仮想世界で気づいたら最強生物になっていました。   作:BLOODRAIN

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最強生物と鬼

sideカイドウ

 

NWOに初めてログインした翌日。

僕、快人改めカイドウは再びNWOの世界に降り立っていた。せっかく母さんがくれたんだし、何より僕自身がNWOに嵌ってしまったからである。

さて、今日は何をしてみようかな。レベリングにでも行こうかな。と、ここで僕の頭にとある考えが浮かんだ。せっかく仮想世界に居るんだから、ちょっとしたロールプレイングをやってみようと思ったのだ。いつもは一人称を「僕」にしているのだが、ここは一人称を変えて見ようと思う。なのでとりあえず一人称を「俺」に変えてみることにした。

 

そんなことを考えていると目の前に新たにログインする際の光が現れる。光と共に現れたのは大盾の初期装備に見を包んだ黒髪のショートヘアで頭にはアホ毛が立っている小柄な女の子だった。その女の子の顔を見た瞬間、僕は何故かその子から目が離せなかった。

なぜならその女の子の顔にとてつもなく見覚えがあったからだ

 

「……」

 

僕がその娘を上から見下ろしていると

 

「ん?っ、うわ‼」

 

その娘は僕の存在に気づいたのか、驚いて後ろに飛び跳ねた。まあ大して跳んでいないのだが

 

「な、なんでしょうか?」

 

黒髪の女の子は顔が引きつった状態で俺から距離を取ろうとしている。

 

「あ、すいません。知り合いに似てたのでつい」

 

「そ、そうなんですか。ん?」

 

僕が謝ると黒髪の女の子は落ち着きを取り戻し。今度は俺の顔を見上げて来た。しばらく見つめあい。ここで女の子が恐る恐る尋ねて来た。

 

「もしかして、朝倉くん?」

 

なんと女の子は僕の名字を言い当てたのだ。この顔で僕の名字を言い当てた所からして、まず間違いなく

 

「えっ、もしかして本条さん?」

 

そこで、俺達は互いに目を見開いた

 

「やっぱりそうだよね!髪の長さとか目の色が変わってるから一瞬解らなかったよ!」

 

どうやら、本条さんで間違いないようだ。しかし

 

「おっと、これ以上ここでリアルネームで呼ぶのはマナー違反だよ」

 

「あっ、そっか!ごめんなさい!」

 

本条さんは両手で口を塞ぐと頭を下げて謝ってきた。本当に素直で良い子だよ。この娘は

 

「まあ、次からは気をつけてね。ここではカイドウって名前だから、改めてよろしく。えっと」

 

「あぁ、私の名前。こっちではメイプルだから。こっちこそよろしくね、カイドウくん!」

 

現実と変わらない満面の笑みを浮かべて、手を差し出して来た。俺も手を差し出して握手に応じた。

 

そこからは互いのこれまでを話し合った。何と言う偶然か、本条さん改めメイプルさんも昨日から始めたのだと言う。話を聞いていくとどうやら先日、白峯さんに勧められていたVRMMOこそが。この【New World Online】だったのである。

確かに人気なのは知っていたし。白峯さんが勧めて来る気持ちも理解出来る。しかし、同じ日に同じゲームを同時に始めるとは。なんとも言い難い偶然であった。しかも、勧めて来た白峯さん本人は成績が落ちてしまい。ゲームを禁止されている為、まだプレイは出来ていないそうだ。自分で誘ったのに何やってるのさ、あの人は。

 

その後は二人で行動を共にすることにした。メイプルさんはゲームは殆ど初心者であり基本的な知識も持ち合わせていなかった。どうやらメイプルさんはちゃんとしたおしゃれな装備がほしいようで、どうすれば良いのか分からず途方に暮れている様だ。確かにそう言われると俺もちゃんとした装備はほしい。

しばらく二人で話しながら、街行く人に話しを聞くことにした。するとメイプルさんは偶然通りかかった赤い大盾使いの男性に声をかけた。男性は俺たち二人を見て驚いた顔をしていた。どうやら向こうは俺達のことを知っているようだ。

メイプルさんが男性が装備している赤い大盾は何処で手に入るのかと聞いたところ、どうやらオーダーメイドの様だ。メイプルさんが考え込んでいると男性の好意によりこの大盾を作った生産職の知り合いを紹介してもらえることになった。俺も話だけでも聞いておきたかったので、同行させてもらうことにした。

 

しばらく男性、もといクロムさんの案内により。ある工房に案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

移動中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『イズ工房』

 

建物の前に立ててある看板にはそう書かれていた

クロムさんの案内により店内へと入った俺とメイプルさん。

 

「あら。いらっしゃいクロム。」

 

工房の奥から青いロングヘアの女性が出て来た。

 

「その子達は?」

 

「大盾装備と手甲装備の新人を見つけたんでな。衝動的に連れて来た。」

 

「衝動的?クロム、通報した方がいいかしら?」

 

女性はコールボタンを見せながらクロムさんに視線を向ける

 

「ちょ、ちょっと待て待て。衝動的って言うのは言葉の綾って言うか」

 

「ふふふ、分かってるわよ。冗談よ」

 

「ぐっ、その冗談は心臓に悪いぜ」

 

今のやり取りでこの二人の間に確かな絆を感じた。こんな風に冗談が言い合える友人が居ると言うのは本当に羨ましい。

いい感じに和んだところで本題に入った。

 

「この娘がかっこいい大盾が欲しいって言うから。顔見せだけでもと思って案内したんだ」

 

「なるほどね。私の名前はイズ。見ての通りの生産職で鍛冶を専門にしてるわ。調合とかも出来るけどね。それで?あなたとそちらの彼は?」

 

「は、はじめまして。メイプルって言います。」

 

「カイドウです。以後お見知りおきを」

 

「メイプルちゃんとカイドウさんね。よろしくね。」

 

イズさんはメイプルさんの大盾を選んだ理由を聞き。VIT特化装備が良いと教えてくれた。ちなみにメイプルさんが大盾を選んだ理由は痛いのが嫌だから防御力を上げたかったからだそうだ。装備の方向性も決まったはいい物の、実際に作ろうとなると100万は必要だそうだ。始めて2日目のメイプルさんにそんな大金があるはずも無く。今回は諦めるしかなさそうだ。

 

「じゃあ、次はカイドウさんね。カイドウさんはなんで手甲を選んだの?」

 

「特技を1番活かせそうだったのと、色んな武器を使ってみたいと思ったからです。」

 

「へ〜。ちなみに特技って?」

 

「俺、リアルで武器術を含めた武道をやっていますので」

 

「なるほどね〜。確かにそれなら、手甲との相性は良いかもね。」

 

イズさんは感心した様に笑みを浮かべ、クロムさんは何故か納得した様な顔をし、メイプルさんは目をキラキラ輝かせていた。

 

「でも、どんな装備でも作ろうとなったらメイプルちゃんと同じ位の金額が必要になるわね。」

 

「そうですか。ありがとうございます。」

 

「いえいえ。こちらこそごめんなさいね。力になれなくて。」

 

「しばらくおしゃれはお預けだなぁ」

 

メイプルさんが落ち込んでいる。力になってあげたいけどこればっかりはどうすることも出来ない。

 

 

 

その後、イズさんから東に【毒竜の迷宮】と【酒呑童子の洞穴】と言うダンジョンがあると言う情報を教えてもらい。更にクロムさんからポーションを分けてもらった。更にはイズさんとクロムさん二人とフレンド登録もしてもらった。本当に良い人達だよこの人達。

それから二人に別れを告げてから、メイプルさんと行動を開始した。

 

 

 

 

 

移動中

 

 

 

 

しばらく歩いた所で僕はメイプルさんに話しかけた

 

「メイプルさん」

 

「何、カイドウくん?」

 

「ダンジョンに行くつもりなんでしょう?」

 

「あはは。やっぱり分かっちゃう?」

 

メイプルさんは苦笑しながら頭に手を乗せる。その顔を見ればね。

 

「それで、どうする?二人で行ってみる?」

 

まだ二人共、レベルが低いので人数は多いに越したことはないが

 

「うーん。やっぱり最初は一人で行ってみたいな」

 

「そっか。メイプルさんがそうしたいなら俺は止めないよ」

 

その後の話し合いでダンジョンは2つあるので、二人で手分けしてダンジョンに挑むことにした。メイプルさんは『毒耐性』と言うスキルを持っているそうなので、【毒竜の迷宮】へ。

対して俺は【酒呑童子の洞穴】に挑むことにした。

 

メイプルさんと一度別れ。森の中を進むと突然目の前に巨大な洞穴を見つけた。その洞穴はまるで相手を誘い込む様に大きく口を開けている。

 

俺はその誘いに乗り、洞穴に入った。

内部は普通の洞穴なのだが、奥に進むに連れて。どんどんと熱気と強烈な酒の匂いが強くなって行った。更には突然上から大人の背丈程もある猿が降ってきたりもした。どうやらここのモンスター達はみんな酔っぱらっているようで足下がおぼつかず、常にフラフラ体を揺らしながら襲い掛かってくる。飛び掛かってきたモンスターにはカウンターパンチを食らわせ、掴みかかってきたモンスターには合気道の形で投げ飛ばす。更に腕や足に噛み付いてきたモンスターには噛みつかれたまま振り回し、鈍器の様に別のモンスターに叩きつけた。

決してこちらから追うことは無く。向かって来た相手をカウンターと受け流し、更にモンスター自体を武器に変えて進んでいく。

 

 

 

 

 

 

攻略中

 

 

 

 

 

 

 

しばらく攻略を進めた所で

 

『レベルが16に上がりました』

『スキル【武装】を取得しました。』

 

レベルも4上がり、何とスキルまで取得した。

 

 

 

 

           【武装】

装備している武器により増加する【STR】【VIT】が3倍になる。

          ー取得条件ー

装備した武器以外、またはモンスターを武器にして対戦相手を50体倒す。

 

 

 

 

レベルが上がったことにより得たステータスポイント10を振り。現在のステータスは以下の様になった

 

NAME カイドウ

  LV 16

  HP 50/50

  MP 30/30

 

STR 35(+15)  VIT 30(+21)  

AGI 30(+8)  DEX 25 

INT 0

 

装備

頭【空欄】 体【空欄】 右手【初心者の手甲(右)】 

左手【初心者の手甲(左)】 足【空欄】 靴【空欄】

 

装飾品【フォレストクインビーの指輪】【アンダーグラウンドパイソンの腕輪】【空欄】

 

スキル

【蹂躙】【武装】【】

 

 

 

しばらく進むとモンスターの種類も変わり。やはり酔っぱらっている肌の色が黒い小鬼たちが15体程現れた。小鬼たちは棍棒や短刀、槍、片手剣などを持っている。

 

『グワァー!』

 

棍棒を持った小鬼の群れの内の一匹が棍棒を振り上げて襲い掛かってきた。酔っぱらってフラフラしているせいか左右に揺れて攻撃が読みづらいが動きは遅いので振り下ろして来た棍棒を持つ手首を掴んで内側に捻る。すると小鬼は顔を歪めて手に持った棍棒を手放した。その棍棒を空いている手で掴んでから小鬼の頭を横から殴りつけた。

 

『グフォッ⁉』

 

まさか武器を奪われて反撃されるとは思わなかった様で。殴り飛ばされた小鬼は反応できずにその場で立ち尽くす。そこに棍棒を頭に振り下ろす。急所に当たった様で仰向けに倒れた小鬼はポリゴンとなって消え去った。

 

以前モンスター自体を武器にする事が出来ると知ったので、武器を奪って使ってみたが。予想通り自分の武器として使うことが出来た。しかし、やはりモンスターの武器なので残念ながらステータスに変化は無い様だ。

さらにどうやらこいつら1体1体はそれほど強くない。所謂、質より量を重視したモンスターなのだろう。確かに数で押されてはこちらが不利なのは間違いない。

仲間が目の前でやられたことに怒ったのか、他の小鬼達が各々の手に持つ武器で襲い掛かってきた。

さらに奥の方から新たに10匹程、小鬼が出て来た。

 

「流石にこの数で責められたら厄介だな。【蹂躙】!」

 

ここで僕は手に持っていた棍棒を投げ捨てて蹂躙のスキルを発動。これから10分間、俺のSTRは5倍になる。

 

そこからは大乱闘だった、小鬼たちの数は全部で約30体。まずは片手剣を持った小鬼が正面から斬りかかる、その攻撃を半身になって避けると小鬼の剣を持っている方の手首を掴んでから合気道の型で後方に投げ飛ばす。小鬼は背中から叩きつけられると同時に後方にいた槍を持っている小鬼を巻き添えにする。

叩きつけられた小鬼は持っていた剣を離してしまう。

その剣を奪い。振り返り様に右に横薙に斬る。その際に短刀を逆手に持った小鬼の首元を切り裂き、小鬼の首が跳ぶ…

前にポリゴンとなって消え去る。そこからは片手剣で同じく片手剣で斬りかかって来た小鬼の攻撃を鍔迫り合いで受け止め、がら空きになった小鬼の腹に前蹴りを叩き込む。【蹂躙】で5倍になった【STR】によりふき飛んだ小鬼はポリゴンとなって消え去る。

そこからは小鬼の武器を奪いながら体術を織り混ぜて闘い、何とか効果が切れる10分以内で全ての小鬼を一掃することが出来た。

 

「はあっ、はあっ、流石に少し疲れたな。」

 

流石に無傷とはいかず、何度か攻撃を受けてしまい。ダメージを負ってしまった。しかしHPも8割以上残っている。

 

『レベルが18に上がりました。』

『スキル【闘神】を手に入れました。』

『スキル【武神の加護】を手に入れました。』

『スキル【一撃必殺】を手に入れました。』

 

 

 

 

 

 

 

            【闘神(インドラ)

闘神の如く闘う。発動時間は10分。発動中は【AGI】【STR】が5倍になる。効果終了後、10分で使用可能。

           ー取得条件ー

30体以上の対戦相手と同時に闘い。魔法を使わず全ての対戦相手との戦闘にHPを8割以上残して勝利する。

 

 

 

 

 

          【武神の加護】

武器の神の加護。装備している自分の武器以外で攻撃する場合。ダメージが2倍になる。

          ー取得条件ー

対戦相手の武器を奪い。その武器で対戦相手、または他の対戦相手を30人以上倒す。

 

 

 

 

          【一撃必殺】

対戦相手の急所に攻撃が入った場合50%の確率で即死攻撃になる。

          ー取得条件ー

急所に入った攻撃で対戦相手を10体倒す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、ここでレベルが上がっただけで無く。スキルが一気に3つも手に入った。

しかもどれもこれも強力なスキルばかりである。しかし、強力なだけあって取得条件は難しい物ばかりだ。

相手の武器を奪うことが前提のスキルなんて狙って取りでもしない限り、獲得なんて出来る訳がない。

レベルアップにより得たステータスポイントはまだ5しか溜まっていないので、ステータスは振らず先に進む。

 

 

 

 

進む途中でモンスターは出て来なかったが、道中でいくつかの素材を手に入れた。しかしやたら酒関係の物が多かったのは、このさっきから漂っている酒の匂いと何か関係あるのだろうか?

 

 

 

ーーー攻略中

 

 

 

 

 

しばらく行くと目の前に木で出来た巨大な扉が現れた。おそらく、ここがボスの部屋だろう。しかも扉の前に来た。しかもこの扉の向こう側から強烈な酒の匂いと熱気が漂っている。

 

「ここがボスの部屋ってことなのか?しかし、この熱気と酒の匂いは何なんだ?」

 

愚痴りながらも目の前の扉を潜った

 

扉の向こうは広い空間になっており。そこら中に巨大な酒樽がゴロゴロ転がっている。更には1番奥には巨大な燃えている物体があり、それはまるで何かが横たわっている様に見えた。

 

ずっと続いていた酒の匂いと熱気はこいつのせいか

 

『バタンッ‼』

 

後方の扉が閉まり。閉まる際の音で燃えている物体がピクリと動いた。更にそのままムクリと起き上がりこちらに振り返った。

 

『ぐぉぉぉ…』

 

低い唸り声を上げるその正体は鬼だった。しかもただの鬼では無い、頭が燃えている鬼だ。背丈は約5m程あり、筋骨隆々の体で腰に紫の布を巻き。右手に棘のついた金棒、左手に巨大な赤い瓢箪を持っている。頭に2本の巨大な角を持ち、長い髪の毛の様な炎を灯した。黒い肌の鬼。このダンジョンの長、酒呑童子だ。

 

「こいつが酒呑童子か…」

 

こっちに気づいた酒呑童子は向っては来ず。

 

ゴォォォォォォォォォォォ!

 

なんと口から炎を吹いた。流石にこれには驚き、後ろに飛び退くが炎を正面からくらってしまう。

 

「あっちちちちちちち!」

 

炎は何とか消えたがHPを3割程持って行かれてしまった。

 

 

 

 

 

『[炎熱耐性・小]を取得しました。』

 

 

 

 

 

ここで炎への耐性スキルが手に入った。ここで前にメイプルさんから聞いた話を思い出した。メイプルさんは【毒耐性】と言うスキルを持っているのだが、メイプルさんは【毒耐性】を取得した時、毒の攻撃を受け続けたおかげで耐性が強力に進化したと言っていた。ならこれでも同じことができるのでは。

 

そう考えた俺はゆっくりと酒呑童子に近づいていく。酒呑童子はさっきと同じ様に炎を吹き出す。俺は逃げることなく攻撃を受け続けた。熱いが前ほど大したことは無い。

 

 

 

 

『[炎熱耐性・小]が[炎熱耐性・中]に進化しました。』

 

 

 

 

 

やはりそうだ、さっきより受けるダメージが少なくなっているし。熱さも感じなくなって来ている。

ここで更に酒呑童子は瓢箪の栓を抜き。中身を口に含んでから炎を吹く、炎は更に勢いを増す。おそらく、中身は酒だったのだろう。HPが徐々に減り、2割を切ろうとしていた。ここでクロムさんから貰ったポーションを使い、HPを全回復する。

 

 

 

 

 

『[炎熱耐性・中]が[炎熱耐性・大]に進化しました。』

 

 

 

 

 

更に炎熱耐性が進化し、ダメージが減った。おそらくだが、これを続ければ。

酒呑童子は続けて炎と吹き出す。HPが危険域に迫ったらポーションを使いひたすら耐え続ける。ポーションとHP、どちらが先に尽きるか。

 

その後、ひたすら炎に耐え続ける

 

そして最後のポーションがな無くなった時。

 

 

 

 

 

『[炎熱耐性・大]が[炎熱無効]に進化しました。』

 

 

 

 

 

遂に炎熱無効まで進化した。これでもうこの炎の攻撃は効かない。現に俺は炎を全身に浴びて居るのだが、熱くも無いし。HPも全く減っていない。これで厄介な炎攻撃は封じた。

 

「さぁ、ここからが本番だ」

 

今回は受けではまず勝ち目は無い。最初から全力で行く。

 

「【蹂躙】!【闘神】!」

 

先程手に入れたスキル【闘神】を【蹂躙】と重ねて発動する。

これにより今の僕のSTRは5倍と5倍で計10倍、AGIは5倍になった。

スキルの持続時間は10分間、なんとしてもその間に決着を着けなければ僕に勝ち目は無い。

だから取った戦法は短期決戦だ。

 

まず、酒呑童子の懐に潜りこむ為に足下へ全力でダッシュで接近。それに反応した酒呑童子は金棒を振り下ろす。

 

 

その攻撃を強化されたSTRによる大ジャンプで躱し、酒呑童子の右腕に跳び乗り。そのまま頭の方まで駆け上がり、渾身の右ストレートを頬に叩き込んだ

 

『グオォォン!』

 

さすがに効いたのか、酒呑童子は後ろに後ずさった。しかしここで空中に跳び上がったせいか、大きなスキを作ってしまった。空中にいる僕を酒呑童子は右手で掴み、握りつぶそうと力を込める。このままではマズイと、僕は全身に力を込めて何とか右手から脱出。この時点ですでに5分が経過していた。残り時間は半分。

そこからは足元を中心に攻撃を仕掛けた。酒呑童子は巨体ゆえに今までの様な投げや締め技は使えない。そこで今回は打撃のみに限定。足に攻撃を集中させ、酒呑童子の攻撃はギリギリで躱し。酒呑童子自身に攻撃が行くように誘導した。

 

そして遂に酒呑童子のHPが一割を切ったところで

 

『【蹂躙】【闘神】の効果が終了しました。』

 

頭の中に無情にも効果終了の合図が響いた。まだ酒呑童子のHPは残っており。AGIとSTRも元に戻ってしまう。そんな状態でカイドウは再び酒呑童子に捕まってしまう。今度は握りつぶすのでは無く、口を開けて僕を食べようとしている。

 

流石にここまでか、と諦めかけた時。

 

 

 

 

 

 

頭の中にある記憶が蘇った

 

『快人、最後まで諦めなかったやつが。1番強いんだぞ』

 

それは、かつて僕に空手を教えてくれた父さんとの記憶だった。たしかこの日は空手の試合で負けて泣いて帰ったんだっけ。負けた相手は当時の僕より体が大きくて、全く敵わなかった。

そんな僕を見かねて、父さんが稽古をつけてくれた時にこの言葉をかけてくれた。

 

その言葉を胸に稽古を続けて、一ヶ月後、僕は見事にリベンジを果たした。

あの時は本当に嬉しくて、父さんも自分のことみたいに喜んでくれたっけ。その日な家族総出でお祝いしてもらったんだよな

 

 

 

 

その出来事を思い出した時、僕は持ち直した。

そうだ、こんなところで諦めたら。父さんにも、みんなにも顔向け出来ない‼

 

酒呑童子が僕を口に放り込もうと手を離した瞬間

 

っ、おおおおおおおおおお!!

 

酒呑童子の牙に手をかけ、顔の下に回り込み。酒呑童子の首元に

 

 

 

 

 

「ガブッ‼」

 

渾身の力で噛みついた。自分でも何故そうしたのか分らないが、この噛みつきにより。酒呑童子の喉を食いちぎり、HPを削り取った。ちなみに酒呑童子の肉の味はかなり辛味が強かったです。

酒呑童子は光となって砕け散り、酒呑童子が立っていた場所には大きな宝箱が置いてあった。

 

「よっしゃ〜。何とか勝った〜‼」

 

勝利の達成感にその場で両方の拳を天に突き上げた

 

『スキル【鬼喰らい(オーガイーター)】を取得しました。』

『【炎熱無効】が【酒呑童子】に進化しました。』

『レベルが20に上がりました。』

 

 

    【鬼喰らい】

酒呑童子の力を意のままに扱うことができる。

MPを消費して酒魔法を使用できる。

炎熱、毒、麻痺を無効化する。

    ー取得条件ー

酒呑童子をHPドレインによって倒すこと。

 

 

「【鬼喰らい】酒呑童子の魔法を使える。魔法は使う気は無かったけど、遠距離からの攻撃手段はあった方が確かに便利だな。まあ、取り敢えず。宝箱を開けてみるか。」

 

僕は宝箱を開けた途端。中から光が漏れ出し

 

 

 

 

 

 

『装備【鬼神ノ手甲(きしんのしゅこう)】を取得しました。

   【災害ノ黒衣(さいがいのこくい)】を取得しました。

   【酒呑ノ瓢箪(しゅてんのひょうたん)】を取得しました。』

 

 

 

 

 

 

      【ユニークシリーズ】

単独で、かつボスを初回戦闘で撃破し、ダンジョンを攻略した者に贈られる、唯一無二の装備。

 

 

【鬼神ノ手甲(右手・左手)】

[STR +30] [破壊成長]

スキルスロット空欄

 

【災害ノ黒衣】

[VIT +25] [破壊成長]

スキルスロット空欄

 

【酒呑ノ瓢箪】

[VIT +15][STR +15] [破壊成長]

スキルスロット空欄

 

 

         ー破壊成長ー

この装備は壊れれば壊れるだけ強力になって元の形状に戻る。

修復は瞬時に行われるため破損時の数値上の影響はない。

 

 

 

 

 

「唯一無二の装備。しかも壊れる度に強くなって元に戻る。

更にこの性能。とんでもない装備を手に入れてしまった。まあ、でも苦労して倒した甲斐はあったな」

 

装備のあまりの性能に苦笑いを浮かべるが、せっかく手に入ったのだ。ありがたく使わせて貰おう。

 

せっかくなのでこの場で装備してみることにした。

まず、【鬼神ノ手甲】は手甲と言うよりは棘のついた腕輪だった。

そう言えば酒呑童子も同じ様な腕輪してたっけな

 

次に【災害ノ黒衣】は何やら黒いファーで出来たマント。更に下に羽織る紫の前の開いた下部に鎖が付いているシャツ、更に腰にはベルトの変わりに細くて赤紫のヒラヒラした飾りが付いている腰巻きと神社で見る様な白垂の付いた太くて白いしめ縄が巻かれている。何故かシャツは前が全開で自前の割れた腹筋が晒されている。普通に着ることは出来るし、マントも外せる様ではある。

 

最後に酒呑ノ瓢箪は酒呑童子が持っていた瓢箪のミニバージョンであり。赤い塗装にしめ縄が巻かれ『天』と書かれている。

 

「これで角つけて金棒持ったら完全に鬼だよな。」

 

何か装備の見た目が強烈すぎて、僕自身が負けてる様な感じだ。髭とか生やしたら多少はましになるかな?

まあ、生やそうとは思わないけど

 

そんなことを考えていると

 

 

 

 

 

 

ピロリン♪

 

『スキル【覇気】を取得しました。』

 

 

 

 

 

 

            【覇気】

発動中は自分のステータスを全て1.5倍にする。発動合計時間10分。

発動時間が0になった瞬間から10分で使用可能。

 

         ー取得条件ー

自分よりレベルが10以上高い戦闘相手に単独で勝利する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また新しいスキル?覇気?」

 

時間差で出たようだがステータスが全て1.5倍になるってまたすごいスキルが出たようだ

 

その程度に僕は考えていた。この時まではーーー

 

後にこのスキルがNWOに新風を巻き起こすとは知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

更に同じ頃。メイプルも毒竜を倒し、ユニークシリーズを手に入れたのだが

 

 

ピロリン♪

 

『スキル【覇気】を取得しました。』

 

「ふぇ?」

 

 

 

 

 

 

メイプルも同じスキルを手に入れていた。

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