突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
様々な物語には、海賊が隠した宝であったり、失われた王家の隠し財宝であるといった本来外に出てこようのない宝のありかを記した地図が登場する。
得てしてそれらは暗号のような形式で書かれており、わかるものにだけ道を開くというものだ。
現実には存在し得ないが故ロマンというものがそこにあり、それ故に物語に映える。
今回はその宝の地図が出た話だ。
発掘ダンジョンは、10層以降ダンジョンというよりなんらかの地形を切り取ったような形になっていることはもうすでに説明したと思う。
廃墟や都市、ジャングルに荒野と様々なバリエーションが有るのはすでにわかっていると思うが、実はその造形はかなり単調である。
荒野ならタダっ広いだけであり、廃墟はただ街が壊れただけ、ジャングルは本当に野放図に茂っているだけ、という有様。
またどれもこれもその単調さに反比例するように広大な広さとなっている。
まるで距離をそのまま壁にするかのように無駄に広い空間だけが置いてある。
比較的ましな階層にはチラチラ建物が置いてあったりはするが。
それ故に兄は攻略に苦慮している。
そろそろ宝箱に車を詰めて持ち込みかねないが、車をそういうふうに扱うには
ぼそっと「作るか……」みたいなことを言っていたような気がするが気のせいだろう。
さて、ガチャを回しておこう。
R・宝の地図
出現したのは、小汚い紙だ。
おそらくは羊皮紙のように見える材質で、その上に油絵の具のような絵の具が載せられている。
バリッバリに乾燥して、下手に曲げようとすると絵の具が剥がれてしまいそうである。
しかし、宝の地図?
いくつか島のような絵が描かれていて、その島のことだろう、なんらかの名前が書き込まれているのが見て取れる。
最もその文字もどこの国の文字かわからない。
それ自体は今に始まったことではないが……。
いやでも形から類推することは出来る、か?
海に島、それに端に鳥……鳥? のようなものも描かれている。
あと海竜な。
地図につきもののイラスト描きではある。
というか方角記号が書いてないからどこが北かわからねえ。
くるくる回してみると、絵が歪んで形を変えているような気すらする。
……いや、これ変わってるな!?
思わず持ち上げて角度を変えてみるが、明らかに違うアングルから書かれた地図に変化した。
というか動かして見てよくわかった。
島が動いている。
テーブルに置いた状態では少しずつしか動いていなかったからわからなかったが、明らかにいくつかの島が動いて地図の形を変えているのだ。
もしかして何らかの仕掛けが施されていて、それを解き明かさないと宝にはたどり着けない、ってやつか?
そもそもどこの地図かわからない時点で、宝探しもしようがないが。
いや、変なおもちゃが出てきてしまったな……。
後日。兄が発掘ダンジョンの23層で群島にぶち当たった。
どうもこの宝の地図はその群島と位置が一致するようで、兄はテンションを上げていたのだ。
これから水上移動の手段を考えて宝を見つけて見せると大言壮語を吐いていた。
と言うか金ならあるでしょ。
というかダンジョンの内部の1層分の地図?
そんなピンポイントな物、普通ガチャから出る?