しいたけは可愛い   作:ぽぽろ

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こんな意味のわからんものに続きの要望があったので!!!
シイタケチャンカワイイヤッター


三匹目

私はしいたけ。

この高海家に飼われている犬。

犬は良い。ただのんびりと過ごしているだけで何もすることが無い。

何しても可愛い可愛いと言われ、何もしなくてもご飯が出てくる。

私はとてもご主人様に可愛がられている。

毎日が幸せだ。

 

そんな私に一つだけ悩み事がある。それはご主人様の恋路についてだ。

私のご主人様、高海千歌はある人をとても想いになっていらっしゃる。

とても分かりやすい程に。

今日も庭でヒラヒラと舞う蝶と戯れているとご主人様が溜息をつきながらこちらに来た。

 

「しいたけ……千歌、どうしたらいいと思う?どうしたらゆーくんに振り向いて貰えると思う?私の事好きな筈なんだけどなぁ…きっと……そうだと……いいなぁ……」

「わう」

「そう?しいたけもそう思うよね!」

 

私は、『貴方の想い人は貴方では無くて私、というか犬に夢中です』と伝えたはずなのだが、勝手な解釈でねじ曲げられてしまったが、ご主人様が笑顔になったのでいいとしよう。

 

そう、ご主人様、高海千歌様の想い人は悠さん。

彼女も彼女なりにアプローチは掛けているし、マグマのように煮えたぎったお湯くらいとてもとても熱い視線は向けているハズだが、ひらりと躱されている。

彼は、無類の犬好きらしく毎日家に赴いては、私とコミュニケーションをとる。

ご主人様は、自分に逢いに来ている為とお思いになっていらっしゃる。

 

ご主人様の一番上のお姉様は彼にご主人様の家を継いで欲しいと婿に来て欲しいとお思いになっている。

だから必死にあの手この手で繋ぎ止めようと、ご主人様に対して恋愛感情を芽生えさせようとしていらっしゃる。

でも、旦那様(予定)は気づいていないのか躱している。躱して私に求婚をしている。

それ程彼は私の事が大好きらしい。

そこまで好きになってくれるのは女冥利というか犬冥利に尽きる。

 

「やっば……しいたけやっば。やばい超かわいい。世界中の可愛いを集めてもまだ足りないくらい可愛い。結婚して欲しいくらい可愛い。うーん!やっぱり毛がもふもふで気持ちいいな」

「わう……わう…わふぅ………」

 

そんな私は彼を好ましく思っているが、私の弱い部分を何故知っているのか、何故そこを必要なまでに撫でるのか。

とても気持ちが良いが程々にして欲しい。

そのスキンシップをご主人様にして欲しい。

なので

 

「グルるるぅ………わん!」

 

と一度私が威嚇するかのように吠えたのだが彼は

 

「しいたけ、お前は可愛いだけでなくかっこいいも習得していたのか!これ以上僕を惚れさせてどうするんだ!」

 

と地面で縦横無尽に転がりながら悶え、ご主人様の一番上のお姉様が軽く引いていた。

 

しかし、恋という物は中々一筋縄ではいかないものでご主人様にはライバルがいらっしゃる。

 

「しいたけちゃん、おやつ持ってきたよ。食べる?」

 

渡辺曜、ご主人様の幼馴染である。

ご主人様から彼を引き離し、自分が彼の妻の座に着こうとしている極悪非道の幼馴染様。

彼女とは色々思い出はあるのだが、ご主人様の幸せを願う、一、飼い犬としては許されない。おやつでは釣られないのだ。

あ、でも結構美味しそう……こ、これは、私の好きなジャーキーではないか!

 

私は激怒した。かの邪智暴虐な幼馴染、渡辺曜に彼は取れれる訳にはいかないと決意した。

 

「もしさ、私が誰とは言わないけど二人で暮らすようになったら犬を飼いたいと思ってるんだよね。あ、勿論雄だよ。しいたけちゃんは女の子だもんね。いや、別に何でもないんだよ」

 

舐められては困る。私はもう二匹子犬を出産している所謂犬妻。夫は誰か知らないけれど浮気は出来ないのだ

彼女は私の頭を優しく、しかし強い思いを込めながら撫でていた。

 

多分、彼女には彼は犬好きというのが多少なりとも伝わっていて、犬で釣ろうとしているのではないか?

それはダメだ。彼には私だけを、そしてご主人様だけを見てもらわなくてはならない。

全てはご主人様のために、御恩に報いるために

 

そして、もう1人、桜内梨子というご友人がいらっしゃるが彼女は彼とはただの友達と思っているようで、なので私のお気に入りの人でもある。

しかし、彼女は犬が苦手なようで彼が行っている犬克服講座も悲鳴をあげて無理やり参加していらっしゃる。

そこまで避けられるのは少し心にくる物がある。

 

「しいたけ……絶対お前の魅力は梨子にも伝えてみせるからな。お前は超可愛いんだ」

 

出来ればその熱意をご主人様に向けて欲しい

 

ご主人様の恋路は前途多難である。

ならば、この不肖、高海家飼い犬しいたけめが日頃の御恩に報いるべく、ご主人様の恋路をサポートいたしましょう。

 

***

 

まず、手始めにご主人様が着替えているところに彼を入れて既成事実とやらを作ろうと思った。

人間というのは、既成事実というのがあると結婚し夫婦とならなければいけないと、この"にんげんのきもち"3月号に書いてあった。

 

「わん!」

 

行け!と部屋に向けてひと吠えした。

 

「ん?そっちは千歌が着替えているところ部屋だぞ?ご主人様が恋しいか?でも今は僕と遊んで欲しいな!ほら、しいたけが好きそうなおもちゃ持ってきたぞ~」

 

結果はおもちゃに負けた

 

「わん!!!」

 

ご主人様……頑張って幸福をその手に掴み取ってください!

 

 

高海家飼い犬、しいたけの戦いはまだ続く………

 

「待ってしいたけ、今の吠え方超かっこよかった!!もう一回吠えて!今録音するから!朝の目覚ましにするから!!!お願いもう一回だけ!!!!」




しいたけちゃんには、賢くいて欲しいし、策士であって欲しいし、忠犬であって欲しいし、でも可愛くあって欲しいし、少し間抜けな所もあって欲しい、そんな色々なしいたけちゃんへの要望が溢れた結果キャラが行方不明になった
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