えっ週一投稿じゃないのかって?
本編は週一投稿ですが閑話はその日の気分で投稿されます。
明治時代にとある二人の呪術師の夫婦がいた。
仲睦まじい夫婦だったが子宝にはなかなか恵まれなかった。
妻の家系が子どもが出来にくい家系だったからだ。
しかし、妻の家系にはある特殊な体質があった。
優秀な子どもを孕みやすい体質だ。
その家の女性は子どもが出来にくい代わりに、相伝の術式を継いだ子どもや反転術式を使える子どもを産むことが出来る。
いや、産むことが出来ていたと言った方が正しいか。
かつて、呪術最盛の時代であった平安時代の頃は沢山とは言えないまでも子を産むことが出来ていたらしい。
しかし時代が進む事にどんどん出生率が下がっていき、明治時代にはその血を引く者は妻しか残っていなかった。
夫は子どもが出来なくてもいいと思っていた。
しかし夫の親や親族……そして妻自身がそうは思わなかった。
妻が悩み、子どもが出来ない自責で離婚を考えていた時に、憲倫と名乗る人物と出会った。
そして彼は言った。
「子どもが出来るようにしてあげましょうか?
お代は要りません
ただ、子どもが出来たらその子たちには呪術界の力を底上げする手助けをして欲しいのです」
妻はその言葉に頷いた。
具体的に何をしたのかは定かではない。
だがその夫婦が子どもを作ることができ、その子孫である者たちも子宝に恵まれたことは確かだ。
「って言うのがボクの家に伝わるお話
いやあ本人にほとんど利益がないのに、子どもが作れるように手助けしてくれるなんて立派だよねのりとしさんって人!」
「ウン……ソウダネ…」
「真子家の当主は代々のりとしと読む名前を付けることになってるんだ!
ボクもその名に恥じない人になりたいなあ」
「ウン……イイトオモウヨ」
「何で二人ともそんなカタコトなの?」
「「ベツニナンデモナイヨ」」
そういった二人……直哉と色は典紀から目を逸らしヒソヒソと内緒話を始めた。
『なあ、話に出てきたのりとしってやつ……』
『うん、ほぼ確実に加茂憲倫のことだと思う』
『デスヨネー
えっこれ加茂憲倫のこと典紀に教えた方がいいやつ?』
『やめておいた方がいいと思う
別に知らなくてもいい事だと思うし』
『まあ知ってもそこまで得することはないよなあ』
『というか気落ちした典紀を慰めるのがめんどくさい』
『それは分かる
というか真子家大丈夫?』
『何が?』
『だって真子家の先祖ほぼ確実に加茂憲倫に身体弄られとるやん
影響残ってへん?』
『……悟様が交流会で視てるから大丈夫だと思う多分』
『一応典紀だけでもやっとく?』
『そうだね
うちとそっちのどちら……いや、うちの方がまだいいか』
『その方がいいと思うで』
『了解』
「ねえ典紀」
「何?しっきー
内緒話終わった?」
「しっきー言うな
今度の大きい休みに五条家へ遊びに来ない?
直哉と一緒に」
「えっ」
「なおやんと一緒にしっきーの家に!?
面白そう行く行く!」
「えっ」
「じゃあ家の人に話しといて」
「おう!
五条家に……友達の家に行くの初めてだな」
「うんじゃあちょっと家に電話してくるね」
「分かった!
ボクも電話してくる」
タッタッタッ
バタン
「……何でや」