思い出すのが遅すぎたNAOYA成り代わり   作:露露

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思い出すのが遅すぎたNAOYA成り代わり

二人の男女が歩いていた。

その内の一人。

特別1級術師である禪院直哉が御付きの女性に尋ねた。

 

「で、死んだん?真希ちゃん」

 

「今は当主の心配を」

 

「ええ?だって不安やん」

 

直哉は心配そうな顔をした。

 

「真希ちゃんはべっぴんさんやし、顔に傷がついたら大変や

それに(はら)が駄目になってしもうたら、子どもが産めんくなってしまうやん」

 

直哉はため息をつく。

 

「真希ちゃんに才能はあらへんけど、産んだ子は相伝を引き継いどるかもしれんからなあ

真希ちゃんも真依ちゃんも家でおとなしゅうしとればよかったんに」

 

そうボヤキながら直哉は部屋に入った。

 

その部屋には二人の男が待っていた。

 

その内の一人、特別1級術師、禪院扇が口を開く。

 

「遅いぞ何をしていた

実の父親が峠を彷徨っている時に……!!」

 

「いやぁすまんなあ

でも別にええやろ俺が来んでも来なくても

次の禪院家当主は俺なんやから

俺の兄さん方はポンコツやし

叔父……弟のアンタもパッとせぇへん

その娘たちは……家でおとなしゅうしといてほしいし

甚壱君はなぁ……」

 

そう言って直哉は特別1級術師、禪院甚壱に笑いかけた。

 

甚壱と扇が立ち上がりかけたその時、

 

「皆さんおそろいで」

 

一人の老人が部屋に入ってきた。

 

「たった今、禪院当主禅院直毘人様がお亡くなりになられました

ご遺言状はこのフルダテがお預かりいたしております

ご遺言状は直毘人様のご意志によって

禪院扇様

禪院甚壱様

禪院直哉様

3名がそろわれた時私からお伝えすることになっております」

 

フルダテが座り、遺言状を開いた。

 

「相違なければご遺言状を読み上げます

一つ禪院家27代目当主を禪院直哉とす

一つ高専忌庫及び禪院忌庫に保管されている呪具を含めた全財産を直哉が相続し、禪院扇、禪院甚壱のいずれかの承認を得た上で直哉が運用することとす」

 

「へぇ……まあええわ」

 

「ただし、なんらかの理由で五条悟が死亡または意思能力を喪失した場合

伏黒甚爾との誓約状を履行し、伏黒恵を禪院家に迎え

同人を禪院家当主とし、全財産を譲るものとする」

 

「……はあ!?」

 

部屋を離れた後、直哉と御付きの女性は歩いていた。

 

「やっぱアカンわあの2人

よぉ知らん子が当主になってもオヤジの遺志やからと受け入れるつもりや」

 

直哉は御付きの女性をチラリと見て聞く。

 

「恵君は今どこで何してるん?」

 

「詳しくは……ただ東京で虎杖悠仁捜索の任に当たっているそうです」

 

「ああ、例の

じゃあ上の人に伝えとき禪院直哉が宿儺の器を殺したるって」

 

「!?」

 

「恵君は宿儺の器のとこにおるんやろ?

次期当主候補君がどんな子なのか興味ある

今の東京は魔境や、そういうんほど人の本性はよう見える

禪院当主に相応しいか見定めてやるわ」

 

御付きの女性が上層部に伝えに行ったのを見届けた直哉はフッと笑い、

崩れ落ちるようにしてうずくまった。

 

(ああもうどうするん……恵君が禪院家に迎えるとか甚爾君に申し訳が立たへん!甚爾君禪院家出奔するほど嫌いやったし恵君に禪院の名前名乗らせたくないよな?てか恵君には非術師の義姉がおるんやろ?この家に来たら絶対幸せにやれへんやん。ってか悟君居らんのに勝手に進めたら確実に俺が悟君に切れられるやん!オヤジのせいなんに!いや、今からでも悟君を救出したらワンチャン……あ、ダメなんやった悟君の封印解いたら重罪やった。なんで上層部は悟君が傑君と手を組んでるとかアホなこと言い出したん?悟君だけでも非術師どころか日本滅ぼせるやん。ああ、そうか権力闘争ですか分かりましたはい!というか一番問題なのは……)

 

「なんで(前世の)記憶取り戻したん渋谷事変の後やったんやろう……」

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