突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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SR 消防車(変形機能付き)

 消防車。火事火災に駆けつけ、消火活動を行うための車だ。

 人々を救うという使命を帯びた車両であるため、ただそれだけでヒーロー性を帯びている。

 故に様々なヒーローのモチーフに用いられる事が多い。

 

 今回はその消防車がでてきた話だ。

 

 

 

 

 

 霧星の方の街でもクローンチンピラが発生していることがわかった。

 組織が根を張っていた以上、怪人もあちら側に出入りできるということは予想可能ではあった。

 だが見落としていた。考えたくなかったのである。

 

 とすると、霧星の方に住んでいた異常怪人の可能性も出てくる。

 組織が崩れてその影響にあった国の力が削がれた結果、動き出したという可能性。

 地球と違って、存在規模を引き上げる手段は事欠かないだろうし……ガチャから出現した存在だ。そういう地雷もあり得るだろう。

 

 調査……調査。

 いまだ中世的な世界観であるガチャレクシアではモンスターがはびこっており、それらの存在がまともな調査を拒む。

 ましてや隠れている魔術師の類を探すのは至難の業だ。

 普通の盗賊団でも探して潰すのに苦労する環境なのだ。

 

 そんな中でクローンチンピラと異能以外、痕跡らしい痕跡を残していない怪人を探すのは……手間。

 やりたくないとすら思う。

 

 適当なところで反撃術式使って焼き尽くせねえかなぁー!

 

 流石にどうにもならん。

 ガチャを開けよう……。

 

 SR・消防車(変形機能付き)

 

 出現したのは車両だった。

 なんかでかい。

 

 そう、巨大でSFめいたデザインの消防車だった。

 その大きさは通常の消防車の2倍から3倍ほど。

 高さは横幅に比べるとそれほど大きくなっているようには見えないが、それでも1.5階から2階ぐらいの大きさになっている。

 またタイヤの数も8個、それも重機用のゴツいものに。

 

 そして不思議な分割線。これが変形機能に関係してくるということだろうか。

 車体の全体に複数、構造の異なるものが配置されていて複雑な変形が予想できる。

 

 当然、サイズと変形機能のせいで問題も発生してるんだが……。

 まずどこから乗り込むのかわからない。

 ウインドウが全部黒塗りで、何らかのSF的な機能で外部を視認する構造になっていることはわかる。

 だが、本来ドアがある部分にそれらしい取っ手もなにもないのだ。

 ならばどこから乗り込むのか。

 

 そりゃ上だろうなぁ……変形するならロボだもの。

 その手のヒーローはジャンプで上から飛び乗る。そっちのほうがかっこいいから。

 でも現実の人間はそんなに高く飛べないんですよ。

 

 そう思って外装をペタペタ触っていると、わずかに分割線の施された凹みを見つけた。

 押し込むスイッチのような感触である。硬いが。

 それをぐっと押し込んでやると、外装の一部がスライドして一体化した階段が引き出された。

 

 無駄に凝っている。

 階段を上がると探していたドアがそこにあった。

 というかドアと階段が一体化していて、引き出さないとドアが開かない。

 つまりしめるには階段ごと閉じる必要がある。

 

 微妙に作りが荒いのを気にしながら、私は操縦席に乗り込んだ。

 うーん、戦隊ロボ!

 席が一つだけ真ん中に置かれていて、やや広い空間がある、日曜の朝によく見そうな構造。

 

 これ変形機能大丈夫か……?

 座席の左に据え付けられたでかい変形ボタンには、透明な蓋が取り付けられていて偶発的に押されないようになっている。

 なので蓋を開けて押して見ることにした。

 押さなければわかるものもわからない。

 

 ゴゴゴゴゴと、各部の機械が動く音とともに、操縦席に投影された外部の様子の視点が高くなっていく。

 高くなって……高くなって……、それで終わりだ。

 あれ? しかし、そうか。変形したからといって内部からなにかがわかるわけでもないか。

 私は開きっぱなしにしておいたドアから飛び降りる。

 

 そこに立っていたのは、下半身だった。

 消防車が変形して立ち上がり、二足歩行ロボの下半身に。

 つまり、これは合体ロボの下半身である。

 

 しかも腰から上には消防車のラダーが二本取り付けられており、それが手長足長の妖怪じみたシルエットを作り出している。

 おそらく操縦席からラダーを動かして腕の代わりにすることもできるのだろう。

 

 ……そういや変形機能はあるって書いてあるけれど、合体機能があるとは書かれていない。

 もしかするとこれが正規の姿かもしれない。

 

 いやいやいやいや……。

 

 

 

 

 後日。兄が別形態を見つけた。

 これがなんというべきか形容しがたい形態だったのだ。

 脚部は逆足になり、ラダーが尾のように伸び、ウインドウが開いて牙のようなものが出現するという奇っ怪な形状に。

 足だけが無闇矢鱈にでかいために、全体のバランスが致命的である。

 

 そしてもう一形態。

 こちらも形容しがたい代物である。

 両足をM字開脚状に開いて、それをきちんとくっつけた……といった印象。

 脚部パーツが縦向きになって操縦席の脇に来ているだけではある。

 で、これはなんなのか。

 兄が言うにはフォートレスモードらしいが……。

 

 これいじくり回してたら別の変形が見つかり続けるとかそういうやつじゃないよね?

 外装になにかくっつきそうなジョイントが複数あるのはただの気のせいだよね?

 ああ! 兄がサメ機巧天使(シャークマシンエンジェル)をジョイントに!

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