突然部屋にガチャポンマシンが出現して、しかもめちゃくちゃ邪魔なんだが? 作:内藤悠月
財布。主に金銭を入れて携帯するために使われる容器や袋のことである。
現在の財布の原型は紙幣の登場と共に出現した。
紙幣は雑にポケットなどに入れていると紛失したり破損してしまうためそれを保護するために生まれたといえる。
それまでは硬貨だったため普通の袋で良かったのだ。
道具は必要に応じて生まれる。
財布もまたその1つである。
今回はその財布が出てきた話だ。
兄が宝の地図の解読に飽きたのか、ロボットの操縦の練習をしていた。
しかしだからといってそれが役に立つとは限らない。
このロボは拡張された人体でしか無く、それを扱うパイロットの能力が如実に現れてしまうためだ。
基本的な動作でなら運動神経の良さが要求され、武器を振るうならば武器の習熟が要求される。
操作して遊ぶだけならただでかいだけの金属のでくのぼうである。
人がその大きさに拡張されたところで、結局の所出来ることはあまり変わらないのだ。
だからこそ兄は今、その巨体で何かが出来ないかと試している。
操作で引き出せる機能の幅を可能な限り増やそうとしている。
まあやってると分かるがでかいだけなら
もっと大きいのならばサメもどきをねじ込んだあのジャンクロボもいる。
ロボットに乗っていて楽しいのはわかるが、実際にどうやって使うかとなると微妙なところだ。
武器持たせても
まあどうでもいいか。
ガチャを回して今日の分を片付けておこう。
R・財布
出現したのは、黒い革作りの財布だった。
二つ折りの紳士物で、開閉がえらく硬い。
おそらくは革が馴染んでいないのだろうか、全体的にカッチカチである。
ポケットなどに入れた日には太ももが痛くなること間違いなしだ。
財布を開いてみると小銭入れとお札を入れるところと、あと本来クレジットカードを入れるところの代わりに小銭入れが。
はい。
見開きで小銭入れが2つあります。
なんだこれ……。
何のためにそんな作りを。
というか妙に硬いと思ったらこれで厚みがひどいことになっていたせいか。
元々硬めの革が余計に分厚いせいでとても硬い。
ポケットに入れれば太ももにダメージを与える程度に硬い。
まあ、部屋に置いておくぶんには使えるか。
とりあえず使えるか試して……小銭入れに投入した500円玉が消失した。
は?
右の小銭入れに入れた硬貨が財布に食われた。
ガチャ費用として兄から横領したぶんの小銭ではあるが、ガチャの景品に食われるのはかなり癪である。
うおお、どこにやったあ!
と反対側の小銭入れを開けると、そこには25セント硬貨が5枚入っていた。
うん?
500円玉を投入する前には入っていなかったはずだが。
嫌な予感がして、小銭入れに100円玉を投入。
すると先程と同じく100円玉が消失し、反対側の小銭入れに25セント硬貨が出現した。
ははは、もしかして両替する財布だって?
その過程でだいぶ目減りしてるじゃねーか!
1ドル400円とかふざけるなよ!
後日。兄が発掘ダンジョン産の金貨を財布に投入した。
これでドル通貨に変化してくれれば、ガチャから出てくるものの現金化が捗るのだがそうは問屋が降ろさない。
出てきたのは見たこともない銀貨だった。
若干いびつな形をしていて、鋳造で作られている事がわかる。
しかしその造形はこれまで入手した謎の通貨と比べて通貨として共通点がない。
ということはこれは新規の通貨ということだ。
この財布は何と交換してるんだよホント!