真剣で私に恋しなさい!-きみとぼくとの約束- 作:chemi
2人が立っている河川敷は、沈もうとする夕日に照らされて赤々としている。周囲に人気はない。だからであろうか、彼らは人目を気にすることなく、影を一つにしていた。
彼女は体全体で彼を感じるかのように、力いっぱい抱きしめ、頭を彼の首筋にこすりつけた。その様子はまるで猫が甘えているようである。
彼は柔らかく微笑みながら、彼女の絹のように滑らかな黒髪を後頭部から下に向けて、ゆっくりと撫でた。それにピクリと反応する彼女だったが、すぐに受け入れる。
やがて、互いに見つめ合った。瞳に自分の顔が確認できるほどに近い。彼女の瞳は潤み、よく見るとアメジストのように紫がかっている。いや、彼にとってはそんな宝石よりも綺麗に見えているに違いなかった。
「り――」
彼以外には聞こえないほど小さな声だった。彼もそれに答える。
「……もセ――」
目を閉じた2人がゆっくりと距離を縮め、やがて――。
ジリリリ。
しかし、その先が続くことはなかった。携帯から鳴り響く目覚まし音が、2人を引き離す。
凛が目を開けると、見慣れた木の天井だった。
「ハッ!!」
凛はバッと体を起こすと、瞬きを数度繰り返す。そして、止めてくれと言わんばかりに鳴り続けるそれに手を伸ばした。
「夢か……。せめて夢くらい……ん? あれ……どんな夢だっけ? なんか凄い幸せなモノのような気がするのに、思い出せない。ちょっと待って。あれ? ん、あれ?」
凛は、独り言をつぶやきながら頭を抱え込んだ。加えて、手のひらで軽く頭をノックする。衝撃を与えて、それを切欠にしようとしたようだ。
しかし、それも無駄な行為だった。
「凄いいい夢だったんだ。その印象だけは覚えてる! でも内容が思い出せない」
――――もう一度眠れば、あるいは……。
そんな考えが頭をよぎった。
「いやいや、今日試合なんだからダメだろ」
しばらく悩んだ凛だったが、諦めがついたのか、ため息を一つ吐き大きく伸びをした。パキポキと小気味良い音が聞こえると、一気に力を抜く。
――――幸せな気持ちで目が覚めたから、それだけでも良しとするか。
気持ちを切り替えて、ベッドから抜け出す。カーテンの隙間からは朝日が差し込んでおり、気の早い蝉が早くも鳴き始めていた。
カーテンを勢いよく開けた凛の目に、雲ひとつない青空が映る。
――――今日も暑くなりそうだな。
もう一度伸びをして、写真の飾られたコルクボードへと目を向けた。そこには、たくさんの笑顔が溢れる写真――その中心には、いつかの歓迎会で不意に撮られた凛と満面の笑みを浮かべた百代の2人が、顔を寄せ合う一枚があった。
――――モモ先輩に関る夢だったのかもしれないな。幸せなものだったし。
そう思うと、より元気がでた。
「よしっ! 頑張りますか」
凛は軽く息を吐き出すと、顔を洗うために部屋を出る。洗面所には、先に起きていた忠勝が顔を洗っているところだった。
「おはよう、源さん」
「おう」
短く返事を返した忠勝は、歯ブラシをとって鏡越しに凛を見た。そして、軽く笑いながら言葉を続ける。
「だらしねぇ顔だな。なんかいい夢でも見たのか?」
「えっ? 嘘? いつもと変わらないと思うけど……というか、源さんエスパー!?」
凛は顔をペタペタと触りながら、空いている鏡の前で自分の顔をマジマジと見つめてみた。しかし、右側の髪がはねている以外おかしな所は見当たらない。
「んなわけねぇだろ。ただ、朝からそんな顔してるとすれば、思いつくのがそんくらいしかねぇだろ」
「そんなにだらしない顔してる?」
「ああ。大和がヤドカリを見てるときの顔みたいだぞ」
「いやいや、それはいくらなんでもないでしょ。あの顔は人様の前で見せちゃいけない顔なんだから」
大和がヤドカリを前にしたときの顔を思い出して、凛は吹き出した。
「それくらい、だらしねぇってことだ」
「そうかな? ……でも、夢の内容をよく覚えてないんだよなぁ。どうにかして思い出せないかな、エスパーGEN」
「変なあだ名つけるのを止めろ。あと俺が夢を思い出す方法を知ってるわけねぇだろ。さっさと顔でも洗え」
忠勝はそこで話を切って、歯を磨き始めた。
「はーい」
その横で、凛は水道の蛇口をひねった。
◇
トーナメントの行われる七浜スタジアムの入り口は、既に多くの観客が詰め掛けており騒然としていた。その中には、この様子をレポートしている記者たちも多く、客を捕まえては似たような質問を繰り返す。一際大きな団体ができているのは、どうやら龍造時がいるところのようだった。大半が黄色い声援であり、エグゾイルNo.1のイケメンは伊達ではない。本人も気前よく愛想を振りまいている。
凛たちには、スタジアムがこのような状況になっているのは、既に川神駅のホームで十分に予想がついていた。なぜなら、そこは通勤ラッシュのときのように人で溢れかえっており、車掌は数をさばくために1人でも多くの客を押し込むという作業を繰り返していたからだ。アナウンスでは、度々諸注意が流され、数人の車掌もそれに加えて、拡声器を片手に声を張り上げていた。
――――こっちの混雑具合は関西と比べ物にならないな……。
電車に乗り込むと、大和に密着できて嬉しそうな京は別として、辟易としている他のファミリーの女性陣を見ながら、凛は1人そう思った。
スタジアムへは、用意されていたパスを使って別口から入れるようで、列をなしている観客を横目に、一行は控え室に向かうのだった。
□
控え室では様々な国の選手が集まっており、英語、中国語、ロシア語、日本語と多くの言語が耳に届いてくる。そして、ひっきりなしに人が出たり入ったりしていた。
開始まで少し時間があった凛は、携帯からの呼び出しで人気のない一角に出向いていた。観客席にぞくぞくと人が入り始めているためか、通路の奥から賑やかな様子が伝わってくる。
指定された場所には百代が、壁にもたれていた。
「おはようございます。モモ先輩」
凛はそう言って、百代の隣に陣取った。
「おはよう凛。調子はどうだ?」
「いい感じです。昨日もぐっすり眠れたし、ただまぁ……電車の中がすごい混んでて、大変でした。身動き一つとれないってああいうこと言うんだなと実感しました」
凛は、つい先ほどの事を思い出して苦笑した。
「あー確かに、何万人ってここに来るからな。今日でスタジアム動員数を更新するだろうって、ジジイと一緒にいた市長が嬉しそうに言ってたし」
「市長が話に出てくるってのも凄いですね。そう言えば、総理も学長の高弟なんでしたっけ? それによく考えれば、モモ先輩は武神で有名なんですもんね。うーん……凄いな」
――総理とも面識があるんだから、市長くらい普通なのか。
凛は、自分の隣で得意げになっている少女を改めて見直した。
「そうだぞ。私は凄いんだぞ! 見直したか?」
えっへんと胸をはる百代に、凛は笑いながら彼女の頭を撫でる。
「可愛い武神だなー。凄いなー。よーしよし」
「……お前、バカにしてないか?」
上目遣いで抗議する武神は、まさに可愛いという言葉がピッタリだった。そして、抗議しながらも、やはり可愛いと言われて嬉しいらしい。彼女の頬は僅かに朱がさしている。
「いやバカになんかしてませんよ。でも、こう賑やかだとワクワクしちゃいますね」
手を引っ込めて嬉しそうに笑う凛を見て、百代も釣られて笑顔を見せる。
「そうだな。でも凛は今日戦えるからいいよなー……私は明日までお預けだ。まぁ仕方ないから、今日は解説しながら、スタジアムに来た可愛い姉ちゃんでも見て気長に待つけどな」
「強い人にあたるかどうかは運だから、どうなるかわかりませんけどね。あとちゃんと仕事してください」
「冗談だ。ちゃんとやるって……凛の活躍をよく見ておくぞ」
凛を下から見上げるようにして、いたずらっぽく笑う百代。
「瞬殺は活躍したってことになりますか?」
凛も知らず知らずのうちに、百代との会話を楽しんでいて、つい調子にのってしまう。
「おぉー言うじゃないか、こいつ。そのドヤ顔が可愛いぞ」
百代はお返しとばかりに、凛の頭を撫で返した。傍目から見ると、恋人同士のじゃれ合いにしか見えないことに2人は気づかない。
「いや、可愛いっておかしくない? で、そろそろいい時間なんですけど、モモ先輩の用事って何ですか?」
「大した用じゃないんだけどな。今日も暑くなりそうだから、私からの餞別だ」
百代はそう言って、近くの自販機で買ったであろうドリンクを渡した。よく冷えているそれは、水滴ができ始めている。
「わざわざありがとうございます。モモ先輩も熱中症には気をつけてくださいね」
「わかってる。でも、私がそんなことになろうものなら、ジジイから小言言われそうだな」
「それなら、多分俺もヒュームさんから小言どころか、叱責もらいそうですね……」
そこで、2人は顔を見合わせ、ひとしきり笑いあった。
その後通路を歩いて、分かれ道に差し掛かる。
「それじゃ頑張れ、よ!」
百代はエールを送ると同時に、凛の背中に気合を注入した。やられた本人は背中をさすりながら、言葉を返す。いい音が鳴った分、中々の威力があったらしい。
「俺も気合を入れさせてもらっていいですか?」
凛は、やる気満々といった感じで、手に息を吐きかけた。百代はそれを見るなり、彼から一歩距離をとる。
「私に気合は必要ないだろ。解説しかしないんだから。それと美少女からの応援なんだぞ。ありがたくもらっておくだけにしておけ。じゃあ、またあとでなー」
百代はそう言葉を残すと、楽しそうに凛から離れていった。黒髪が機嫌よく左右に揺れている。そして、角を曲がるところで振り向くと、彼に向かって手を振ってきた。
――――憎めない人だな。
凛はその後ろ姿が見えなくなってから、控え室へと戻っていった。
◇
試合は、予選本選ともにペアのどちらか片方が戦闘不能になれば敗北。加えて、場外も10カウントで負けというルールである。
朝の開始時にいた100組を超える参加者も、3回目の勝ち抜き戦が行われる直前には、その数をぐっと減らしていた。人の熱気で少し暑苦しかった控え室は、寝転がって体を休める者もいるくらいスペースが空いている。だからといって、緊張が高まったピリピリした雰囲気ではなく、どこか和やかなものだった。それは、大半が顔なじみであったからかもしれない。
『おおっとぉー! 強烈な一撃をくらって、太陽の子メッシ戦闘不能!! よって、3戦目に駒を進めたのはラグナロクチーム! ここに来てダークホースが現れましたぁー! この勢いのまま本選出場を勝ち取ることができるのか!? あるいは力尽きてしまうの――』
アナウンスからは、3戦目に勝ち抜いた最後のペアが発表されていた。
それを見ていた凛に、隣で座っていた準が話しかけてくる。
「凛、見てみろ。あそこに群馬の生き神様がおられる。俺あの子のチームと当たったら、もうダメだと思うわ……あっ目が合った。安心しろ。俺は君を傷つけない」
「生き神様って、うちの委員長に対しても言ってなかった? 準の周りは一体どうなってる。少し自重しろ。怯えられてるぞ」
凛の言葉通り、生き神と称された子はその視線に耐えられなくなったのか、準の視界から逃げるようにして、控え室をあとにした。
しかし、この男はへこたれることがない。
「ふっ……照れることなどないというのに」
「いや、あれはどう見ても怖がってたから。現実を見ろ……にしても、これで2戦目が終わったけど、半数が顔なじみで緊張感がないな」
「だよなー。まぁ、ギスギスした感じじゃなくていいんじゃね? そこかしこで『やんのかコラ』みたいな雰囲気だされてもな……そうだ、アメ舐めるか? ユキにやろうと思ってたんだけどよ、例によってどこにいるかわかんねぇし」
準から出された飴を受け取る凛。
「一部には対抗心むき出しの奴もいるけどな。小雪なら、さっき京と話してるの見かけたけど……あ、あそこだ。大和の隣で餌付けされてる」
小雪は凛の指差す先で、京と大和、そして燕を合わせた3人と一緒にいた。
「ちゃんといるならいいんだ。ユキには試合行く前に、コップ一杯の水分とっておくように言っといてくれ」
凛がそれに頷くのを確認してから、準は言葉を続ける。
「それよか対抗心むき出しの奴なんて……西方十勇士の石田か? そういや義経に何かと絡んでたな。なんか関係あったのか?」
「石田は、前の交流戦のとき、義経に切り捨てられたんだよ。それで、今回その雪辱を果たしたいんじゃないか?」
「なるほど。でも義経もハンパねぇからな。あれに勝てるビジョンが浮かんでこねぇ」
そう言って、準は苦い顔をした。
「おっ、噂をすれば3戦目の第1試合はその石田だな」
アナウンスが流れるとともに、控え室に備え付けられている大型テレビで、名前が大きく発表された。
それに目を向けた準も声をあげる。
「しかも、相手は弁慶のチームじゃん。アイツ、2戦目で2メートル超えの筋肉マンをリングに埋め込んでたよな。怖すぎんだろ」
「あれはインパクトあった。川神の人達は賑やかだったけど、それ以外は一瞬唖然としてたしな」
「もうなんつーか、感覚が麻痺ってくるんじゃね? ほら、身近にモモ先輩とかなんか突き抜けてる存在いるじゃん」
「まぁそれが日常みたいな感じになってるもんな」
「こういうとき、あぁ川神って変わってんだなって痛感するんだよ――」
両チームがリングに出揃ったところで、審判の威勢の良い掛け声がかかった。
□
「小雪。試合行く前に、コップ一杯分でいいから水分とっとけって、準が言ってたぞ」
第4試合目にコールされた凛は、控え室を出る前に、小雪に声をかけた。
「ハゲは心配性だなー。言われなくても飲んでいくよ。ちょうど喉かわいてたし。リンリンも飲む?」
「いや俺はさっき飲んだから大丈夫だ」
小雪は白く細い喉をコクコクと上下させると、紙コップをゴミ箱に投げ捨てた。それが、寸分違わず穴へと吸い込まれるのを見届けて、拳を握り締める。
「それじゃあ、サクッと勝って本選出場だぁ」
2人は、しっかりとした足取りで薄暗い通路を通り抜け、これまでの戦いでボルテージの上がったリングを目指す――。
『圧倒的な力量差を見せ付けて勝ち残ったスノーベル。対するは、あのメッシを下して勢いにのっているラグナロク。どちらが勝利の女神に微笑まれるのか!? さぁ第4試合目張り切ってまいりましょう!!』
リング上では、アナウンスと共に大勢の声援が飛び交っている。相手チームは、先にリングに上がっており準備は整っているようだった。
相手チームの金髪男が喋りだす。
「残念だが、お前達の快進撃もここまでだ。封印されていた俺の右腕は、いまやその秘めたる闇の力を覚醒させている。今の俺を止められるのは武神をおいて他にはない。楽にしていろ。一瞬で全ては肩がつく」
その隣にいた片目を眼帯で隠した少女が続く。
「背中はまかせて。……あなたは私が守る。いざというときは、この邪眼を……」
「必要ない。お前は俺の背中だけを追いかけて来い。……くっ! まだ完全には操りきれないか、疼きやがる――」
2人の世界はまだまだ続くようだった。
――――これは……与一と同じタイプの人間か。あっちの眼帯してる子も眼帯とったら、マルギッテさんのように戦闘能力が上がるのかな?
それを見ていた小雪が、凛にそっと話しかける。
「あの人達ケガしてるのかな? 2人とも右腕にボロボロの包帯巻いてるし」
男の腰には一振りの刀。女は素手のようだが、先の試合でヌンチャクを使っていたのをしっかり確認している。始めから出しておけばいいのに、と凛を含め観客の多くも思っていた。そこは何かこだわりがあるらしい。
「まぁもし重傷……いや重症なら、九鬼の人や川神院がほっとかないだろうから、小雪が心配することないよ」
「了解なのだ」
そして、審判の掛け声が下りるのを待つ。ようやく相手の2人も静かになった。
『それでは……レディーーゴー!!』
掛け声とともに飛び出したのは凛。ワンテンポ遅れて、金髪の男だった。
2歩目を踏み込むと同時に凛の姿が掻き消える。男の目に映るのは、未だ自然体で突っ立っている小雪の姿のみ。まるで蜃気楼のようで、始めから彼女一人だけだったように錯覚する。一瞬の硬直から解けた彼は、これまでの相手との差を感じ取ったのか、素早く己の腰にさしていた刀に手をかけ――。
「俺の妖とうふぐッ!」
言葉を発するもそれを抜くことはなく、凛の右拳を腹に受け、そこで意識をとざす。この瞬間、男の戦いは終わった。
しかし、災難は終わっていなかった。その被害にあったのは、男の後ろを追いかけていた少女。気づいたときには、目の前が真っ白に覆いつくされていた。わけも分からず、とりあえず両手を交差させる。
「えっ!? わ、ちょ……!」
素がでてしまうほどの動揺ののち、圧倒的な質量を感じたところで少女もようやく何が起こったのか悟った。この白は、自分のペアのカッターシャツなのだと。全てがわかったときには、彼女はリング外で男の下敷きとなって目を回していた。
待機していた川神院の僧たちが、すぐに彼らを運んでいく。
圧倒的勝利に、会場がより一層大きく盛り上がった。それと同時に、興奮した司会者の声が響き渡る。
『強い強いつよぉーーーい!! もう皆さんもこのチームの2人を覚えてしまったのではないでしょうか!? 蹴りを放てば大男を吹き飛ばし、拳を振るえば敵を瞬殺!! その戦いはシンプルかつスマート!! 銀白の髪をゆらす2人に敵う相手は今後現れるのでしょうか!? 本選出場の4組目はスノーベルです!!』
それに続いて、百代が喋りだす。
『あの2人の実力は頭一つ飛びぬけていますからね。優勝候補の一角と呼べるんじゃないでしょうか』
『でました! 武神のお墨付き! これはますます本選の戦いが楽しみになってまいりました!』
凛に駆け寄ってくる小雪が無邪気に右手をあげる。それに応えて、彼も右手をあげた。
「イェーーイ!」
2人は無事に本選へと駒を進めた。
どうもお久しぶりです。
お待ちくださった皆様、ありがとうございます。
久々に1話を書き上げたのですが、変な部分はなかったでしょうか?
次はもう少し早く投稿できるように頑張りたいです。
しかし、次は戦闘、戦闘、また戦闘という戦闘尽くし。
戦闘の描写は中々うまくいきませんが、精一杯書いてみます。
それでは次回また。