突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R アルティメイトカードマスターズ

 トレーディングカードゲーム。カードを収集し、集めたカードでゲームを行うアナログゲームの一種である。

 主にデッキと呼ばれるカードの束を作り、それを使って一対一で対戦を行うものが主流だ。

 そして性質上、強いカードは高額で取引され、コレクション性が高いものは驚くほど高くなっている。

 

 今回はそのカードゲームのパックがでてきた話だ。

 

 

 

 

 

 そういえば放置していたゲームのほうだが。

 組織のおかげで崩壊した一部のスタート地点の修復も終わり、新たな秩序が再構築された模様である。組織に入っていた人間がごっそり引退状態になったからな。現在の仕事忙しすぎるのと、組織を抜けて地下に潜ったのとで。

 

 それでも研究系ギルドが有力勢力として台頭してきているあたり、廃人には魔法研究ゲーとして認知されているようだ。実際極めれば現実でも魔法が使えるようになるからな。システムアシストとリソースの問題でそこまでうまくいかないが。

 

 それと、なにかbotめいた動きをするプレイヤーが増えているという報告が上がってきている。というかbot。人間以外がログインできない仕様なのでまあ……クローン的な……。

 つまりは怪人の尻尾っぽいという。なんで?

 

 これで別件だったらそれはそれでイヤすぎる。気持ち悪い動きをする怪人が二人に増えることになるからな。そんなの……可能性としてはありえなくもないのか……。

 

 はーやだやだ。

 ガチャ開けてしまおう。ストレス発散にはならないが思考は切り替えられる。

 

 R・アルティメイトカードマスターズ

 

 出現したのは箱だった。

 きれいな光沢の緑色の上に美麗なドラゴンのイラストが書かれた、カードゲームのパックが入った箱だ。

 この場合、ボックスというのだったか。

 

 で、さくっとスマホで関連商品が存在しないか検索してみたのだが……やっぱり出てこない。ガチャが異界から商品でも取り寄せたのだろうか。あるいは、情報だけ参照して生成したのか。

 もともとガチャがどこから景品を呼び出してるのかはわかっていないから考えるだけ無駄ではある。

 

 しかし、未知のカードゲームの箱となると、開けるのも躊躇される。箱の状態で保存するのが望ましい場合が割とありそうというのが一つ。開けてもカードの価値がわからないのが一つ。そしてルールがわからないだろうということが一つ。

 特にルールがわからないのが致命的だ。こうなるとイラスト以外に見るべきところが何も無い。

 

 まあいいか。特に気にせずに開けることにする。考えていても無駄、というかどうせ倉庫に送ってしまい込むだけなのだ。開いていようが閉じていようが変わりあるまい。

 

 シュリンクを剥がし、パックを一つ取り出す。1パック5枚入り。フックに吊るして売るにはちょうどいい枚数なのだろう。

 スッと切れ込みを入れ、パックからカードを取り出す。「次元連鎖爆破」「無限の地平(インフィニット・プレインズ)・エルドラゴ」「無限の地平(インフィニット・プレインズ)の開闢」「蒸気武士団(スチームサツマ)の首魁-荒羽摩(アラバマ)」「クロノウィッチ」の5枚が入っていた。

 うん……うん。わからん。

 なにか似た名前のカードは一つのテーマに属するカードなのだろうというのはわかる。事実、「無限の地平(インフィニット・プレインズ)の開闢」は「インフィニット・プレインズ」を指定してデッキから手札に加える効果を持っている。それも2枚。フィールドとクリーチャーとも指定があるが。

 

 ルールがわからないのに効果を見てもなんとも言えん。カードの種類もわからん。だが「開闢」と「クロノウィッチ」はレアリティが高いのか、とてもギラギラしている。「クロノウィッチ」なんかカード枠まで3Dホログラム印刷かなにかで箔押しされていてとんでもない事に。

 視認性は他のカードと変わらないのが高度な印刷技術を伺わせる。

 

 とりあえず並べておいて、他のパックも開けよう……と、カードを置いたその時だ。

 突如カードから光が溢れ、カードの真上の中空に絵が浮かび上がる。まるで3Dのモデルかなにかのように中空でその像を結んだのは、さっき置いたばかりの「クロノウィッチ」だった。

 とくに特別な動きなく、そこに3Dイラストが浮かんでいる。

 

 はえー……。印刷技術の発展はこんな……こんな……。

 そうはならんやろ。なにか無駄に高度なあれやこれやを使っているに違いない。

 魔法とか、異能とか……。

 

 

 

 後日。兄が高レアリティっぽいキラキラしたカード同士を突き合わせると戦闘アニメーションが発生することを発見した。

 数秒ほどの演出程度のものだが、その技術は脅威的なものだ。光学系と幻術系の魔法が使われているのはわかったのだが、なんでそれがカードゲームのカードに仕込める程度のサイズに圧縮出来ているのかさっぱりわからない。しかもそれでさらにアニメーションまでするとかもうなにもわからん。

 そしてその狂気的な技術でやってることがカードゲームなのもわからない……。

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