転生ハドラーは魔王軍を辞めたい   作:友親 太一

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第五話 ハドラーは引越ししました

 あー酷い目にあったわ。

 結局あれから三時間ほど爆発した部屋の後片付けしてたわ。

 不幸中の幸いロッキーは誘爆しなかったがね。

 ロッキーが「こんな事もあろうかと予め私の魔力は常に空にしてます」と備えていてくれて助かった、マジでロッキー優秀だわ。

 

 にしても折角の休みもあと少しか、だがまだやりたい事はあるぞ! 

 この身体は全く寝なくても問題無い、ついでに『ラリホー』も効かない! 

 ならば夜通し遊ぶぞ! 

 

 〜数時間後〜

 

「……入るぞハドラー……って何だこの部屋は!? デジャヴュか!?」

 

「ようミスト!」

 

 ミストが驚くのも無理は無い、部屋を埋め尽くさんばかりのキラーマシン……のミニチュア模型の山を見たらね、流石にフレイザードがやらかしたばかりだから自重して模型にした俺は賢いよね。

 だが模型とはいえクォリティには一切妥協してないぞ。

 

「……くそ、やはりフレイザードの凝り性はハドラー譲りか」

 

「やっぱそう思う?」

 

 俺もそうじゃないかと思ったんだよね。

 

「……答えの予想はつくが一応聞く、何故キラーマシンなんだ?」

 

「ぶっちゃけるとロボが好きだから」

 

「……予想通り下らない理由だった」

 

 失礼な、聞かれたから答えたのに。

 俺は何を隠そう前世はロボットアニメの大ファンだった。

 なので原作ハドラーが残してくれたキラーマシンの設計図を見たときは鳥肌が立つぐらい興奮したね。

 本当は1/1スケールで作りたいが材料も勿体無いし置く場所も無いから断念した。

 

「……まさかコイツらも『メガンテ』するとかないよな?」

 

 そう言いながら恐る恐るミニチュアキラーマシンをつつくミスト。

 

「キラーマシンが魔法使うかよ、つか全部模型でオモチャだし」

 

「…………なら良いが、しかし無駄に凝ってるな。特にこの黒いキラーマシンとか今にも動きそうだ」

 

「それ動くぞ、腕のボタン押してみ?」

 

「これか……ポチ」

 

 ポフっと軽い音を鳴らしながら飛び出したロケットパンチ、そしてそのロケットパンチが額に当たったミスト。

 

「ぷははは、やーい引っかかったww」

 

ブチッッ!!!

 

「闘魔最終掌ぉぉぉッッッ!!!」

 

「デジャヴューーッッ!!?」

 

 〜ハドラー、暗黒闘気で再生中〜

 

「いってぇ、ちっとは手加減してくれ」

 

「やかましい、貴様が下らんことをするからだ! ちゃんとこうやって暗黒闘気で回復してやってるんだ文句言うな!」

 

「むっちゃ痛かったんだが?」

 

「痛みなど我慢しろ。それに貴様の身体は暗黒闘気で再生させれば、するほど強くなるんだ。良かったな手軽に強くなれて?」

 

「それさっきおちょくった仕返しのつもり!? いや強くなるのは有り難いんだが、俺はどうせなら修行とかして強くなりたい派なんだけど」

 

 あいにく修行なんかしてる暇無いんだけどね。

 でも折角バトルマンガのキャラになったんだから修行して強くなってみたをやりたいよ、ドラゴンボールみたいな度を越した無茶修行は勘弁だけど。

 

「…………そうか、まぁ魔軍司令が弱いままではバーン様に申し訳ない。私から駄目元でバーン様に貴様の業務を減らしてもらえないか掛け合ってみる」

 

「へ、マジ?」

 

 いやそれならマジで助かるわ、やべぇミストが天使に見える。

 実際バランとキルバーン(実はたまーに顔を見せる、見せるだけであのヤロ仕事はまったく手伝わんけどな!)は俺の事をあからさまに見下してるし。

 今の俺だとこの二人には逆立ちしても勝てんから半端諦めて流してたけどね。

 

「お前はよく働いてる、バーン様の無茶振りに答え、魔王軍も当初の予定より早く形になりつつある。これならバーン様もお前を無下に出来まい……後ハドラーがクッキーを作る時間も確保しないとバーン様のご機嫌取りする手段が減るしボソッ」

 

 最後小声だったけど本音出てたぞミスト。

 そっかぁミストも苦労してんだなぁ。

 

「なんか俺等って報われなくない?」

 

「……言うな、私も思うが考えないようにしてるんだから」

 

 魔王軍のブラック企業体質の改善、本気で考えたほうがいいかな? ミストは無敵の体だけど、うつ病にでもならないか心配だし。

 

「取り敢えずそっちは頼んだわ、俺もなんとか時間作れんか自分で考えてみる」

 

「……そうしてくれ」

 

 なんか何とも言えない空気になったから空気を変えるために俺はミストに聞く。

 

「そいや何か俺に用があったんじゃない?」

 

「……アホなことをしてて忘れてた。ハドラーよ、明日引っ越すから準備しといてくれ」

 

「何となく理由が読めるが、ひょっとしんでもフレイザードのせい?」

 

「お前の読み通りだ、昨日みたいな事をまた起こされては堪らん。……私は不死身の体だがバーン様に聞かれた時は生きた心地がしなかったぞ。なので今は使ってないバーン様が所有する居城の一つに引っ越すぞ。バーン様には適当に兵士が増えてバーンパレスでは手狭になったとでも言っとく」

 

 マジかー、でもバーンから離れられるのは精神的にありがたい。

 後、密かに考えてた『俺様円満退職計画』の準備をするにも都合がいい。

 

「了解、準備するよ。他の団長達には言ってあるの?」

 

「……今から言いに行く。一応お前が魔王軍の責任者だから先に話を通しとこうと思って来たからな」

 

 そこはちゃんと上司として扱ってくれるのね、俺のとこにきた時点で既に決定事項だったけど。

 

「んじゃそっちは任した。……さて先ずはミニキラーマシンから荷造りするか」

 

「それは置いていけーーっっ!!」

 

 だが断る、こいつらは意地でも持ってくぞ! 

 

 ▼▼▼

 

 ~ハドラー達、鬼岩城に引っ越す~

 

「ミスト一つ聞いていいか? 鬼岩城って何年前に作った?」

 

「……数百年前だな」

 

「……その後はどうしてた?」

 

「…………完成した時点でバーン様が満足してそのまま放置してた、私もつい先日まで存在そのものを忘れてた」

 

「掃除ぐらいしろよーーっっ!!」

 

 鬼岩城に入って我々を最初に歓迎したのは数百年分のホコリの山でした。

 そして大量のGとそれを餌にしてたネズミとスライムも。

 鬼岩城ってバーンのお気に入りじゃなかったの? バーンは通販でダイエット器具を買ったらそのまま押し入れにしまって忘れるオカンかよ。

 

「こんなんで仕事出来ねぇよ、魔王軍全員で大掃除するぞミスト!」

 

「……異議無し」

 

 まさか鬼岩城で最初に出す命令が全軍上げての大掃除とは思わんかった。

 

 ~クロコダインの場合~

 

「ハドラー、またモップが折れたんだがもっと頑丈なのはないか?」

 

「この馬鹿力! モップ掛けをお前の全力でやるな、それで十本目だぞ。つかクロコダインの馬鹿力に耐えられるモップ何てあるか! 掃除はいいからお前は荷物を運び入れてくれ!」

 

「……了解した(すっごく怒られてしまった)」

 

 ~バランの場合~

 

「なぁハドラーよ、ホウキとはどう使うのだ?」

 

「ちょい待て、まさかバランは掃除したこと無いのか?」

 

「無い!」

 

「言い切ったよ! つかアンタ既婚者でしょ、まさか家事は全部嫁さんにやらせてたんか!?」

 

「失礼な、最初はちゃんと手伝ったぞ。何故か二回目以降は妻から絶対にやるなと言われたが」

 

「(バランの奥さんって確かお姫様だったよな、その奥さんにやるなって言われるレベルって)……もういい、バランもクロコダインと一緒に荷物運びしてくれ!」

 

「……かたじけない(ソアラにもこんな感じで怒られてたな、あぁ懐かしい)」

 

 ~ザボエラ&ザムザの場合~

 

「ザムザ、一つ聞きたいがザボエラはどこいった? (ー。ー#)」

 

「お、オヤジは忘れ物をしたと言って逃げ……いえ、取りに戻りました(汗)」

 

「逃げたのね!? そうなのね!? このクソ忙しい時にあの妖怪じじぃめ、絶対許さんぞ(#`皿´)」

 

「(怖! 今日のハドラー様は荒れてるなぁ)」

 

「……いっそのことサボり魔な妖怪じじぃを降格さして真面目なザムザに団長やらせるか」

 

「(オレを団長に!? ハドラー様はそこまでオレを買って下さっていらっしゃるのか!)ハドラー様、このザムザにお任せを。オヤジがいない分はこのオレが鬼岩城をピカピカに綺麗にして見せます!」

 

「お、おう。頼んだぞ(何かスッゲーやる気だな、何故に? にしてもザボエラはマジで降格させたいな、そんなことしたらバーンかミストに小言貰いそうだから出来んけど。書類仕事は出来るんだしザボエラはいっそのこと秘書官にでもしてしまいたいわ)」

 

 ~フレイザード&ロッキーの場合~

 

「フレイザード、何サボってるんだ?」

 

「別にサボってる訳じゃねーよ、やろうとしたらロッキーに止められて見学してろって言われて、しゃあなく見学してるだけよ」

 

「そうなのロッキー?」

 

「はい、失礼ですがフレイザード様のお身体で掃除されるとホコリに引火して火事になるか、壁が湿気ってカビる危険があると思い進言させて頂きました」

 

「ナイス、ロッキー(・∀・)b」

 

「全然ナイスじゃねーよ、オレが暇すぎて! ちくしょうめ、邪魔ならオレは『ばくだんいわ』でも作って暇潰ししてるよーだ」

 

「「それは絶対にやめろ(やめてください)!」」

 

「ハモって否定せんでいいやんか! なら外で出たゴミをメラで焼却処分する係をするよ、これならいいだろ!」

 

 〜ミスト&ヒュンケルの場合〜

 

「……で、お前はそのまま見回りをしてると?」

 

「いやだってミストよ、どいつもこいつも掃除一つ満足に出来ないんやから誰かが監視と指導するしかねぇべ? んで責任者は俺だから必然的に俺がやるしかねぇやん。ちゃんと口出しながら俺も掃除はしてるよ」

 

「……戦闘力優先で魔団長を選んだ弊害だな」

 

「本当にそれな、んでミストとヒュンケルは大丈夫なん?」

 

「……問題無い、ずっとバーン様の居住スペースの掃除は私が全てやってたから掃除は得意だ」

 

「オレもアバンに『戦士といえど家事も出来なければベリーナイスな一流とは言えません』と言われて最低限の家事は教わったから掃除は出来るよ」

 

「良かった、お前ら二人だけでもまともで本当に良かった(泣)」

 

「えーい、こんな事で泣くな。鬱陶しい!」

 

「……(オレ、ハドラーは嫌いだけどこれに関しては流石に同情するよ。にしてもミストバーンは普段は無口なのにハドラーが居るとよく喋るよな、相性がいいからか?)」

 

 ▼▼▼

 

 そんなこんなで我が軍の大掃除は一週間も掛かりました。

 まぁお陰で鬼岩城の構造を粗方理解できたけど。

 こんなんで魔王軍は本当に地上侵略を出来るんやろかと思うこの頃ですわ。

 

 ▼▼▼

 

 オ・マ・ケ

 

 〜バーンパレス、バーンとキルバーン〜

 

「……ハドラーもミストバーンも居ないとバーンパレスも静かだのぅ」

 

「……えぇ、まぁ(いやだからってボクを話し相手させる為だけに呼び出します!? 絶対に暇潰しの相手として呼び出したでしょ! てか初登場がオマケってボクの扱い酷くない!?)」

 

「のぅキルバーン。暇だから、ちとチェスの相手をしてくれ」

 

「はぁ(暇って自分で言っちゃったよこの人!? あぁ早くミストかハドラー君、帰ってきてバーン様の相手を代わって!)」

 

「キルバーンガンバレ♪ キルバーンガンバレ♪」

 

「ありがとうピロロ(この茶番も虚しいなぁ)」

 

*補足、鬼岩城の掃除が終わるまで二人は帰ってこなかったのでキルバーンは一週間ずっとバーンとチェスしてました。

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