突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
ゴーグル。目を守るために装着する防護用具だ。
保護メガネとも呼ばれる。目の側面に密着するような構造になっていて、側面から様々なものが入ってこないようになっている。
用途は多岐にわたり、水中用や運転用、作業用など、その取り組みによって形状も異なっている。
今回はそのゴーグルがでてきた話だ。
怪人、やはり怪人だった。
なぜそういうことを言うのかというと……、あのアジトにあった柱、あれこそが怪人だったのだ。
びっしりと書き込まれた術式そのものが追いかけていた怪人そのものだった。
ヤツは自分自身を術式化して不老不死を手に入れていたのだ。
存在そのものを術式として組み上げているため、複製も容易、同期も容易。しいていうなら人格が術式化の過程で歪んでいる可能性が大いにあるということぐらいか。
しかも、だ。相手は自分自身を投棄するのに躊躇がない。
複製可能な存在であるためか、捨ててしまっても構わないと思っているのだろう。
そして術式なので削除も容易だ。
こわー……しかもすでに複数複製済み、それらは活動状態になっているという。
対処可能なのかこれ? コンピュータウイルスみたいな生物に?
まあどうにでもなるか……こっちは神を使えるしな。
今日の分のガチャを開けよう。
R・ゴーグル
出現したのは水中用のゴーグルだった。側面がパッキン状になっていて、水中で水が入ってこないようになっているアレである。
全体的に青黒い色合いをしている。
水中ゴーグル……? プールや海で使うものだが、これもそうだろうか?
普通に身に着けて水中に潜れば効果を発揮する類。
だとすれば面倒だな……洗面器でもいいだろうか。
顔を水につけて効果がわかればいいなぁ。
そう思って、水を張った洗面器を持ってきたところで。
テーブルに置かれていた水中用ゴーグルが、航空機用のゴーグルに変わっていた。
あー……はい。
大体わかった。
このゴーグル、アレだな?
一番場違いなゴーグルになるように変化するタイプだな?
身につけて水の中を覗こうとしたから、水中では使えないゴーグルに変化した。
おそらくはそういうことだろう。
つまりはまあ……使い道のないゴミが一つ増えたということだ。
またゴミかぁ……。
後日。兄が水を張った洗面器、バイクの模型、飛行機の食玩、製作機械のカプセルトイなどをゴーグルの周りに配置することで……高速で変形させて遊んでいた。
高速で変形している中に、なにやら見たことがない、というかやたらトゲトゲしたデザインのものが混ざっているのが気になる。
それを兄に伝えると……即座になにかのゲームソフトを取り出し、脇に置いた。
すると、変化が止まってゴーグルは青い箱になったのだ。
そのゴーグル、なんと内側に端子のようなものがびっしりとついている。
まともな人間がつけたらその端子で確実に失明するだろう。
多分サイボーグ用のゴーグル、ってことか?
つまり、置かれたものと関わりのないないゴーグル、と。
トゲトゲしたやつはゲームのキャラのゴーグルだったって?
そうか……未来のものか他のゲームのものかわからないけど、未知の技術でできたものまで変形するのか……。