今回からようやく話が進んでいきます!
まずは最初の妖怪退治:若骨丸をどうぞ!
時代樹の元を通って来た俺たちは楓婆さんや退治屋の人達の世話になっている。こちらの事情もある程度は分かっている人達なので何かと助かっている。
退治屋なら夢の胡蝶について何か分かるんじゃないかと、退治屋の琥珀さんに頼んで調べてもらっていた。
「それで夢の胡蝶について何か分かりましたか?」
「どうやら妖ではなさそうだな。」
「式神の類ですか?」
「かもしれないな、この本によるとむすび山に生息していると書いてあるな。」
「むすび山だね、行ってみよう龍牙、せつな。」
「お頭、私に依頼は来ていませんか?」
とわは今すぐに探しに行きたいようだが、せつなは「虫取りなら1人でやれ」と言い放った。
「夢の胡蝶を捕まえなくていいのか?」
「眠れなくても問題は無い、むしろ戦国の世を生きるのなら好都合だ。」
「そうじゃなくて記憶の話だ、昔の記憶がないのも嫌だろ?」
「……問題無い。」
気丈に振舞ってはいるがやはり強がっている様にも見える。眠れないのも記憶が無いのも辛い事なのには違いないのだから。
その後、俺達は依頼の内容を被害にあってる村の人達に聞くことになった。
「うわぁ!何これ…?」
そこで見たのは骨だけを体から抜き取られた死体だった。
「骨だけが抜き取られてる?」
「骨を食う妖怪もいるからな、そういった妖怪の仕業という可能性もあるが…」
「こいつでもうかれこれ10人目だ!」
「犯人は見目麗しい美少年らしいが…」
「退治屋さん何とかお願いいたします!」
村の人達はひどく怯えている。そりゃ自分たちの暮らす村の近くでこんな不気味な死体があったら気が気じゃないだろうな。
「叔父上、何故俺では駄目なんだ?」
琥珀さんの甥で巨大なブーメランのようなを持つ少年翡翠が自分が依頼を受けれない理由を聞いていた。
「お前の問題ではなく、飛来骨が問題なのだ。以前姉上が骨喰妖怪を退治した時妖怪の骨で出来た飛来骨も喰われそうになったらしい」
なるほど、今回も恐らく骨に関係する妖怪がでるのは確定だろう、だから相性の悪い飛来骨を使う翡翠は今回の依頼に呼べないか。
「じゃあ俺も行きますよ」
「おぉ!手伝ってくれるのか!」
話を聞いていた俺は琥珀さんにそう言う。
「まぁ、二人だけに任せるのは少し心配ですから」
俺の後ろで言い争いをしているとわとせつなを見ながら答える。そんな二人を苦笑しながら、琥珀さんは「二人を頼む」と雲母を預けてきた。
肩に登ってきた雲母を撫でると心地良さそうな表情をしていた。
日も落ち夜も深い中、俺達三人は妖怪が出ると言っていた橋にいた。
長いこと待っていたからか、とわがあくびをした。
「退屈か?」
そのあくびを聞いていたせつながとわに言う。
「そんなことないよ!少し眠気が…」
慌てたようにそう返すがせつなに「眠気?」と言われると申し訳無さそうに顔を俯かせて謝る、その直後に今度はせつなに「いちいち詫びるな!」と怒鳴られて落ち込んでしまう。
「そんなに怒るなよ、せつな」
「煩わしいだけだ、怒ってなどいない」
落ち込むとわの頭を撫でながら不機嫌なせつなを宥める、これはこの先苦労しそうだなと苦笑いが出る。
そんな会話をしているうちに橋の方で赤い光と人の姿が見えた。
「村の人達が言ってたのはあいつか」
「あの骨の牛車を見ろ、骨が積んである、あれで間違いないだろう」
物陰に隠れながら様子を見ていると、その少年の前に野生の犬たちが現れた。
犬たちは、腹を空かしているのか次々と襲いかかるが、その少年は扇子をかざすと一匹また一匹と骨を抜き取っていく。
最後の一匹の骨を抜き取った瞬間、せつなが物陰から飛び出し不意打ちを仕掛ける。
せつなが放った燕は少年が羽織っていた着物を貫いたが、肝心の少年は居なくなっていた。
「逃げられたか」
「良かった〜、あんな可愛い子を殺したら可愛そうだよ」
とわがそう言うと「まだそんな事を言っているのか」とせつなが呟いた。
二人の会話を聞きながら辺りを見回していた俺は橋に赤く光る物があるのに気づく。
「2人共これ!」
俺は奥に続いている赤く光る骨の欠片を指差しながら二人に言った。
「これを辿れば奴の寝蔵につくな」
せつなはそう言うと骨の欠片を辿って走って行った。
「あっ!待ってよせつな!ほら龍牙行こう!」
とわは俺の腕を掴みせつなを追いかける。
初めての妖怪退治がこれで大丈夫なのかと心配になるが、せつなを追いかけて俺も走るのだった。
話を詰めるのが下手で長くなりそうなので、数話に分けて投稿しようと思います!
感想、アドバイス、誤字の報告お願いします!
それでは次回『妖怪退治:若骨丸その弐』お楽しみに!