東京に蔓延る呪霊を狩り続ける二人の男がいた。
その内の一人。
脹相は今しがた襲いかかってきた呪霊を倒した同行者である虎杖悠仁を見て成長した技量に感嘆しつつ話しかけた。
「流石俺の弟だ」
「まだ言ってんの?」
「何度でも言うさ
思い出せあったハズだ
お前の父の額にも縫い目が」
悠仁が父親のことを思い出そうとしたその時、
「恵君おらんやん
俺が一番乗り?」
橋の上に一人の男……禪院直哉が立っていた。
(誰だコイツ……今伏黒の話したか?)
「そんなことあんの?
俺よりも早う来とったハズなんに……
君らも何してん
目立ちすぎやで逃げる気ないん?」
「逃げる?」
「何や知らんのか
君死刑やって
悟君の後ろだてがのうなったから」
「あ゛ん?」
「あと多分これも知らんやろうから言うとくと
悟君に傑君と一緒に渋谷事変を起こした疑いがかけられて呪術界から永久追放措置が取られとる
あと獄門彊の封印解くのも罪や
そして君の通っとるとこの学長さんも悟君と傑君を唆して渋谷事変を起こした疑いで死罪認定」
「はあ!?
ちょっと待った五条先生と学長がそんな事するわけない!」
「うん俺もそう思っとるで
悟君なら誰かと手を組まなくても非術師どころか日本滅ぼせる力あるし
そもそも悟君の性格的にそんな事するわけないしなあ
いや、学長さんのことはよう知らんけど
そんでも上層部に楯突くだけの権力は俺にはないし
五条派は弱い立場の呪術師を悟君が庇護しとるという派閥やから悟君が居なくなると発言力途端に下がるからなあ」
「そんな……」
そういって項垂れる悠仁とそれを心配そうに見守る脹相の前に直哉が降り立った。
「本当は俺は恵君に用があって来たんやけどなあ
君を先に見つけてしもうたんならしゃあないか
逃げるで」
「……伏黒に何の用が?
それに逃げるって」
「恵君はうんまあちょっと家の都合でな
まあその話は後でするとして
早く逃げんと君の死刑執行役が来るかもしれん」
「死刑執行役だと?」
「そうやで
とりあえず生徒同士が殺し合いするのを黙って見てたとかなったら悟君に殺されかねんからなあ
かといって流石に俺が勝てるとは思えんし
一旦この場から離れるで
あと、そこのとなりの君にもさっき言ってた額に縫い目がある男とやらについてちょっと聞きたいことが……」
ぬるっ
(五条先生!?いやもっと不気味な……!!)
「ありゃま遅かったみたいやな……」
悠仁がその圧倒的な呪力に目を向けると、そこには
「あれ?
一人じゃないんだ」
特級術師、乙骨憂太が立っていた。
お兄ちゃん空気でごめんね