オールラウンダーは無気力です   作:ヤマアラシん

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どうも。

前回の駄作()と違い、かなりの高評価をいただいております。
大変恐縮でございます。
…先に言っとくと、主人公は遊真を守るために動きます。
それではどうぞ。


episode 5 面白そうだからな

「さぁ着いた。ここが我らがボーダー玉狛支部だ。」

 

「川の真ん中に建物が…!」

 

「ここは元々何かの施設で、使わなくなったのを買い取って、基地を建てたらしい。いいだろ。隊員は出払ってるみたいだけど、何人かは基地にいるかな?」

 

「(玉狛支部の隊員…。やっぱりみんな腕利きなのか…?)」

 

「ただいま~。」ガチャッ

 

 

 

 

 

そこにいたのはカピバラに乗るお子さま…否、カピバラに乗れず、涙を浮かべている、林藤陽太郎。…なぜ乗れない?雷神丸が拒否?

 

 

 

24の大人が占領していた

 

 

 

「ずるいぞてんや!おれのらいじんまるだぞ!」

 

「ははははは!甘いんだよ陽太郎!見ろ、この雷神丸の華麗な足さばき!並みの操縦では不可能だぞ!」

 

「…!?」

 

「陽太郎…。神島さん。今、誰かいる?」

 

「…しんいりか。」ズビッ

 

「お。お疲れ、迅。」

 

「あの~…、流石に大人げないですよ?」

 

「うっせぇ。」

 

「迅さんおかえり~。あれ、もしかしてお客さん!?うわ~やっぱり天夜さんすごいなぁー!このためにお菓子持ってきてくれたんですね!」

 

「まぁ全部陽太郎と食ったけど。」

 

「それ意味ないじゃ無いですか!?うぇえ~!ちょっと待ってて!」

 

「ふっ…。オレに頼るからそうなる。」

 

「もう神島さんに頼るの控えようかな。」

 

「遊真?おじさんそれは悲しいよ?」

 

 

「どらやきしかなかったけど…、でもこのどらやきいいやつだから!たべてたべて!アタシ宇佐美栞。よろしくね!」

 

「これはこれは立派なものを…。」

 

「いただきます…。」

 

にゅっ

 

じー…

 

「あ、陽太郎!あんたもう自分のどら焼き食べたし、天夜さんと一緒にお菓子食べてたんでしょ!」

 

「あまいなしおりちゃん。そのていどでまんぞくするおれではない。」

 

どしっ!

 

「わるいなちびすけ。おれはこのどらやきというものに興味がある。」

 

「ぶぐぐ…。おれのどらやき…。」

 

「ははははは!!残念だなぁ陽太郎!俺はまだ食ってないからここにあるんだよなぁ!あぁぁ!!うめぇなぁ!!くそうめぇなぁ!!」

 

「むきぃぃぃっ!!てんやぁ~!」

 

「…こういう大人になったら駄目だよ?」

 

「は、はは…。」

 

「…良かったら、わたしのあげるよ?」

 

「…!きみかわいいね。けっこんしてあげてもいいよ。」

 

「あ、あはは…。」

 

「おれとけっこんしたら、らいじんまるのおなか、さわりほうだいだよ。こうすると…。」グイグイッ…

 

 

グイグイッ…

 

グイグイッ…

 

「…さわりほうだいだよ?」ぐすんっ

 

「(なんなんだ、このゆるい感じ…。本当にボーダーの基地なのか?)」

 

「…なんていうかここは、本部とは雰囲気が違いますね。」

 

「まぁウチは、スタッフ全員で10人しかいないちっちゃい基地だからねー。」

 

「でも、はっきり言って強いよ。」

 

「!」

 

「ウチの防衛隊員は、迅さん以外に3人しかいないけど、みんなA級レベルのデキる人だよ。玉狛支部は少数精鋭の実力派集団なのだ!」

 

「全員A級…!?」

 

「キミもウチに入る?メガネ人口増やそうぜ!」

 

「あの…、さっき迅さん…、が言ってたんですけど、宇佐美さんもむこうの世界に行ったことあるんですか?」

 

「うん、あるよ。一回だけだけど。」

 

「じゃあ…、そのむこうに行く人間って、どうやって決めてるんですか?」

 

「それはねー。A級隊員の中から、選抜試験で選ぶんだよね。()()()チーム単位で選ばれるから、アタシもくっついて行けたんだけどねー。」

 

「ふむ?大体?」

 

「俺とかは勝手に遠征に突っ込まれたりすることあんだよ。めんどくせぇ。」

 

「…勝手に。」

 

「それだけ実力があるってことだよ!天夜さん、大分前に1人で遠征行ったんでしょ?てか遠征艇はどうやって動かしてたの?私それずっと気になってたんだけど。」

 

「あほ。企業秘密に決まってんだろ。」

 

「A級隊員って…、やっぱりすごいんですよね…。」

 

「400人のC級、100人のB級の、さらに上だからね。そりゃツワモノ揃いだよ。」

 

「よう、3人とも。親御さんに連絡して、今日はウチに泊まってけ。ここなら本部の人たちも追ってこないし、空き部屋もたくさんある。宇佐美、面倒見てやって。」

 

「ラジャ。」

 

「遊真、メガネくん。来てくれ。ウチのボスが会いたいって。」

 

 

 

「失礼します。2人を連れてきました。」

 

「おっ、来たか。」

 

「おまえが、空閑さんの息子か。はじめまして。」

 

「どうも。」

 

「おまえのことは、迅と三雲くん、天夜から聞いてる。ウチはおまえを捕まえる気はない。ただ、ひとつだけ教えてくれ。おまえ、親父さんの知り合いに会いに来たんだろ?…その相手の名前を教えてくれないか?」

 

「…モガミソウイチ。親父が言ってた知り合いの名前は…、モガミソウイチだよ。」

 

 

「…そうか…。やっぱり最上さんか…。」

 

「最上宗一は、ボーダー創設メンバーの1人、天夜も創設メンバーだから、よく知ってた。おまえの親父さんのライバルでもあり、そして、迅の師匠…だった。」

 

「(だった…?)」

 

 

 

「この迅の黒トリガーが、最上さんだ。」

 

「…!?」

 

「じゃあその人は…。」

 

「最上さんは五年前に、黒トリガーを残して死んだ。」

 

「…そうか…。このトリガーが…。」

 

「最上さんが生きてたら、きっと本部からおまえのことを庇っただろう。おれは新人のころ、空閑さんに世話になった恩もある。その恩を返したい。天夜は自由にやれるから、個人的に良くはしてくれてると思うが、俺は俺の手の届く範囲じゃないと庇えねぇ。…どうだ?玉狛支部に入んないか?」

 

「…それは…。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「空閑にとってもいい話だと思ったのに…。どうして断ったんだろう…。」

 

「いろいろあんだよ。アイツにも。」

 

「神島さん…。」

 

「大方話は読めた。レプリカ先生…。アイツは、もう…、」

 

「…ああ…、」

 

 

 

 

「悪いね。迅さん。せっかく誘ってくれたのに。」

 

「別にいいさ。決めるのは本人だ。おまえが後悔しないようにやればいい。」

 

「…そうだ。それよりも、おまえの話、聞かせてくれよ。」

 

「今までの、おまえと親父さんの話。」

 

「カミジマは分かってるようだが…、オサムにも話しておこうと思う。」

 

「…?」

 

「ユーマが、こちらの世界に来た理由を。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

遊真がこっちに来た理由…、ざっくり言うと、こうだ。

 

 

四年ほど前、遊真とその親父さんは、近界民の戦争に参加していた。

 

だが、遊真は敵にやられ、瀕死だった。

 

その時、親父さんは、遊真を助けるため、黒トリガーを作った。

死にゆく遊真の肉体を、トリガーの内部に封印。新しい身体をトリオンで作り、遊真は命をつなぎとめた。

 

すべての力を使いきった親父さんは、遊真の目の前で、死んだ。

 

その時、黒トリガーと共に、遊真は親父さんの「嘘を見抜く」というサイド・エフェクトを受け継いだ。

 

そこから3年、親父さんの代わりに戦い続け、強くなった。

 

戦争は終結し、味方の勝利に終わったが、達成感はなかった。

その時、レプリカ先生が提案した。

親父さんの友人がいる、この世界に行ってみないか…と。

 

 

遊真の身体は、今も僅かずつだが、死へ向かっている。

レプリカ先生の目的は、こっちの世界に来て、遊真の身体を元に戻すことだった。

 

だが、遊真は違う。

親父さんが全てを注ぎ込んだ黒トリガーから、親父さんを蘇らせることができないかと考えていた。

 

でも、さっきの宗一さんの件で、ボーダーでも不可能だということが分かってしまった。

 

 

おれはさっき、言いかけた言葉…。それはやはり、的中していた。

 

 

「遊真にはもう、生きる上での目的はない。」

 

 

 

 

「おまえ、これからどうするつもりだ?」

 

「そうだな。こっちだと近界民は肩身が狭いし…、親父の故郷だけど、おれがいるところじゃないな。」

 

「おれは、むこうの世界に帰るよ。」

 

 

 

「願わくば、オサム。ユーマに目的を与えてやってほしい。ユーマには、それが必要だ。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おれがこっちに来た理由はもうなくなった。これ以上いても、ゴタゴタするだけだからな。…けど、この何日かは面白かったな。久々に楽しかった。」

 

「…そうか。これからもきっと、楽しいことはたくさんあるさ。おまえの人生には。」

 

 

 

「(空閑に目的を与える…?ぼくに、そんなことができるのか?)」

 

「…修。おれからもお願いするぜ。遊真に、目的を与えてやってくれ。」

 

「でも…、ぼくに、出来ますかね?」

 

「…おまえならできる。…()()()()()()()()。」

 

「…!」

 

「修くん。天夜さん。ちょっといいかな?」

 

 

 

「ボーダーに入りたい…!?おまえが…!?」

 

「…うん。」

 

「防衛隊員になるってことか!?危険だぞ!」

 

「うん…。」

 

「いや~ごめんね。てっきり千佳ちゃんも迅さんがスカウトしたのかと思って、あれこれしゃべってたら千佳ちゃん食いついちゃった。アタシ的には大歓迎なんだけど、一応修くんにも報告しとこうと思って。あと、天夜さんからも何か聞いた方がいいかなってサイド・エフェクトが。」

 

「…お前、ある意味俺よりすごいサイド・エフェクトだわ。」

 

「それほどでも♪」

 

 

「…千佳、おまえ。ボーダーに入ってどうする気だ?」

 

「…いろいろ考えたけど、やっぱりわたし、兄さんたちを捜しに行きたい。他の人に任せるだけじゃなく、自分でも捜しに行きたいの。」

 

「じっとしてられない。ちょっとでも可能性があるなら…。」

 

「いいんじゃねぇの?」

 

「神島さん…!」

 

「千佳。おまえが入りたいっていうなら止めねぇ。でも、守ってやる。でも、自分でも守るんだ。()()()()()()()。」

 

 

「…はい!」

 

「…言い返事だな。修。もうこの子は言っても聴かねぇぞ。…さぁ、どうする?」

 

「…!千佳。ちょっと相談がある。」

 

 

 

「ふーっ…。頼むぜ、修。あ、宇佐美。」

 

「ハイハイ。どしたの?」

 

「ちょっとトリガー弄るからよ。手伝ってくれ。」

 

 

 

「空閑。」

 

「おーオサム。どうした?」

 

「…千佳が、ボーダーに入るって言ってる。」

 

「ほう?」

 

「近界民にさらわれた、兄さんと友達を捜しに行きたいんだそうだ。」

 

「あーなるほど。オサムはどうすんの?」

 

「止めようかと思ったけど、止めても聞きそうになかったから、手伝うことにした。ぼくは千佳とチームを組んで、玉狛支部からA級を目指す。」

 

「おー。面白そうだな。」

 

「おまえも一緒にやんないか?」

 

「…!」

 

「おまえに嘘ついても仕方ないから言うけど、親父さんの話、おまえがこっちに来た理由。全部聞いた。」

 

「うん。…残念ながら、ムダ足だったけどね。」

 

「おれはもう、こっちでやることはなくなった。」

 

「…だったら、おまえの力を貸してくれ。千佳が兄さんたちを捜しに行けるように。今のぼくと千佳だけじゃ、A級まで上がるのは難しい。実力のあるリーダーが必要なんだ。」

 

「ふむ…。オサムは相変わらず面倒見の鬼だな。相手がチカだからとはいえ…。」

 

「なっ…!」

 

「いや、オサムは誰が相手でもそうか。そしてたまに死にかける。」

 

「ぐっ…。」

 

「…、親父がおれを助けて死んだとき、親父は笑ってた。その理由がおれには分かんなかった。なんであの時笑ってたのか、それを親父に、聞いてみたかった。」

 

「…。」

 

「けど、そのへんちょっとオサムは似てる気がする。…、オサムはなんで死にかけても人を助けるんだ?」

 

「…ぼくはただ、自分がそうするべきと思ったことから、一度でも逃げたら、きっと、本当に戦わなきゃいけない時にも逃げるようになる。…自分がそういう人間だって知ってるんだ。」

 

「だからぼくは人のためにやってるわけじゃない。自分のためにやってるんだ。」

 

「なるほど。カタブツのオサムっぽいな。…さて、」

 

 

「じゃあおれも手伝うか。」

 

「…!」

 

「ほっとくと、オサムとチカがすぐ死にそうだからな。あと、チームを組むのが楽しそうでもある。そして、カミジマさんとも一回でいいから戦ってみたい。」

 

「空閑…!」

 

 

 

 

ガチャッ

 

「修くん。遊真くん。」

 

「オサムに誘われたからいっしょにやる。ヒマだし。」

 

「ありがとう…!」

 

「…ただし、リーダーはオサムだ。」

 

「…!?」

 

「そうじゃなきゃチームは組まん。」

 

「な、なんでぼくがリーダーになるんだ!?」

 

「おれが、そうするべきだと思ってるからだ。」

 

「…!」

 

「わたしも、リーダーは修くんがいいと思う。」

 

「決まりだな。じゃあさっそく林藤さんのとこ行くか。さっき断ったばっかだからなんか恥ずかしいな。」

 

 

 

「おう。遅かったな。3人分の入隊・転属用の書類だ。」

 

「…!?」

 

「迅さん…。この未来が見えてたの?」

 

「言っただろ?楽しいことはたくさんあるって。」

 

「…よし。正式な入隊はまだ先だが、支部長として、ボーダー玉狛支部への参加を歓迎する。」

 

 

「たった今からおまえたちはチームだ。このチームでA級。そして、遠征部隊選抜を目指す!」

 

 

 

 

 

 

「さーて。どうなるかね。見えねぇのか?迅。」

 

「神島さん…。まだ不確かな要素が多いからね。分からないですよ。」

 

「そっか。…んで、いつ来るんだ?合同チーム。」

 

「…遠征から帰ってきて、すぐっすね。おれならそうする。」

 

「…タチウオもそうするよな…。遊真のトリガーの性能的に、早めに捕獲しようと考えるな。」

 

「…それで、神島さん。…いや、天夜さん。そのチーム。たぶん、遠征チームと三輪隊、それに二宮さんもくる。」

 

「ああ…、分かってるって。おれも行くよ。そのために、宇佐美にトリガー調整してもらったんだから。」

 

「…ありがとうございます。二宮さんがいなかったら、俺と嵐山隊だけで対応できるんですけどね…。ちなみに、なんでかって聞いても?」

 

「あー…。まぁ3つある。」

 

「3つ?」

 

「1つ目は、遊真が生きる目的を、こんなところで潰させたくねぇ。アイツは共に生きる仲間、これから立ちはだかる壁、すなわち、刺激ってもんを手に入れようとしてんだ。それを邪魔されたくねぇ。2つ目は、おまえを手伝ってやろう。たまにはかわいい後輩を助けてやらんといかんなってことで。最後は…、まぁ分かってると思うけど、」

 

「…あぁー。なるほど笑」

 

「笑ってんじゃねぇよ。…。」

 

 

 

 

「…面白そうだからな。」

 

 

 

To be contened

 

 

 




はい、以上です。

あの…、物語が全然進んでないんですけど(自問自答)


うっせぇわ(Ado)

それではまた次回。
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