ありふれるはずのないホムンクルスが世界最強   作:オーシャンビューバー太郎

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急がなきゃ…


9話 奈落に落ちた少年はやがて死神になる 2

水滴が頬に当たり口の中に流れ込む感触に、ハジメは意識が徐々に覚醒していくのを感じた。そのことを不思議に思いながらゆっくりと目を開く。

 

 

(……生きてる? ……助かったの?)

 

「君が生きているのはそこの水溜まりにある“神水”と呼ばれる秘薬級の物を君が摂取したからだ…良かった。生きてて本当に…良かった。」

 

「だっ、誰‼️」

 

フードをしていて分からないが、その声は少し冷めきった、けれどどこか寂しそうな声だった。少なくとも、ハジメが生きてたことを喜んでくれているようだ。

 

「僕は…そうだな。たいした名前は無いからね。無銘と、名乗っておくよ。それにしても…」

 

「抑止力の守護者として呼ばれたにも関わらず、魔力の供給が切断されるとはね。」

 

「え…?」

 

 

「ああ今の事は気にしなくていい。そして君に聞くことがある。」

 

「な、何でしょうか?」

 

「こんな奈落の底、地獄のような世界、生還の確率は絶望的。それでも君は、生きたいか?」

 

(そんなの…決まっている。僕は、いや、)

 

この状況は分からない。この人物が何者かも分からない。もしかしたら自分を殺すかもしれない。けど…

 

()は生きたい。生きて見せる!それを邪魔する奴は全員ブッ殺す!」

 

そんなハジメの答えを聞いた彼は…

 

 

 

 

 

「ああ…安心した…」

 

と、まるで自分が救われたかのような表情をしていた…気がする。

 

「は?」

 

と言うとすぐに仕事人のような雰囲気を取り戻し、

 

「取引をしよう。君はこの奈落の底から生還したい。そう言ったね。」

 

と聞かれ力強く頷く。

 

「よし、では君にこの地獄から出る為の、力をやる。だがタダでやるわけにはいかない。僕も聖人ではない。だから試練だ。」

 

「試練?」

 

 

 

「ああ安心してほしい。試練といっても、これから君の知恵を見るだけだ。君がこの状況を超えるのに、どこまで狡猾になれるか、確実に壁を越えるかだ。…まぁ最低限の力もつけてもらうがな。…覚悟はいいな?」

 

「……ああ、やってやろうじゃねぇか‼️」

 

此処に、異様な師弟が生まれた。

 

そしてハジメは…

 

決意をした日から飢餓感も幻肢痛もねじ伏せて、神水を飲みながら生きながらえ、魔力が尽きないのをいいことに錬成の鍛錬をひたすら繰り返した。

 

 

 

 より早く、より正確に、より広範囲を。今のまま外に出てもあっさり死ぬのがオチである。神結晶のある部屋を拠点に鍛錬を積み、少しでも武器を磨かなければならない。その武器は当然、錬成だ。

 

 

 

 ねじ伏せたと言っても耐えられるというだけで苦痛は襲ってくる。しかし、飢餓感と幻肢痛は、むしろ追い立てるようにハジメに極限の集中力をもたらした。

 

 

 

 その結果、今までの数倍の速さでより正確に、三メートル弱の範囲を錬成できるようになった。もっとも、土属性魔法のような直接的な攻撃力は相変わらず皆無だったが。

 

 

 

 そして、神水を小さく加工した石の容器に詰め、錬成を利用しながら迷宮を進み、標的を探した。

 

 

 

 そうして見つけたのが四頭の二尾狼だ。そいつらをドリルのようなもので突破し、食料を確保。そしてそれを食べると…

 

「アガァァァァ‼️」

 

そんな絶叫と共に、神水によって死ぬことができず、苦しみ続けるが、その内に体に変化が現れた。髪は白くなり、服の下から赤黒い線が何本か走った姿へと変貌した。そして強化されたステータス。果てには見つけた鉱石とハジメの最大の武器である錬成を利用し、銃である“ドンナー”を作った。これには無銘も感心したようで、遂には丸一日掛けられた銃の講義により更に質が良くなり、そして最終試練である、爪熊を瀕死に成りながらも打倒した。

 

達成感に地面に背を預けていると、パチパチと拍手が聞こえてきた。

 

「上出来だ。僕の思った以上だ。では約束通り、君に報酬をやろう。そのまま倒れていろ。」

 

と言われるがままにそのままになっていると、

 

「告げる。我が霊核は少年に譲り渡される。」

 

その言葉により、風が起こる。そして隠されていた顔が現れた。それは、朽ち果てた白髪に、目はとうの昔に死んでいると言わんばかりの腐り果てており、褐色の風貌だった。

 

更に光が巻き起こり、男の手に心臓の様な物が現れる。そしてそれをハジメの胸にその心臓を重ねられ、幾つものの詠唱が唱えられた。そして消えかかっている男は最後に、

 

「これで僕も君が死ぬまで解放され君は君の望むままに生きれるだろう。完全な等価交換だ。頑張れよ、南雲ハジメ。僕の得られなかったものを味わえ。後悔の無いように生きろ。」

 

ハジメの意識は心臓と言う霊核からの多大な情報量により、気絶した。最後、男の記憶だろうか?気を失う直前、言葉を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケリィはさ、どんな大人になりたいの?」

 

 

 

 

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:35

 

天職:錬成師

 

筋力:800

 

体力:3500

 

耐性:800

 

敏捷:5500

 

魔力:1000

 

魔耐:800

 

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・気配感知・気配遮断・単独行動・固有時制御(タイムアルター)・抑止の力(+時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ))(+神秘轢断(ファンタズム・パニッシュメント))(+■■■■■■)・言語理解

 

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因みにこの後はだいたい原作通りに進みます。樹海にも行きますし、残念ウサギとも会いますし、中二病ウサギの集団に心を殺されます。唯一違うとすれば、彼の戦い方に、固有時制御が追加されたりするくらいです。何故でしょうね~?(すっとぼけ)
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