転生ハドラーは魔王軍を辞めたい   作:友親 太一

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第三話 ハドラー3分クッキング

「ぱーぱぱっぱぱーぱ♪ ぱーぱぱっぱぱーぱ♪ 

 愛のある職場を、ハドラーがお送りしますペコ」

 

「……おいハドラー」

 

「皆様こんにちは。季節は春となりましたがまだまだ寒い日もありますね、さてそんな事は関係ありませんが本日のメニューは……」

 

「聞けハドラー!!!」

 

「……って何だよミスト」

 

「何だはこっちのセリフだ! 私を呼びつけたと思ったら意味不明な歌と踊りを見せられたんだぞ! 貴様は一体何がしたいんだ!」

 

「何がって最後の魔団長を作るんだが?」

 

 いやぁ探してみるもんやね、旧魔王軍の拠点漁ってみたら禁呪法のやり方が書いた研究書があったわ。

 どうやら原作ハドラーは見かけによらずに几帳面な性格だったらしく他にも地上侵攻作戦の計画書やら『キラーマシン』の設計図やら色々保管してあったわ、本当に助かる。

 

「……まて、色々とツッコミどころありすぎるから整理する。

 …………よし、まずは作るとは何だ、勧誘するんじゃなかったのか! 

 次、作るのはこの際置いとくしても冒頭の歌と踊りは何なんだ! 

 最後に、何故私を呼び出した!」

 

「色々忙しいやっちゃな。まぁ順に説明しましょ。

 一つ目の回答は勧誘が上手くいかないから禁呪法で作る事にしたのだ。

 二つ目のはぶっちゃけノリとストレス発散。

 三つ目の回答は初めて禁呪法なんぞ使うからそういうの詳しそうなミストに同席して欲しかったのと、一人でボケるのはシンドいからツッコミ役が欲しかったから」

 

「……ノリだとかツッコミ役が欲しいだとかフザけた事をぬかす貴様をシバキ倒したいとこだが禁呪法で軍団長を作るアイディアには賛成だな。今居るメンバーと同等以上の者などそうそう見つかるとは思えん」

 

 これは完全に俺の予想だけど原作ハドラーも色々探したが結局見つからなかったからフレイザードを作ったんじゃないかと思う、もし最初から禁呪法を使う気なら原作開始時点でフレイザードが一歳なのはおかしいと思うんよね。

 

「だろ? つうわけで続けるぞ。

 まず厚底の錬金釜を用意します。ここに砕いた『マグマの石』と『氷の結晶』を入れて適度にまぜます」

 

「……ノリはともかくやってる事はまともだな、手際もいい」

 

「次に『ちからのタネ』『スタミナのタネ』『ラックのタネ』などのタネを『薬草』と一緒に『にじのしずく』で一晩煮込んだものがこちらになります」

 

「……ハドラーよ、まさかこの茶番の為に昨日から準備してたのか?」

 

 ミストはずれ、実際には一週間掛かりました。

 材料集めるの苦労したわ。

 

「これも鍋に入れてひと煮立ちさせます。この時にアクが出るので取り除きます」

 

「……料理してるんじゃないんだからアクとか言うな、不純物といえ」

 

「最後に『まほうのたま』を入れて沸騰させたら出来上がりです」

 

「……ふむ、これで完成だな……『まほうのたま』? ちょっと待てぇぇ!!」 

 

「へ?」

 

「バカ者、そこは『まほうのたま』ではなく、いのちの……」

 

 ミストが言い終わる前に錬金釜がドカーンとバカでかい音を鳴らして爆発した。

 そして俺とミストは衝撃で部屋の壁に打ち付けられた。

 

「あービックリした!」

 

 瓦礫を退けなら起き上がる俺とミスト。

 

「ビックリした、じゃない! 我々が不死身の身体じゃ無かったら下手したら死んでるぞ!」

 

「でも成功したみたいよ?」

 

「んな馬鹿なことが……」

 

「ういっす!」

 

 爆発で起きた煙が晴れると右半分が炎、左半分が氷で出来たモンスターが笑顔で挨拶してきた。

 どうみてもフレイザードですね。

 

「……本当に成功してる」

 

「いやー良かった良かった。あ、俺はハドラー、お前を作ったもんだ。お前の名前はフレイザードな」

 

「フレイザードか、気に入ったぜ。あんたの事はオヤジと呼ぶわ」

 

 随分ノリの軽い奴だな、原作とは大違いだ。

 

「……そうだった、禁呪法で作った生命体は製作者の性格を反映する。つまりハドラーが二人に増えたのと同じになったのか」

 

 そういうと頭を抱えるミスト。

 へ? つまり俺ってこんな軽い感じなの? 

 

「まいっか。んしゃフレイザードよ、氷炎魔団の兵士を頑張って集めてくれよ」

 

「オヤジ、それってどうやるんだ?」

 

「……ミスト、兵士集めってどうやるん?」

 

「この大ボケ親子どもめ!! ええい仕方ない、フレイザードとか言ったな私について来い、今から暗黒闘気で『さまようよろい』を作るから私のやり方を見て覚えろ!」

 

「お願いしまーす!」

 

 そう言いながら部屋を出てくミストとフレイザード。

 何だかんだ言いながら面倒見が良いよなミスト。

 ヒュンケルにも暗黒闘気の使い方教えてるけど案外人に教えるのが好きなんかな? 

 そういえば……

 

「……ひょっとしなくても、この爆発で悲惨なことになった部屋の片付けって俺一人でやるの?」

 

 これ掃除するの何時間掛かるんだろう。

 とりあえずコレから片付けるか。

 

「愛のある職場を、ハドラーがお送りしましたペコ」

 

 やっぱ一人でオチをつけても虚しい……

 

 ▼▼▼

 

 お・ま・け

 

「のぅミストバーンよ、ちと余の出番が少ないと思うんだかな」

 

「……(それはバーン様が私とハドラーに魔王軍作り全部丸投げしたからです、出番が欲しいなら手伝って下さい)そんなことは無いと思います」

 

「まぁよい、ハドラーが作った呪法生命体、確かフレイザードとか言ったな、その者の出来はどうだ?」

 

「……ハドラーの性格を引き継いでるだけあってかなり優秀です、私が少し教えただけで『フレイム』などのモンスターを作れるようになりました」

 

「クククッ、そうか。この分だと魔王軍の完成はもう直ぐになりそうだのぅ」

 

「……(ただ途中から『ばくだんいわ』をこれでもかと言わんばかりに作るようになったのが気掛かりではあるんだが。与えた部屋にいっぱいの『ばくだんいわ』を見た時は私でも引いた、こんな事をバーン様に報告は出来ないが)」

 

「どうしたミストバーン?」

 

「……いえ、全てはバーン様の望むままに(嫌な予感がする)」

 

 

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