転生ハドラーは魔王軍を辞めたい   作:友親 太一

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何番煎じか分からないダイ大の転生ものです。


第一話 転生ハドラーは魔王軍に就職しました

「起きよ」

 

 ……うぅん……

 

「起きよ、ハドラー」

 

 ……うるさいなぁ……

 

「早く起きるのだ、ハドラー!!」

 

 ……今日は休みなんだからもう少し寝かせてよぅ……

 

「……あと5分だけぇzZ」

 

 ブチッッ!!! 

 

 ……何か切れた音がしたような? 

 

「闘魔最終掌ぉぉぉッッッ!!!」

 

「ぬわーーッッ!!??」

 

 ▼▼▼

 

 おー痛かった、さっきのは人生最悪のモーニングコールだったわ、転生してまだ5分だけど。

 えー改めまして、何故かダイの大冒険のハドラーに転生した元サラリーマンです、自分で言ってる事が意味分からんな。

 確か俺は残業終わって家帰ってそのまま爆睡したんだが、何故か起きたら漫画の世界に居てその登場人物になってた、本当に意味が分からん。

 

「……ハドラーよ、聞いてるのか?」

 

「ヘイヘイ、聞いてますよ〜」

 

 んで俺の前を歩いてるのはさっきの最悪モーニングコールかましてくれた張本人、無口キャラなのに参謀(笑)なミストバーン、まぁ直ぐに暗黒闘気で回復してくれたが。

 

「……大体だな貴様はだらけ過ぎてる。大魔王様に呼ばれたと言うのにそれを無視して寝てるなど……」

 

 そしてミストバーンはさっきから俺にグチグチと説教しまくってる。

 つかよ、ミストバーンって無口キャラじゃ無かったのかよ? 

 

 にしてもダイの大冒険かぁ、子供の頃は大好きで毎週ジャンプを楽しみにしてたっけ。

 だがよりもよってハドラーに転生かよ。

 どうせならダイかポップに転生したかったなぁ、それかヒュンケル、何なら女子だけどレオナやマァムでもまだマシだった。

 そりゃハドラーも好きなキャラだよ? 特に超魔生物になった後はムチャクチャカッコいいし。

 だかなぁ、自分がなるのははっきり言って勘弁して欲しい。

 大魔王バーンに爆弾(黒のコア)埋め込まれるはわぁ、あまつさえそのバーンによって爆死されそうになるわぁ、裏切り者としてバーンに切り捨てられるわぁ、最後は灰になって消えるわぁ、本当に嫌になる。

 ……何かハドラーの悲惨な理由の大半がバーンのような気がする。

 

 正直言えば今すぐにでも逃げ出したいが腹ん中に爆弾があるかも知れない状態ではそれも出来ん。

 逃げるにしても爆弾が無いのを確認するか取り除くかしてからじゃないと。

 つまり当分はバーンの下で働くしか無いんだよなぁ。

 

 そんな感じで無駄に長いミストバーンの説教を聞き流しながら、無駄な思想しながら無駄に長いバーンパレスの通路をひたすら歩くとこれまた無駄にデカイ門にたどり着いた。

 ここが大魔王の間か。

 

「……ハドラーよ、何度も言うようだが」

 

「わーった、わーった、大魔王様の前ではちゃんとしてますよ〜」

 

 ▼▼▼

 

 んで場面はかわりバーンの前にて頭を垂れる俺とミストバーン。

 

「くるしゅうない、面をあげよ」

 

 言われたとおり顔を上げると長い髭のおじいさんこと大魔王バーン(真ではない)がいた。

 いやはや流石大魔王、オーラが半端ねえわ。

 でも爆弾埋め込まれてる(かもしれない)張本人からしたら素直に従う気になれん。

 つか原作なら途中まで謎の影(笑)状態だったのにいきなり顔見せちゃってるがいいの? 

 

「ほぉハドラーよ、余を見ても驚かんのだな?」

 

 ええ、知ってましたし。

 と、そんな事を言ったら「なんで知ってるんだ?」って言われるのが目に見えてるから言わんけど。

 

「そんな事はありません。その放たれるオーラ、溢れんばかりのカリスマ性にこのハドラー驚愕しております。そしてそんな偉大な大魔王様に仕えられる事をとても光栄に思います」

 

 これぞ社会人奥義、とりあえず相手は褒めちぎる。

 伊達に前世で嫌な上司と何年も付き合っとらんわ、たとえ部下に爆弾仕込むような超パワハラ上司でも笑いながら褒めるぐらいお手のもんよ。

 こころなしか隣りにいるミストバーンもバーンを褒めたから嬉しそうにしてるしこれで何とかなるだろ。

 

「クククッ、中々面白い」

 

 何故笑われたし、今の俺のセリフに笑いどころ何かなかったろ。

 

「いや気にするなハドラーよ。さて早速そなたに命じる」

 

「は、なんなりと」

 

 どうせ新しい魔王軍作るから司令官やれっていうんでしょ? 

 

「余は最強の軍が欲しい、未来永劫称えられるようなそんな軍がな」

 

 それアタリ、原作通りやね。

 

「お前が作れ」

 

「はい……はいぃぃっ!?」

 

 ちょっと待て! 

 

「聞こえなかったか? ハドラー、お主が新たな魔王軍を作れと命じたのだ」

 

「わ、私がゼロから作るので?」

 

「そうだ」

 

「一人で?」

 

「そうだ、と言いたいがそれでは流石に可哀想だから隣りにいるミストバーンに手伝わせる」

 

 それでも結局二人だよね? 

 

「本気ですか?」

 

「本気だ」

 

 あ、バーンの目がマジだわ。

 嫌だと言いたい、無理だと言いたい、がそんな事を言ったら間違いなく処刑される。

 俺は泣く泣くイヤイヤ承諾した、つか承諾するしかない。

 

「……謹んでお受けします」

 

 そう言うとバーンの顔は分かりやすくニヤついてた、コノヤロめ俺のリアクション見て楽しんでるな。

 こうして俺は魔王軍を自分で作らなくてはならなくなった。

 そしてもう一つの決意も固めた。

 

 早くこんな魔王軍(ブラック企業)を辞めてやる、と。

 

 ▼▼▼

 

 オ・マ・ケ

 

 ハドラー退出後のバーンとミストバーン

 

「クククッ、ハドラーは中々愉快な顔になったものよの」

 

「……(それは貴方が無茶振りするからでしょ)」

 

「にしてもハドラーがアソコまで肝が座っておるとは、余はあやつの事を少々見くびっていたのしれん」

 

「それは私も思いました、もう少し小物だと思ってましたがバーン様を前にしても動じない姿勢には尊敬の念すら湧きます」

 

「クククッ、本当にそうだ。あの顔を見れただけでもわざわざ呼び出したかいがあるというもの。余もついあの態度を崩したくなるくらいにな」

 

「……(いやだからってゼロから魔王軍作れはないでしょ、ハドラーがショックで(●__●)って顔になってましたよ)」

 

「何だミストバーンよ、何か言いたいのか?」

 

「……いえ、ただ本当にハドラーに全て任しても良かったのかと思いまして」

 

「所詮は軍など余の暇つぶし。失敗したところでミストバーン、お主一人で地上を制圧すれは済む話よ」

 

「……(いや確かに私一人でもやろうと思えば出来ますがかなりの重労働ですよ? いや命令されたらやりますが出来たら勘弁して頂きたい)」

 

「それに……」

 

「それに?」

 

「例え失敗してもその時のハドラーの反応を楽しめればそれだけでも価値があるというものよ」

 

「……(哀れハドラー、バーン様は完全にハドラーで遊ぶ気でいらっしゃる)」

 

「クククッ、ハドラーよ。しっかりと余を楽しませてくれよ?」

 

「……(流石にハドラーが気の毒だから私がしっかりとサポートしよう。バーン様の無茶振りの辛さは私が嫌ってほど分かってるし)」

 

 

 

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