突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
.rar。いわゆるデータの圧縮形式の1つで、ZIPファイルと比べると高い圧縮率を持っている形式である。
また他の圧縮形式とは異なり、多少のデータ欠損であれば修復が可能であるという特徴を持つ。
日本国内では余り見る形式ではないが、海外のプログラムなどを落とそうとするとたまにこの形式で圧縮されていることがあるのだ。
圧縮ファイルとしてのアイコンはバンドで束ねられた3冊の本といった風情である。
今回はその圧縮ファイルが出てきた話だ。
意味わかんねえ。
【旅歩き】を持った少年魔法使いくんが、磔にされていた。
いや正確に説明すると、木材に縛り付けられた状態で
兄ぃ……。
仮にも人型の存在をそこまでぞんざいに扱えるの本当に何なんだ。
なに? スケルトンに遭遇するたびに前にでて魔法を使おうとするのがうざったかった?
こいつマジか。
それで最終的に木材に縛り付けて担ぐという手段に出るのは本当にどうかしている。
というか護衛依頼でいるんだから何らかの命令で下げられるのではとは思うのだが……。
【旅歩き】の効果を発揮させるのには一緒にいるだけでいいあたりもこのような扱いが拍車をかけている。
酷な扱いをされているが薄ぼんやりとした笑顔を浮かべている少年魔法使いが不憫だ……。
しかし能力が上がれば扱いも変わろう。
さて、ガチャを回そう。
R・RARファイル
出現したのは、ベルトで縛られた3冊の本だ。
本は重なり合うことで1つの正方形に近い形状になっている。
3色でカラフルな本である。
……いや、これ本じゃねえじゃん。
PCデータの圧縮ファイルじゃねーか。
なんで圧縮データが、実体化してここに出現してるんだよ!
案の定というか、ベルトを弄り回しても外れない。
一ミリもずれないのだ。
本をずらして抜き取ろうとしてもガッチガチにくっついているのか動かないのだ。
あーもう。
開けさせる気がないのかこれ。
しかも見かけよりもだいぶ重い。
選定の剣を振りかぶって攻撃を加えてみても傷一つつかない。
ガッチガチに圧縮されているのか、それは本の密度ではないのだ。
これ本当に開けられるのか?
圧縮ファイルってことは特定のルールに従って開ける方法があるハズなのだが。
多分開けられないんだろうなこれ。
物質化してるせいで処理できなさそうだもん。
後日。兄がRARファイルを盾の素材にした。
どうあっても傷つけられないために、結果的に最強の装甲材になるいつもの流れだ。
加工可能ならば選定の剣の土台も鎧にしていたであろう兄にとって、圧縮ファイルであってもただの素材にすぎないのだ。
欠点があるとすれば厚さがあって取り回しが悪いことかな!