仮想世界で気づいたら最強生物になっていました。   作:BLOODRAIN

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プロローグ ②

side 快人

 

 はじめまして、僕は朝倉快人。普通の高校に通う高校1年生です。でも僕はいつも成人と間違われる。その理由は自分でも分かっている。僕の身長は高1にしては規格外の195cm。

 一般の成人男性より遥かに背が高い。おまけに目つきも釣り上がっているから、実年齢より老けて見える。

 この見た目のお陰か初対面の相手、特に女性には怖がられてしまう。それが僕のちょっとした悩みの種である。

 そんなことを考えながら、学校の自分の教室のドアを潜る。通るでは無く、潜るのだ。

 普通の人より背が高い僕は天井に頭をぶつけることがしばしばある。でも、そのお陰で僕はクラスメイトと打ち解けられたのも事実。入学当初はこの体格と目つきのせいでクラスメイトを怖がらせてしまった。それが原因で少し落ち込んでいた時に、間違って屈むのを忘れてドアの上部の壁に頭をぶつけてしまった。その時にぶつかった頭を抑えて 痛い…… と少し涙目になってしまった。その時、教室には他のクラスメイトがいたのだが。面白かったのか、みんながクスクスと笑いを堪えていた。それが恥ずかしく、情けないと僕はその場で両手と両膝をついてしまった。

 しかし、その後からクラスメイトの皆が話しかけてくれる様になって行った。今となってはあれで良かったと思う。

 そんな少し前のことを考えながら自分の席へと向う。向う途中でクラスメイトの皆が 『おはよう』 と挨拶をしてきてくれたので

 

「おはよう」

 

 と挨拶を返し、自分の席に座った

 前の席では2人の女生徒が仲良さそうに話していた。

 

「絶対面白いから、一緒にやろうよ‼」

 

「えーと、どうしよう……」

 

「そんなこと言わないで、やろうよ‼」

 

 どうやら何かを一緒にやろうと誘っている様だ。先程から誘われている黒髪のショートヘアの方が本条楓さん。誘っている茶髪のポニーテールのほうが白峯理沙さん。この二人はいつも一緒にいる大の仲良しコンビだ。あまり話したことは無い僕でも分かるぐらいの。そんなことを考えていると、二人がこちらを向く。僕の存在に気づいた様だ

 

「あ! 朝倉くん、おはよう!」

 

「朝倉、おはよう」

 

 本条さんは元気な声で屈託のない笑顔を浮かべながら。

 白峯さんも爽やかな感じに挨拶をしてくれる

 

「おはよう、二人共」

 

 僕は二人に少しはにかみながら挨拶を返した

 

「そういえば、さっき絶対面白いからって言ってたけど。何の話だったのかな?」

 

 先程、白峯さんが楽しそうに話していた話題について聞いた

 

「えっと、今すっごく面白いって話題のゲームがあるの。しかも、VRMMORPGだから。これは絶対やらなきゃって楓と話してて‼」

 

 白峰さんは目をキラキラさせて語り始めた。白峰さんは大のゲーム好きで、噂ではゲーム大会で優勝するほどの腕前だと言う。

 その後も水を得た魚の如く、話題のゲーム【New World Online】について語り続けた。

 

 本条さんは次々と飛び出す専門用語に話について行けないのか、首を傾げている

 

「それで、それで‼」

 

「ちょっと待ってよ、理沙! 知らない言葉ばっかりで話について行けないよ!」

 

「あ、ごめん。楓……」

 

 白峰さんは落ち着きを取り戻し。本条さんに謝っていた

 

「もう、私ならともかく。朝倉くんも居るんだから、分かる様に教えてよ」

 

「えーと……」

 

 本条さんは自分にも分かる様に教えてと白峰さんに言う。白峰さんはどう説明しようか考えている様だが、あの様子だとゲームの事はともかく。VRMMORPGの技術のことについてはあまり詳しく無いようだ。何だか見てられなくなったので助け舟を出すことにした

 

「本条さん、VRMMORPGって言うのはね……」

 

 僕は本条さんにVRMMORPGについて簡単に説明した

 

 VRMMORPGの正式名称は"Virtual Reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Game"

 これは1つのサーバーを介して数万人単位のプレイヤーがプレイ出来るMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)

 の進化系である。今までのMMORPGはパソコンなどの端末機器で画面の中のアバターを操作する物であったが。

 数年前に某科学者が意識そのものを仮想世界に飛ばし、仮想世界でプレイヤー自身がアバターを介して五感全てをフィードバックにより感じることが出来る技術。フルダイブ技術を完成させた。そのフルダイブ技術を使った初のVRMMORPGが発売され、その仮想世界に多くのプレイヤーが熱狂した。

 しかし、このゲームは開発者でありフルダイブ技術の生みの親である科学者が仕組んだデスゲームであった。

 

 そのゲームはログアウト不可の上に仮想世界内で死亡。つまりHPが0になるとメット型のプレイ端末から発せられる高出力のマイクロウェーブにより現実の脳が焼き切られると言う。文字通り命を賭けたデスゲームとなってしまった。

 このゲームに1万人が閉じ込められ、ゲームがクリアされる数年間の間に数千人と言う死者を出してしまった。

 この事件後、VRMMORPGは衰退の息を辿ると思われたのだが。後に改めて安全を考慮したフルダイブ端末が開発され、それに伴って様々なVRMMORPGが誕生したのだ。

 更に、このフルダイブ技術はゲームなどの娯楽だけでは無く。様々な分野でも使われ初めており。遠隔からの手術やリハビリ、メンタルケアや教育、企業へのプレゼン、軍隊での戦闘のシュミレーションなど。他にも様々な分野でも活躍が期待されている技術である。

 

「……って言う感じ何だけど。って、二人共どうしたの?」

 

 

 

 説明を終えて二人に問いかけるが、二人共呆然としていた

 

 

 

 

「凄いね! 朝倉くん、すっごく分かりやすかったよ!」

 

「な、何で。そんなに詳しいの? 朝倉、私より知識スゴくない?」

 

 本条さんは目をキラキラさせて尊敬の眼差しを向け、白峰さんは目を見開いて驚愕と言った表情を浮かべていた

 

「まあ、少し前に色々と調べてね。その時に知ったんだよ」

 

「にしても、詳しすぎない? 技術のことまで」

 

「まあ、将来の為に色々と知っておかないと」

 

「将来の為? 朝倉くん、将来は何かやりたいことあるの?」

 

「まあね」

 

 白峰さんは疑わしそうな視線を向け、本条さんは純粋な疑問をぶつけてくる

 

「僕、将来は医療の道に進もうと思ってて。だから色々と勉強してる内にね」

 

 これは僕の本心である。切欠は医師である叔母の影響だ

 絶望の底から立ち直れたのはやはり叔母がいたからである。もしあの人がいなかったら今、僕はこうやって生きているかも分からない。だから叔母には本当に感謝してるし、僕も誰かの役に立てたらと思い。医者になることを決めたのだ。叔母さんも賛成してくれて、応援してくれている。

 

「え〜‼朝倉くん。将来、お医者さんになるの⁉すご〜い‼」

 

「うわ〜、私には絶対無理な仕事だよ」

 

 本条さんは更に目をキラキラさせて尊敬の眼差しを向けており

 白峰さんは 『自分には無理だ〜』と、何故か落ち込んでいた。

 そんな感じで楽しく話しを続けていると予鈴が鳴ったのでそれぞれ、授業の準備を始めた。

 

 ──放課後

 あの後も本条さんと白峰さんの2人と話しをした。本条さんはこちらの話しを素直に聞いてくれて、白峰さんともゲームの話しなら問題なく話しが出来たので。今回で少し距離が縮まった気がした。今日は本当に良い日だったな♪ 

 

 その頃──

 

 快人の実家には1つの段ボールが届いているのであった

 

 




この世界はSAO事件のあった数年後と言う設定になっています。
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