用者に合わせてその挙動を変化させる。

 

 指でつまんでタップすることで、スマホのような板状に展開させる事もできる。

 これで持ち歩いていても不審にならない……が。

 

 そもそもミュートがかけられないので持ち歩くにも不便である。

 音ガンガンに漏れる。

 一括でミュートかけられないのがこんなに不便だとは思わなかった。

 

 一応、アプリ側から音量を絞ることはできるが……。

 事前にやらないといけないのはやはり面倒だ。

 

 まあどうにでもなる範囲ではある。

 アプリだけ浮いて動作すればそういうこともある。

 他の景品もそんなもんだ。

 

 今日のガチャを開封しよう。

 

 R・ブーメラン

 

 出現したのはブーメランだった。

 

 プラ製ではなく、しっかりとした木製のものである。

 ニスが塗られ、丁寧に作られた一品。

 職人が手ずから削って制作したと思われる。

 

 そんなブーメランが出現したのだ。

 

 芸術品として作られているわけではない。

 実用を突き詰めた結果という印象。

 

 つまりはまあ。投げればいいのだろう。

 シンプルなだけにわかりやすい。

 

 そう思ってブーメランを投げたときだった。

 

 手元から離れた瞬間、急加速して飛んでいくブーメラン。

 まるで竜巻のように回転し、周囲を旋回し、空の彼方へ抜けていき、そのまま戻ってくるかと思いきや後ろに抜け。

 そのまま一回転してから私の手元に帰ってきた。

 

 わあ。

 アクロバット。

 

 なんというか、ブーメランを高性能化しすぎたといった感触である。

 スピードもそうだが、旋回性能が高すぎてくるくる回り過ぎだ。

 ブーメランは狩猟の道具に使われていたと聞くが、これは使えるのか?

 小回りは効かなさそうだが。

 

 まあいいか。

 ものはわかったんだ。

 倉庫にでも入れておこう……。

 

 

 

 後日。兄がまるで遠隔操作型の兵器のかのようにブーメランを操っていた。

 他人が投げたものを見るとそうなるとかそういうことではない。

 明らかに兄は、そのブーメランの軌跡を制御している。

 

 なんでも投げ方にコツが有るとかなんとか。

 イメージが大切とか。

 

 ただあの激しい動きは制御できるものだったのか。

 まあ武器だしな。

 狙ったところに当てられなかったら困るわな。

 

 そう思っていると。

 兄がブーメランで的の大岩破壊した……。

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