転生ハドラーは魔王軍を辞めたい   作:友親 太一

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今回は超難産でした、具体的にはアルビナスが。
もうアルビナスが暴走して書きにくい書きにくい(汗)


第八話 ハドラーの日常(後編)

 〜18時00分〜

 

 うっし、バーンに出す書類は終了っと。

 思ったより時間が掛かったな。

 

 コンコン

 

「ハドラー様、そろそろ業務終了のお時間です」

 

「うん、本当に時間に正確やね」

 

 律儀にノックして入ってきた来たのはやはりアルビナス。

 この部屋はアルビナスの執務室でもあるから、いちいちノックしなくても良いって言ってあるんだけどね。

 本当にアルビナスはきっちりした性格だよね、俺の性格が反映されてるか疑うレベルで。

 

「ありがとうございます。書類は私が回収して大魔王様に提出しときます。ハドラー様お疲れ様でした」

 

「おつかれ〜。アルビナスも提出したら、ちゃんと休みなよ」

 

 〜19時00分〜

 

 今日の業務が終わりアルビナスが用意した晩飯を食べたら、残りは待ちに待った自由時間。

 さて、先ずは明日の仕事中に食べるオヤツを作るか。

 ……よし、明日はドーナツにしよう。

 味はプレーン、チョコ、抹茶、あとはそうだな……バーンに渡すようにコーヒー味でも作るか、前にコーヒー味のプリン渡したら、えらく気に入ってたし。

 

 本当はバーンの為になんぞ作りたくないがミストに頼まれてる為に、しゃあなく毎回バーンの分も用意してる。

 ただバーンにだけ渡すのは癪なので魔王軍みんなの分も用意してるよ。

 その為かなりの量になるのだが毎回大量に作るもんで俺も慣れた、ハイスペックな魔族の体はそう簡単に疲れないしね、

 ちなみにバーンに渡す役はミストがやってる。

 俺が一度、直接渡したらバーンが色々と注文つけて俺がキレかけたからミストが気を遣ってくれてんよね、ミストに感謝、バーンに怨念。

 

 さて先ずは大量の油をメラゾーマで温めるか。

 

 〜20時00分〜

 

 そして出来上がった大量のドーナツの山、こんなけ作っても直ぐに無くなるんよね。

 俺の作るオヤツは部下たちに大好評で毎回全部無くなる。

 うん、作った側としては嬉しい限りだ。

 俺は作ったドーナツのうち二人分を持って厨房を後にする。

 

 〜20時10分〜

 

「おーい。フレイザードにヒュンケル、夜食持ってきたぞ」

 

「おうオヤジ、待ってたぜ」

 

「……チッ」

 

 訓練所に着いた俺を機嫌よく出迎えてくれたフレイザードと、その逆にあからさまに不機嫌な態度のヒュンケル、二人とも修行に励んでるみたいで結構結構。

 フレイザードとヒュンケルはよく一緒に修行してる、二人とも団長の中では若いという共通点があるから仲は良いんよね。

 ただし俺はヒュンケルに嫌われてる。

 まぁ転生する前とはいえヒュンケルの育ての親を処刑してるし仕方ないよ。

 ヒュンケルは何時も通り俺と入れ替わるように黙って訓練場を出てく、ただしシッカリと自分の分のドーナツは持ってね。

 

「相変わらずオヤジはヒュンケルに嫌われてるなムシャムシャ」

 

 氷の手で器用に凍らせないようにドーナツを食べるフレイザードはヤレヤレといった感じで話しかけてくる。

 

「しゃあない、アイツの父親とは昔色々あったからね。それでもヒュンケルが俺の作ったオヤツを食べてくれるだけで満足してるよ。フレイザードもその事でヒュンケルを責めるなよ?」

 

「わーってるよムシャムシャ」

 

 そう言い終わるとフレイザードは残ったドーナツを黙って食べる。

 ヒュンケルに関してはいつかは和解したいけど溝は深い、どうしたもんかね。

 

 〜20時30分〜

 

「うっし、食べ終わったぞオヤジ」

 

「おう、んじゃやるか」

 

 最近この時間はフレイザードと修行する事が多い、偶にクロコダインがいる時は混ざることもあるが基本は二人だね。

 ヒュンケルには嫌われてるし、ザムザ、ザボエラ親子は夜遅くまで研究してるし、バランは殆ど鬼岩城に居ないし居たとしても見下してる俺とは修行するわけ無い、ミストはこの時間は大体バーンのとこ行ってるかヒュンケルと修行、必然的にフレイザードと二人っきりで修行する事になる。

 ちなみにアルビナスにも声はかけたんだが「私には他にやる事がありますので」と断られたので、それからは誘ってない。

 アルビナスも呪法生命体とはいえ女の子やし、父親の俺と四六時中一緒に居るのは嫌だと思うからね。

 

 それに息子と二人っきりで修行するこの時間が俺は割と好きだったりするんよね。

 

「それ、『フィンガー・フレア・ボムズ』! と、そいやオヤジ」

 

「アチチッ、『マヒャド』で防御! っと何だフレイザード?」

 

 どうでもいいが必殺呪文を使いながら緩く会話する俺等って変に器用だよね。

 

「いやヒュンケルの事なんだがな、どうもオレとの修行の後も一人で修行してるみたいなんだよ。なら『マヒャド』返し!」

 

「そらヒュンケルらしく勤勉やな。なら足払いじゃ!」

 

「いやそれは良いんだがよ、やっぱ一人で修行しても効率が悪いと言うか寂しいと言うか。なんのジャンプで避けるわ!」

 

「師匠のミストと修行してるんじゃなかったんか? 甘いぜ『イオナズン』!」

 

「それがミストバーンには免許皆伝を貰ったみたいで最近は一緒に修行して無いらしいんよ。なら『トベルーラ』で空中に逃げる!」

 

 そいやこの前ミストが「ヒュンケルには暗黒闘気の使い方は全て教えた、闘魔傀儡掌だけなら師の私をも超えてしまったしな」って自慢気に言ってたわ。

 あからさまに嬉しそうにしてたしミストも大概師匠バカやね。

 どうでもいいが至近距離で放った呪文をどうして避けるれるんだよ? フレイザードの戦闘センスもパねえわ。

 

「……なら俺がここに来るのをやめるか? 追撃の『ベギラゴン』じゃぁ!」

 

 それは寂しいが可愛い部下の為なら我慢するよ。

 

「いや、それはオレが嫌だ。オレはオヤジと修行するの好きだし。モーションでバレバレだぜオヤジ!」

 

 嬉しい事言ってくれるぜ。

 あと普通に『ベギラゴン』避けられたぜ、この前覚えたばかりの新呪文なのに。

 

「ならどうするんだ? っと、『ヘルズクロー』連打だ!」

 

「それなんだがよオヤジ。ヒュンケルの修行相手出来そうな奴を紹介してくんない? っつ、だが避けれないことは無い!」

 

 マジか、これも避けるかよ。

 つうかヒュンケルの修行相手ね、他の団長達は多忙だしなぁ。

 団長以外で修行相手になるようなヒュンケルと同等の戦闘力がある奴なんて……

 

「……一人、心当たりがあったわ。ちよっ、おま! それはヤバいって!」

 

「本当か、教えてくれ! お返しだ、問答無用の『フィンガー・フレア・ボムズ』十連打ぁぁ!!」

 

「バランとこの副官のラーハルト、アイツなら同じ戦士だし年も近いだろうから良いライバルになるんじゃないかな? なんの、ヤケクソの『マヒャド』十連打で防いだるぅぅ!」

 

 と、こんな感じで俺等親子の修行は毎回雑談しながらながら熾烈を極めるんだよね。

 

 にしてもヒュンケルとラーハルトかぁ、良いコンビになりそうだしダメ元で会わしてみっかな? 

 

 〜23時00分〜

 

 フレイザードとの修行が終わり、回復&風呂も終わり一日もそろそろ終わる、さて寝る……と思った? 残念、まだやる事があるんだよ。

 それは……

 

「さて、キラーマシン作りの続きするか!」

 

 キラーマシン模型の制作なんだよね。

 

「今日はジョイント付けて合体機構を……いや先にブースター付けるか」

 

 最近は色々なパーツやギミックを作ってキラーマシンに仕込むのが楽しい、既にキラーマシンぽさが無くなりかけとるが顔がキラーマシンならキラーマシンだよな! 

 ……まぁ今作ってるのはノリでツインアイ型なんだけどね(^^ゞ

 

 俺の一日の中で最も安らげる時間なので、どんなに疲れててもキラーマシン制作だけは欠かしたことないんよね。

 はぁ、やっぱ楽しい。

 こんなんだからフレイザードの『ばくだんいわ』作りを強く注意することが出来ないんだよね、気持ちが嫌ってほど分かるから。

 フレイザードも今頃は『ばくだんいわ』作りに熱中してるだろうし。

 そいやアルビナスはどうなんだろ? アイツの趣味って聞いたことないな、今度聞いてみるか。

 

 〜0時00分〜

 

 おっと、そろそろ寝る時間だ。

 あんまし遅くまでやってるとまたアルビナスに怒られるから寝るか。

 

「んじゃ、おやすみ〜」

 

 誰も居ない自室だが俺は挨拶してから寝る癖があるんよね。

 ではでは、おやすみ〜。

 

 ▼▼▼

 

「は〜、やっぱり素晴らしいわぁ、ハドラー様ぁ♡」

 

 私、アルビナスには絶対に誰にも知られてはいけない趣味がある。

 それはハドラー様を悪魔の目玉で観察すること。

 この悪魔の目玉はザボエラに頼んで(脅して無理やりとも言う)作らしたレムオルを常時使用する特製の悪魔の目玉。

 ザボエラには他言無用と口酸っぱく脅してあるからこの悪魔の目玉の存在はハドラー様も知らない。

 

 私の日課は業務終了後にこの悪魔の目玉でハドラー様を愛でること。

 

「楽しそうに料理をするハドラー様も、凛々しく修行するハドラー様も、真剣に模型作りするハドラー様も、みんなみんなス・テ・キ♡」

 

 あぁこの映像を永遠に保存出来たら良いのに。

 そうだ、今度またザボエラに頼んで(脅して)映像を保存出来るように改良させましょう。

 

「さて、ハドラー様のお食事の仕込みをしなくては」

 

 明日の朝食は小倉トーストにしましょう、でもそれだけだと栄養が偏るからポタージュとサラダも。

 

「そしてそれが終わったら今度はハドラー様の寝顔を堪能しましょう♡」

 

 はぁ私が寝なくてもよい呪法生命体で本当に良かった、だって朝までずっとハドラー様の寝顔を見る事が出来るんですもの。

 

「ハドラー様、おやすみなさい♡」

 

 さぁ愛するハドラー様の為に今日もがんばりますわよ! 

 

 ▼▼▼

 

 オ・マ・ケ

 

「では初回の今回の議題はズバリ、上司への不満です。ではガルーダ様からどうぞ」

 

「クァ、クァー。クァ! (クロコダインの旦那の不満か、だったら少し痩せて欲しい事かな。クロコダインの旦那を掴んで飛ぶんだが重くて毎回シンドイんだよね!)」

 

「なるほど、それは確かに辛そうですね。では次はラーハルト様、おねがいします」

 

「(何故アルビナスはガルーダの言葉が分かるんだ?)オレはバラン様への不満など無い、バランは最高の主君だからな……まぁ、あえて上げるなら書類仕事をもう少し出来るようになって欲しい事ぐらいか」

 

「ありがとうございます、事務能力に関してはバラン様に精進して頂きたいと私も常々思っております。次はロッキー様、おねがいします」

 

「フレイザード様の不満ですか、それなら一つしかありませんね。まぁアルビナス殿も予想出来ると思いますが『ばくだんいわ』を大量に作り過ぎることです。私自身もその一体なので強くは言えませんが、外の『ばくだんいわ』小屋なんて完全に危険物保管庫となってますから怖くて近づけ無いですよ」

 

「本当にそうですね。ロッキー様と同じでフレイザード兄様の作る『ばくだんいわ』は非常に出来が良いから、また困りモノですわ。ではモルグ様おねがいします」

 

 

「ヒュンケル様の不満ですか。不満と言うか心配事ですがヒュンケル様は憎しみに囚われ過ぎてる傾向にありまして。無論それがヒュンケル様の強さの源になってるんですが、もう少し力を抜いて気を楽にして頂けたらと思っております。本当は友達でも居たら少しは気が紛れるんでしょうがヒュンケル様は魔王軍唯一の人間ですから孤立気味でして」チリーン♪

 

「まるでモルグ様はヒュンケル様の父親みたいですね。ラーハルト様はヒュンケル様とお年も近いですから、ご友人になれるのでは?」

 

「オレが? まぁ友人になれるかどうかは分からんが修行相手位なら構わんぞ」

 

「それで結構ですのでおねがいします」

 

「ありがとうございます、ラーハルトさん。ヒュンケル様を何とぞよろしくお願いします」チリーン♪

 

「では次はシャドー様お願いします」

 

「……私、先程言った様に影が薄いんですよね。まぁ影のモンスターですから仕方ないですが。だからと言って眼の前に居るのに気づかないって、ミストバーン様あんまりですよーーっっっ!」

 

「……何というか魂の叫びですね。ではザムザ様、お願いします」

 

「キヒヒ、やっとオレか。オヤジへの不満なら腐るほどあるぜ。まずすぐに仕事をサボるだろ、次に俺に仕事を押し付けるだろ、そのくせ俺の事を道具としか思ってないだろ……と、言い出したらきりが無いが、とにかく最低のオヤジだぜ。いいよなアルビナスは、父親がハドラー様で。俺もハドラー様の子供に生まれたかったよ」

 

「(先程感じた不穏な気配の正体はコレか!)まぁザボエラ様には、またキツーイおしおきをしときます」

 

「あぁ頼んだぜ(出来たらオレを司令部に転属させて欲しいが、それは流石に無理か)」

 

「(ザムザ、ハドラー様の右腕の座は渡しません!)では最後に私、アルビナスが言わせて頂きます。皆様も知っての通りハドラー様はとても優秀で知的で素敵なお方ですが、少々気を抜くとダラケてしまうのが不満ですね。無論ダラケたハドラー様も可愛らしくて素敵なんですが、その姿を部下達に見られるのは我慢なりません。あんなに素晴らしい方なのにダラケた姿を見られて馬鹿にされるなどあってはならないのです!」

 

「クァ(へー)」

 

「(不満というか殆どノロケでは?)」

 

「(と言うか完全にノロケてますね。いやはや魔軍司令殿も隅に置けないですな)」

 

「(でもハドラー様本人は気づいてないと言うのがまた。ヒュンケル様にも恋人が出来たら私も安心出来るんですがね)」チリーン♪

 

「(それだけ好きならば付き合えば良いのでは? お似合いのカップルだと思うのですが)」

 

「(わかる、わかるぞアルビナス! ハドラー様ほど素晴らしい上司は他に居ないよな!)」

 

「おっと私とした事がはしたない姿を失礼しまたした// ではこれにて第一回魔王軍副官会議を終わらせて頂きます。皆様、本日はお集まり頂きありがとうございました」




補足、ハドラーとフレイザードが原作では未使用の呪文を使用してますがコレは修行の成果で作者が間違えた訳ではありません。
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