突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが?   作:内藤悠月

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R ロボット素体

 SF作品には数多くのロボットが出てくる。

 ここで言うロボットは主に人型をしていて、戦闘力があるやつだ。

 大きかったり、一点物だったりするアレだ。

 

 現実ではパワードローダーや人の歩行を真似て作られたロボット、あるいは4脚にして輸送を手伝うロボなど様々なロボットが登場している。

 もっとも、現段階では技術力を示すために作られている側面が強く、実用的なものはまだ現れていない段階だ。

 

 今回はそのロボットが出た話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サメもどきの改良は続いている。

 最も実際にやっているのはNPCのおっさんに量産したヒヒイロカネを売っているだけなのだが。

 ダンジョンは構造上、中にはいってきた侵入者の数と土地から組み上げるよくわからない何かで生産するエネルギーが決まっているらしく、それの生産を増強するトーテムポールがNPCのおっさんの商品リストに乗っていたそうだ。

 生産したエネルギーでサメもどきの強化型を作れるため、どうしてもそれがたくさん必要なわけだ。

 いや、少し前にヒヒイロカネを量産していた時はそんなこと言っていなかったのだが、あのときはとにかく商品リストを上から全部買うために兄はヒヒイロカネを売却していたそうだ。

 

 しかし、聞く限り予定として必要なトーテムポールが少なくとも322本になってるんだが。

 ヒヒイロカネインゴットが約10万2000個換算だぞ。本当にそれで行けるのか、兄。

 いや、あのダンジョンの倉庫を見るに、なんとかしてしまいそうではある。

 

 まあいいか。ガチャ回そ。

 いや、回したくもないんだけど、回さないと異音立てるし……。

 最初に異音を立てたときは真夜中だったので本当に困る。

 

 R・ロボット素体

 

 それは直立した状態で出現したと思ったら、膝から崩れて倒れていった。

 おおよそ3メートルの金属の身体を持つ機械の人型。つまりロボットである。

 そう、それが酔っ払ったおっさんのごとく膝から崩れて倒れたのだ。

 

 あぶねえ。

 最も私は反応できず、ただ呆然と見ていることしか出来なかったのだが。

 私の方に倒れ込まなくてよかった。

 

 しかし、このロボットの造形は微妙だ。

 なんというか内部フレームだけしかないような気がする。

 というか装甲も無いから切り抜きから中身が透けて見えるんだけども。

 それもすっからかんなのだ。

 

 いや、素体とは書いてあったけども。

 コックピットと思しき部分すらないんだが。

 もしかしてコックピットは別景品なのか?

 

 だとすればあのガチャから本当に出るのか疑わしい。

 回していて同じ物が出てきた記憶がない。

 そして同じ系列の物が出てきたという記憶もない。

 

 いや、一回だけカステラがダブったことがあったな。

 それだって別の老舗のカステラだったが。

 しかも袋分けの一切れ。

 相変わらず800円ガチャで出す内容ではない。

 

 しかし小一時間弄ってもても動かし方がわからない。

 もしかしてまた邪魔な鉄くずを出現させてしまったのか。

 

 もう鉄くずいらないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 後日。兄がやってくれた。

 サメもどきをコックピット代わりに組み込むことでロボットとして立ち上がらせることに成功したのである。

 いや、なにやってんの?

 なんでそれが出来たのかよくわからない。

 しかも兄はそれをダンジョンに組み込み直した結果、ロボサメもどきが生産されるようになった。

 いや、本当に何をやってんの?

 相変わらず動作はどんくさく、3メートルある長身ですっ転ぶので近くにいると危ない。

 

 なお、ロボットは動かせるようになったとはいえ、発掘ダンジョン内には大きさの関係で入れなかった。


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