転生ハドラーは魔王軍を辞めたい   作:友親 太一

6 / 10
第六話 美人秘書登場!?

 俺達が鬼岩城に引越してから半年が経ちました。

 あの大掃除の後に一度バーンに報告しに戻ったら何故かキルバーンにムッチャ感謝されると言う珍事があったものの、それ以外はこれと言って変わった事はない。

 本当にあの時のキルバーンは何だったんだ? ついでにキルバーンはあれからバーンパレスにも鬼岩城にも全く顔見せんくなった、いや本当に何故に? 

 

 んで例のミストからバーンに俺の仕事を減らしてもらえないかって言って貰える件だが、案の定というかやっぱりと言うか却下された。

 バーンの野郎め、「不死身の体を与えたんだから問題は無かろう」って言いやがってムカつく。

 こちとら体が不死身でも精神は一般人だっつうの! 

 まぁその後、珍しくミストが本当に申し訳無さそうに謝ってくれて詫びにと酒をたんまりくれたし、この件でミストを責める気は無いよ。

 あくまでもミストはね、バーンは絶対許すまじ。

 

 しゃあないので代案を自分で考えに考えて、ついに先月ひらめいて実行した。

 切っ掛けは氷炎魔団のロッキーと不死騎団のモルグ(三ヶ月前にヒュンケルの副官に就任した)と話した時だ。

 二人を見て「そうだ、俺も優秀な副官兼秘書を雇おう」と思いついた訳よ。

 いや自分でも何で思いつかんかったんやろと思う、多分仕事のし過ぎで思考能力落ちたんやな。

 優秀な秘書が居れば俺の仕事が減るって簡単な発想が出ん程に俺は疲れてたらしいね。

 

 だが問題はその副官をどこから連れてくるかだ。

 ロッキーやモルグを引き抜くのは論外、そんな事をしたら氷炎魔団と不死騎団が機能しなくなるしフレイザードとヒュンケルに恨まれる。

 当然ながら他の軍から引き抜くのも無し。

 んじゃ六大魔団に所属してない奴を秘書にする案もあったが、そもそもそんな奴は俺の部下にはおらん。

 原作ではアークデーモンやホークマンが司令直属の親衛隊だったが、今の魔王軍は親衛隊なんぞ俺の命令で作って無い。

 考えれば分かるが今の俺は鬼岩城に半引きこもりの中間管理職、はっきり言って親衛隊なんかあっても無駄なんだよね。

 だから原作で親衛隊だった悪魔系モンスターは百獣魔団と妖魔師団に割り振ったんよ。

 お陰で百獣魔団には貴重な魔法の使える兵士が、妖魔師団にはそれまで居なかった肉弾戦をやれる兵士が入って両軍団には感謝されたよ。

 そもそも悪魔系モンスターに秘書やれるようなインテリは居ないから仮に親衛隊があったとしても秘書には出来ない。

 

 んじゃどうするか? フレイザードん時と同じで作れば良いやんと考えたんよね。

 アイディアとしてはフレイザードの色違いを風と雷を使えるように作って「唸れ疾風、轟け雷光!」って叫ばすってのがあったんだがね、激熱。

 だがそれだとフレイザードと同じで書類仕事が出来ないから当然ながら却下。

 なら原作知識の中から秘書をやれる奴を作ればいいやんってなった。

 んで、そのやれそうな奴とはズバリ『ハドラー親衛騎団』。

 その中から一人をフライングして作る事にした、原作からズレそうだが背に腹は代えられないよね。

 

 そんで次の問題は材料、オリハルコンのチェス駒は当然ながら今の時点でバーンから貰えるわけも無し。

 仮にバーンに頂戴と言っても「何で知ってる?」ってなってメンドウな事になる。

 しゃあないのでバーンに近状報告する時についでにバーンパレスの宝物庫にコッソリ忍び込んで(この為にモシャスの呪文覚えてキルバーンに化けた)鎧の魔剣から少しパーツをパクりました。

 一応パクった後に自分でアムドってみたら(一度やってみたかったんだよね、鎧化(アムド)!)カブトが冠みたくなっただけなんで問題無いよね、原作でもカブト無くても大丈夫ぽかったし。

 ただ後々バーンから鎧の魔剣を貰える筈のヒュンケルには流石に悪いなぁって思って、俺特製のフォンダンショコラをプレゼントしました。

 ヒュンケルには「いきなり何だコイツ?」って顔されたが美味しそうに完食してくれたから良いだろう。

 

 それからパクったパーツ溶かしてチェス駒にして、フレイザードの時と同じように禁呪法を使って(ちゃんと今回は命の石を使ったぞ!)秘書を制作しました。

 

 で、その秘書が……

 

「ハドラー様、次の書類持って来ました! ほらさっさとやって下さい!」

 

「ハイッ!」

 

 ご存じ親衛騎団の実質リーダー、クイーンのアルビナスちゃんです。

 いや他のメンバーってザ・武人ってタイプだから秘書やらすなら彼女しか選択肢無いよね。

 ちゃんと非本気時でも腕は出してるように調整しましたよ、じゃないと事務仕事やらせられないし。

 アルビナスはロッキー並みの優秀な副官です、もっそい仕事早いし俺のスケジュール管理もしてくれます。

 お陰で一日10時間から12時間働けば仕事は終わるようになったし月に一日か二日はちゃんと休めるようになったんよ。

 本当にアルビナスには感謝しかないんだが、

 

「ホラ、そんな猫背で仕事しない! 魔軍司令とあろうものが事務仕事とは言え、みっともない姿を晒してはダメです!」

 

「イエスッ!」

 

 めっちゃ性格キツくて、めっちゃ俺に厳しいんだよね。

 最初の頃は俺の返事一つにすらお説教が飛びました。

 なので今では俺の返事は「ハイ!」か「イエス!」しかありません、どこの軍隊だよ、いやココは魔王軍だけどね。

 

「やぁハドラーよ、元気か?」

 

「ノックぐらいしろよ、ミスト」

 

 そんな感じで仕事を頑張ってると超ご機嫌で俺の執務室に入ってきたミスト。

 表情は分かりにくい顔してるくせに明らかに機嫌が良いと分かるオーラをガンガン放ってる。

 コイツはアルビナスが魔軍司令補佐になってらあからさまに楽しそうにしてるんだよね。

 

「これはミストバーン様、本日はどのようなご用件で?」

 

「やぁアルビナス、今日もハドラーを尻にひいてるな。結構結構w あ、コレ昨日頼まれた調査書だ」

 

 そしてアルビナスとクソ仲が良い。

 これはミストがアルビナスに惚れた、とかじゃなくて単純にミストがツッコミ役をやらなくて仕事が楽になったから。

 アルビナスの性格のキツさはさっきも言ったが、実はそれは俺以外にも厳しかったりする。

 アルビナスからしたら兄にあたるフレイザードにサボり常習者ザボエラ、更にはバランやバーンにすら問題があれば言葉で問答無用に切り込む姿には頼もしさを越えて恐ろしくなるレベルだよ。

 お陰でバーンからの無茶振りがゴッソリ減り俺とミストは大分楽になった。

 そんな感じなのでミストはアルビナスをいたく気に入ってるのよね。

 

「ありがとうございます、ミストバーン様の仕事は正確で助かりますわ」

 

「いやいや、アルビナスのおかげだ。じっくりと仕事出来るのがこれ程有り難い事などと実感出来たのは数百年ぶりだ。実は私もハドラーの真似をしてシャドーと言う名の副官を作ったのだが奴はアルビナス程は優秀でなくてな。いやぁハドラーが本当に羨ましいww」

 

「ミストてめぇ、絶対に分かってて言ってるでしょ!? つかキャラ崩壊する位あからさまに笑うな!」

 

 コイツの無口キャラどこいったし! 

 

「ハドラー様、言葉が汚い!」

 

「ハイッ!」

 

「プププッw  いやぁハドラーのツッコミをしなくて良くなって本当に助かるww」

 

 そこ!? え、ミストが一番喜んでるとこソコなの!? 

 

 そんなこんなで仕事する時間は減ったが精神的疲労は前より増えた気がする。

 俺、今日の仕事終わったらキラーマシン模型を三体作るんだ、電飾仕込んで目が光るやつを。

 そんな死亡フラグモドキを心の中で建てながら俺は残りの仕事に手を付ける。

 

「ハドラー様! ここの計算が間違ってますよ!」

 

「イエッサー! すいませんサー!」

 

 アルビナス怖い……。

 

 ▼▼▼

 

 オ・マ・ケ

 

「のぅミストバーンよ。お主、最近は機嫌がいいのだな」

 

「いえいえ、そんな事はありませんバーン様w(アルビナスのおかげですw)」

 

「その様子で否定されても丸わかりなんだがな。しかしアルビナスとか言ったか、ハドラーの新しい副官はハドラー以上のやり手よのぅ。余に対して臆するどころか逆に論破してくるとは。余が論戦とは言え負けを認めたのは初めてよ」

 

「ええ、彼女はハドラーの娘だけあってかなりのツワモノです(もうそれが一番助かる、バーン様の無茶振りが無いだけでこれ程までに日常が楽になるとはw)」

 

「ああいった豪の女を人間達は鬼嫁と呼ぶのだったな。まさに鬼神の如き気迫を持つ者よ」

 

「……(鬼嫁w バーン様も上手いこと仰る。ハドラーは気付いてないがアルビナスは明らかにハドラーに好意を抱いてるしピッタリな肩書だ。そうだ、あの二人が結婚する日が来たら私からたんまりとご祝儀を贈ろう。クククッ、楽しみだww)」




「唸れ疾風、轟け雷鳴」はシャンタウロン放つ時の撃龍神の口上です、分からない方は検索お願いします。
いや火と氷の半々でフレイザードって超竜神に似てんなぁって思ったら、緑と黄色の撃龍神カラーのフレイザードが頭に浮かんでつい(^^ゞ

4月8日追記 「唸れ疾風、轟け雷鳴」→「唸れ疾風、轟け雷光」に修正
自己自自爆弃遺一蓮托生型さん、ご指摘ありがとうございます。
ついでに後書きのシャンタウロンもシャントウロン(双頭竜)が正解みたいです、ウィキ見て確認しました。
結論、うる覚えネタを思いつきでぶっ込むの良くない(^^ゞ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。