転生ハドラーは魔王軍を辞めたい   作:友親 太一

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第二話 転生ハドラーはスカウトする

 前回、バーンからゼロから魔王軍作れと言われてしまった転生ハドラーこと俺。

 はぁー、んじゃイヤイヤながら仕事しますか、でも魔王軍作りって何からすればいいんだ? 

 

「んでミッちゃんよ、魔王軍作るのはいいが何から始めればいい?」

 

「オイ、お前は元魔王のクセにそんな事も分からんのか? と言うか私をミッちゃんと呼ぶな!」

 

 魔王やってた時は俺インストールされて無いから記憶無いんだよ。

 

「いいじゃん、いいじゃん、ミストバーンって何か言いにくいし」

 

「良くないわ! 言い難いと言うなら私の事はミストと呼べ! 分かったな!」

 

 ミッちゃんってあだ名、割と良いと思うんだけどダメなんだ。

 

「んじゃミッちゃ……ミスト、何からやれば良い?」

 

「今普通にミッちゃんって言いかけなかったか? まぁいい、とりあえず軍団長から決めたほうがいいだろう。軍団長さえ決めたら各団の兵士集めは団長にやらせれば良い」

 

「なるほどね。あ、そう言えばさぁ……」

 

「なんだ?」

 

「総司令はミストがやらん?」

 

「やらん。と言うかハドラー、バーン様がお前を我が軍に入れたのは魔軍司令にする為だぞ? それを私が司令になってしまったらバーン様のご意向を無視する事になるから絶対に駄目だ」

 

 ダメ元で言って見たがやっぱりダメか。

 魔軍司令にならなければ少しは楽出来ると思ったがそんなに甘くないか。

 こんな事でバーンに睨まれるのは避けたいし。

 

「しゃあない、司令はイヤイヤながら俺はやるよ。んで軍団長は何人集めればいい?」

 

「嫌なのは分かるがワザワザ口に出すな! まぁ六人がいいだろ」

 

「理由を聞いても?」

 

 原作読んだときも思ったが何で六人なんだ? 三人衆とか四天王とかのほうが一般的だと思うんよね。

 あと六人も集めんのシンドそうだし。

 

「理由か。お前も知ってると思うが六芒星と言うのは魔の象徴であり魔の力が増す、それにあやかってだな」

 

 俺はそんな理由知りません、原作ハドラーは知ってるかも知れんが。

 

「つまりゲン担ぎ?」

 

「……ざっくり言えばそうなるな」

 

「なら四人に減らさん?」

 

「減らしたら我らの負担が増すぞ?」

 

「よーし、六人集めるぞ!」

 

「……変わり身が早いな。まぁ私も軍団長はやるから実際には五人だな」

 

 そこらへんは原作通りなのね。

 にしてもバーンが気に入る軍団を作るのか、適当に集めたらアカンよなぁ。

 ここは俺の知識を活かす為にも原作メンバー集めた方がいいか。

 ならば……

 

「ミスト、誰かよさそうな奴を知らん?」

 

「……人間でもいいなら一人。丁度この前、散歩してたら才能ありそうな少年を拾って弟子にした。あの子ならいい長になるだろう」

 

 ヒュンケルの事ね。

 確かミストがヒュンケル拾った頃ってヒュンケルは十歳前後だった筈、と言うことは今は原作開始十年前ぐらいね、思ったほどは時間無いなぁ。

 

「贅沢言わんよ、人間でもなんでも強いならね」

 

「……!?」

 

 そして何故か驚くミスト、俺変な事言ったか? 

 

「……お前は人間を嫌っていたと思ってたんが。あと言い忘れてたがその子は元勇者アバンの弟子だぞ?」

 

 あーなるほど。

 そいや原作ハドラーはそんな感じやったね。

 まぁ今の俺には関係ないが。

 

「構わん構わん、俺は使えるなら誰でも使うよ」

 

 ヒュンケルをハブると原作からズレそうだし。

 

「そうか、なら良いが。なら二軍団の兵士は私が何とかしよう。私が暗黒闘気でコツコツ作れば『しりょうのきし』や『さまようよろい』辺りなら数を揃えられるだろう」

 

「そっちは頼んだ、んじゃ俺は残りの団長集めをしてくるわ」

 

 さぁて先ずは誰から勧誘するかな? 

 

 ▼▼▼

 

 〜クロコダインの場合〜

 

「おーっす、邪魔するわ」

 

「誰だ!? って貴様はハドラー、生きてたのか。敗戦の将がワシに何のようだ?」

 

「まぁまぁ、とりあえず呑まん? 旨い酒を土産にもってきたんだ」

 

「酒か…………まぁ折角来てくれたんだし、ゆっくりしてけ」

 

「(やった、原作知識で酒好きじゃないかと予想したが当たった。俺も酒は好きだし呑みながら勧誘しよう作戦は上手くいきそう)」

 

 ー三時間後ー

 

「ブハハハッ!! ハドラー、お前が持ってきた酒は旨いなぁ!」

 

「ガハハハッ!! お前がくれた鳥の丸焼きも中々旨いぞ、ツマミにピッタリだ。あ、クロコダインよ、ウチで働かん?」

 

「おういいぞ! お前さんも噂と違ってイイヤツだし、何よりお前さんと飲む酒が旨い!」

 

「(よっしゃ、まずは一人ゲット! 呑みにケーションは偉大やね)」

 

 〜ザボエラの場合〜

 

「(ザボエラかぁ。正直勧誘したくなぁ、弱いし卑怯だし裏切るし。だが俺が超魔生物になるには絶対に必要な人物でもあるんだよな)たのもー!」

 

「なんじゃウルサイ。ん、貴様はハドラーとか言う勇者に敗れた魔王じゃないか(笑)」

 

「(イラッ!)今の俺は大魔王バーン様に仕える魔軍司令ハドラーだ(いきなり嫌味かよ、マジこいつ部下にしたくねー)」

 

「(バーン様じゃと!? あの魔界の神の!?)……これは失礼、してその魔軍司令殿がこのワシになんの御用で? (これはチャンスかもしれん、上手いことこの男に取り入れば大魔王とのコネが出来るかも)」

 

「(バーンの名前出した瞬間に露骨に態度変えやがったな、この妖怪ジジィ)実はバーン様の命令で新しく軍を作る事になってな、お前をその軍団長に勧誘しにきた(コイツの性格上絶対に断らんだろうけど)」

 

「(キター!! これは成り上がるチャーンス!)それはそれは有り難い、是非ともそのお話受けましょう(ウシシッ、これでしみったれた生活とおさらば出来る!)」

 

「(即答かよ、ちょっとは悩めよな)そうか、なら準備でき次第でいいから我が城に来てくれ(どうせ俺の事も踏み台にすると考えてるんだろな)」

 

「(この頭の弱そうな奴を踏み台にしていずれはワシがバーン様の右腕に、いやそのバーン様すら出し抜いてワシが大魔王になってやる!)ヒヒヒ、了解しましたじゃ」

 

「おーい親父、客か?」

 

「こらザムザ! 勝手に話に入ってくるな。すいませんハドラー様、こやつはワシの息子でザムザと言います」

 

「構わん。ザムザと言ったか、お前も我が軍で働かないか? (ザムザ、確かコイツが超魔生物の研究をするはず、なら意地でも勧誘しないと)」

 

「へ? オレがですか? (いきなりなんだ?)」

 

「見たところ中々の才能がありそうだ、お前なら俺とバーン様の為に良く仕えてくれると思ってな(と言うかマジで頑張って研究してね)」

 

「は、はい! オ、オレで良ければ! (この人はオレを評価してくれる、親父ですら道具としか見てくれないオレを!)」

 

「うむ、二人ともバーン様にしっかりと尽くすんだぞ(さぁて、残り二人。次は……)」

 

 〜バランの場合〜

 

「しつれ……「貴様はハドラー! 死ねぇぇっ!」イイッ!? ちょっと待て、いきなり斬りつけないでって!!」

 

「黙れ! 貴様が地上侵略なんぞしたせいで妻は……妻は!!」

 

「(わ、忘れてた。そいやバランは旧魔王軍の生き残りと勘違いされて嫁さんと一緒に国から逃げたんだったけ、んで何やかんやあって嫁さんは死んだと、そら恨まれてるよね)ちょちょっと、俺の話を聞いてくれ!」

 

「問答無用! 貴様みたいな蛆虫、この場で切り捨てくれる! ギガブレイク!!」

 

「ヒエッ、ちょっと待てー!! (こんなん勧誘とか話し合い以前やないかい!! 兎に角逃げるぞ!!)」

 

 ーそのまま命懸けの鬼ごっこする事、二百時間ー

 

「ゼェゼェ、こ、この私からこれだけ逃げ続けたのは貴様が初めてだ、ゼェゼェ」

 

「ゼェゼェ、そ、そりゃどうも(死ぬ気で逃げたからだよ!)ゼェゼェ」

 

「ゼェゼェ、して貴様は何しに来たんだ? ゼェゼェ」

 

「ゼェゼェ(やっと話を聞く気になったか、ここからが本場だ)それはだな……」

 

 ーバランの説得、三時間ー

 

「まぁ良かろ。私も人間共に復讐する気ではいたし、バーンの計画とやらにも興味はある」

 

「(よっしゃー、バランの勧誘成功!)」

 

「だが貴様等が天地のバランスを崩すような事をしてみろ、その時は竜の騎士として貴様等を斬るからな! よく覚えとけ!」

 

「は、はい(ムチャクチャ疲れた、とりあえず残り一人だ)」

 

 ▼▼▼

 

 さてその残り一人が問題だ、原作では禁呪法生命体のフレイザードなんだが……転生ハドラーである俺は当然だが禁呪法なんぞ知らん。

 原作にも確か禁呪法を使うシーンは無かったからマジでやり方が分からん。

 

 ダメ元のダメ元でロン・ベルクを勧誘したら案の定ダメでした。

 最悪キルバーンにでもやらせ……たく無いなぁ、あれザボエラ以上の卑劣道化師だし。

 ホンマどないしよ。

 

 ▼▼▼

 

 オ・マ・ケ

 

「クククッ、ミストバーンよ、ハドラーは中々やりおるな」

 

「…………えぇまぁ(バーンパレスに帰ってきた時過労死しそうな程疲れてたけど)」

 

「しかもあの竜の騎士を余の配下に入れるとは。いかに余でもあのものを説得するとなると少々苦労はするだろうに」

 

「……(いやちょっとの苦労じゃすみませんよ、ハドラーもそのバランの説得が一番苦労してましたし。バランの必殺技を紙一重で避け続けて逃げ続けるとか私でも無理ですよ)」

 

「クククッ、ハドラーなら最高に愉快な魔王軍を作るだろ。楽しみだのう」

 

「……(あと魔影軍団と不死騎団の兵士作るの手伝って下さい。一人で作るのはかなり時間が掛かるんです、私にはヒュンケルの修行もあるし本当に忙しい)」

 

「ん、ミストバーンよ、何か言いたいのか?」

 

「……いえ、全てはバーン様の御心のままに(言えないし、言っても手伝わないのは分かってますが。私とハドラーが不死身で本当に良かった)」

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